子供の代表的な病気をまとめました!夏や冬にかかりやすいのは?

目次

夏にかかりやすい三代感染症

手足口病

概要

主に子供の間で流行する夏にかかりやすいウイルス感染症です。大人も子供から移って発症します。
コクサッキーA16・エンテロウイルス71が主な原因ウイルスです。

発症すると、手・足・口の中に水泡ができるので、この病名がつけられています。
人に移しますので注意が必要です。
手足口病はワクチンで防げる病気ではありません。

症状

個人差はありますが、手・口腔粘膜・足への発疹が皮膚への主症状です。

・水泡ができる
・発熱(時に)
・中枢神経合併症
・心筋炎
・急性士官性麻痺  など

「水ぼうそう」や「ヘルパンギーナ」の症状とも似ているので医師の診察を受けましょう。

何科?治療法は?

小児科を受診します。(大人の場合は内科)

・基本的に検査や薬物治療などは何もなく、症状に合わせた対症療法で自然に治るのを待ちます。
・他の病気や合併症が疑われる場合には検査を行うことがあります。
・口の中に水泡ができることで、水分不足になりやすいので、その点は医師の指示に従ってください。

自宅での対処や予防

・家族でなった場合は使うものを別にしましょう
・流行期に入る前から免疫力をつけるようにしましょう

手足口病の注意点
高熱、嘔吐などの症状がある場合は合併症(髄膜炎や脳炎)を起こしている場合がありますので早めに医療機関を受診しましょう。
●脱水症状に十分気を付けましょう。少しずつ小まめに飲ませてください。
●手足口病は「登校・登園の停止」の疾患ではないので、治癒すれば登園・登校はできますが、排便後の手洗いは入念にしましょう

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ヘルパンギーナ

概要

主に6歳未満の幼児がかかる、夏風邪の一種です。流行期があります。
コクサッキーA群ウイルス、コクサッキーB群ウイルス、エコーウイルス感染で発症します。
2~4日の潜伏期間があります。
ヘルパンギーナはワクチンで防げる病気ではありません。

症状

個人差はありますが、これらの症状が見られます。

・高熱
・のどの奥に小さな白い水泡や水ぶくれ
・水泡が破れると、しみて痛い
・脱水症状
・熱性けいれん
・無菌性髄膜炎
・心筋炎   など

何科?治療法は?

小児科を受診します。

ウイルス自体に有効な治療薬はありません。検査でヘルパンギーナと診断されると解熱剤や痛み止め、点滴など症状に合わせた治療を行います。
合併症をおこした場合、入院が必要となります。

自分での対処

・うがい、手洗いをしっかりとしましょう
・免疫力をおとさないように規則正しい生活を送るようにしましょう

ヘルパンギーナの注意点
●便の中に1か月ウイルスを出しているので、排便後の手洗いやおむつ替えは注意が必要です。
●ヘルパンギーナは「登校・登園停止」の疾患ではないので治癒したら登校、登園できますが、医師の判断を受けることが望ましいです。

参考情報
 ヘルパンギーナとは [NIID 国立感染症研究所] 

咽頭結膜熱(プール熱)

概要

アデノウイルスが感染の原因です。6月ころから徐々に流行しはじめ、7~8月にピークとなります。

夏に汚染されたプールの水を介して流行する事があるため、別名「プール熱」を呼ばれていますが、プールに入らなくても感染はします。プール熱と診断された全体数の6割が5歳未満の子供です。
咽頭結膜熱(プール熱)はワクチンで防げる病気ではありません。

症状

高熱が4~5日続き、扁桃腺が腫れ、結膜炎を併発します。
頭痛、吐き気、腹痛、下痢を伴うこともあります。

大抵発症してから7日間程度で自然に軽快します。

何科?治療法は?

小児科を受診します。

ウイルス自体に有効な治療薬はありません。検査で咽頭結膜熱(プール熱)と診断されると、症状に合わせた治療を行います。

自分での対処

  • 流水とせっけんでしっかり手洗いして、うがいもしっかりとしましょう。
  • 目をこすらないようにしましょう。
  • プールからあがったときは、シャワーを浴び、うがいをしましょう。
  • 感染者と密接な接触を避け、タオルや箸などは別に使いましょう。

咽頭結膜熱(プール熱)の注意点
●学校保健安全法施にて「第二種感染症」に指定されており「主要症状が消退した後2日を経過するまで」は出席停止です。登園許可証が必要を求めらるケースが多いので、保育園や自治体へ確認しましょう。
吐き気・頭痛の強いときや、せきが激しいときは小児科へ相談してください。

冬にかかりやすい病気

インフルエンザ

概要

毎年冬に流行し、急な発熱・倦怠感・関節痛などが主な症状です。
感染力が強いため、会社や学校など集団単位で感染する傾向があり、次々に学級閉鎖になったりもします。

重症化を予防するにはワクチン接種が有効です。
[日本小児科学会] インフルエンザワクチン

症状

1~4日の潜伏期間の後に、突然の寒気と38℃以上の発熱で始まるのが典型的な症状です。
高熱のほかに倦怠感や、頭痛、のどの痛み、関節痛、鼻汁、せきなども同時に表れることが多いです。

熱は一度下がっても再度上がることもあり、治るまでに5〜7日間ほどかかります。

何科?治療法は?

小児科を受診します。

抗原検査で陽性・陰性の診断を行います。陽性の場合、治療は抗インフルエンザ薬を早期に服用することで、解熱までの期間を短縮します。

自分での対処

安静にして水分補給をしっかりするなどの対処で、子供のインフルエンザは自然治癒することも多いです。

インフルエンザの注意点
●現在インフルエンザは、学校保健安全法(昭和33年法律第56号)で「発症した後5日を経過し、かつ、解熱した後2日(幼児にあっては、3日)を経過するまで」を出席停止期間とされています。ただし、症状によっては学校医その他の医師の判断により出席が認められることもあります。
●通常の風邪と比べて症状が重いため、重症化したり「中耳炎」や「肺炎」「気管支炎」「熱性けいれん」などの合併症を引き起こすリスクもあるので注意が必要です。

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RSウイルス感染症

概要

RSウイルスの感染による呼吸器の感染症で、2歳までにほとんどの子どもがかかります。
感染者から飛沫や接触により感染します。
RSウイルスは何種類もあるので、何度もかかることがあります。

RSウイルスワクチンは現在開発中でまだありません。
基礎疾患のある方など医師に勧められた方を対象に、RSウイルス感染症予防を目的とした注射はあります。
[国保中央病院] シナジス注射のご案内

症状

軽い場合は、鼻水や咽頭痛、咳、発熱が主な症状です。

何科?治療法は?

小児科を受診します。

検査で原因がRSウイルスと診断された場合、特別な治療法はありませんが症状に合わせた薬が処方されます。
呼吸困難の症状が出ている場合は、点滴などを行います。

通常は、数日~1週間で治ります。

自分での対処

軽症の場合、2歳以上は安静と水分補給や加湿などで治ることもありますが、医療機関で診断をした上で適切な対応をすることが大切です。

RSウイルスの注意点
●RSウイルス感染症は学校保健法で出席停止の疾患ではないので、治癒したら登校、登園できますが、医師の判断を受けることが望ましいです。
●2歳以上は鼻風邪で治ることもありますが、新生児や1歳未満の幼児、また心臓や肺の基礎疾患がある場合には重症化のリスクがあるため注意が必要です。
●このような症状が見られるときは医療機関を受診してください。
  – ゼイゼイ、ヒューヒューという呼吸音
  - 呼吸が浅い、苦しそう
  - 胸がペコペコするような呼吸

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ロタウイルス性下痢症

概要

ロタウイルスによる急性胃腸炎です。
幼児や子供に多い感染症で、激しい下痢や嘔吐がおこります。5歳までにほぼすべての子どもがロタウイルスに感染すると言われます。

重症化を予防するにはワクチン接種が有効です。
[厚生労働省] ロタウイルスワクチンの特徴について

症状

個人差はありますが、これらの症状が見られます。

・水のような下痢
・吐き気
・嘔吐(おうと)
・発熱、腹痛   など

何科?治療法は?

小児科を受診します。

便を用いた検査が一般的です。抗ウイルス薬はありません。症状に合わせた治療を行います。
脱水予防としては経口補液や点滴などが行われます。

自分での対処

脱水症状にならないよう、症状が落ち着いている時に水分補給を少しずつ行ってください。

ロタウイルス性下痢症の注意点
汚物(嘔吐物や排泄物)には、ロタウイルスが大量に排出している可能性がありますので、「素早く」「適切に」処理をしてください。
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●通常、発症から1週間で症状は治りますが、「脱水症」のほか、まれに「けいれん」「肝機能異常」「急性腎不全」「脳症」などの合併症を引き起こすこともあるので、症状に変化が見られたら医療機関へ相談してください。
●ロタウイルス性下痢症は症状がおさまれば登園できますが、登園許可証が求められる場合があります。保育園や自治体へ確認ましょう。

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マイコプラズマ肺炎

概要

マイコプラズマという細菌が原因の呼吸器感染症です。
発生するうちの8割が6歳以上の子供(小・中学生)ですが、乳幼児など5歳以下や成人でもかかることがあります。
感染経路は飛沫感染や接触感染です。潜伏期が2~3週間と長いことが特徴です。

ワクチンなどの予防接種はないため、予防は手洗い、うがい、感染者との濃厚接触を避けることです。

症状

個人差はありますが、これらの症状が見られます。

・発熱
・咳、喉の痛み、痰
・頭痛
・倦怠感
・筋肉痛
・関節痛
・中耳炎
・嘔吐、下痢  など

初期症状は主に発熱や頭痛です。最初は乾いた咳ですが、徐々に痰の絡んだ咳に変わる傾向があります。
風邪の症状とあまり区別がつきにくいですが、咳が3〜4週間続くことが特徴です。
たいていは軽い症状ですみますが、一部の人は重症化することがあります。

肺炎や陽炎、髄膜炎などの合併症を引き起こすことがあります。

何科?治療法は?

小児科を受診します。
成人であれば内科を、咳などがひどい場合には呼吸器内科の受診となります。

問診・視診などのほかに胸部聴診、血液検査で診断が行われます。
治療には主にマクロライド系の抗菌薬、またはテトラサイクリン系、ニューキノロン系などの抗菌薬が使用されます。

自分での対処

あたたかくして安静にして、水分補給をこまめに行います。
咳で食べられない場合は、食欲が回復してきたら消化が良く食べやすいものを食べさせます。

マイコプラズマ肺炎の注意点
●脱水症状を起こさないよう水分補給はこまめに行いましょう。スポーツ飲料や経口補水液などもおすすめです。
●マイコプラズマは熱や激しい咳の症状がおさまるまで登校登園できません。登園許可証が必要かどうかは、保育園や自治体へ確認しましょう。
●抗生物質を処方されている場合、症状が治っても最後まで飲み切りましょう。
ぐったりしたり、咳などの症状が重くなり呼吸困難の疑いがある場合は、医療機関を受診してください。

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その他の主な病気

風邪(普通感冒)

概要

 鼻水や鼻づまり、くしゃみ、咳、喉の痛み、発熱などの症状を総称して、一般的に「風邪(普通感冒)」といっています。正式には「風邪症候群」のことで、主にウイルスへの感染が原因です。
風邪(普通感冒)はワクチンで防げる病気ではありません。

インフルエンザは流行性感冒(流感)で、風邪(普通感冒)とは異なります。

症状

個人差はありますが、これらの症状が見られます。

・鼻水、鼻づまり
・くしゃみ
・咳
・喉の痛み
・発熱   など

何科?治療法は?

小児科を受診します。

風邪(普通感冒)の原因となるウイルス自体に有効な治療薬はありません。症状に合わせた治療を行います。

自分での対処

風邪の基本対処は、「安静」と「十分な睡眠」や「栄養と水分」をしっかり摂ることです。
加湿器などで室内の乾燥を防ぐことも大切です。

発熱に対しては、氷のうや水枕を「首回り」や「足の付け根」などで冷やすことも効果的です。

風邪(普通感冒)の注意点
●通常、風邪(普通感冒)は1週間以内で治りますが、侮ると重症化し「肺炎」や「髄膜炎」に進展してしまうこともあるので、次のような様子があるときは速やかに医療機関を受診しましょう。
  ・38度以上の発熱
  ・元気がない、ぐったりしている
  ・水分をとれない
  ・呼吸が苦しそう
  ・けいれん
  ・嘔吐が続いている

●治癒したら登園できますが、幼稚園の方針の確認や、医師の判断を受けることが望ましいです。

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アデノウイルス感染症

概要

アデノウイルスへの感染が原因で、主に5歳以下の子どもがかかる感染力の高いウイルス性の風邪の一種です。感染力が高く、飛沫や接触による感染の他に、糞口感染(便に含まれるウイルスが手に付着することが原因)の場合もあります。

アデノウイルスは51種類あり、ウイルスの種類によって「流行性角結膜炎」「呼吸器感染症」「胃腸炎」「出血性膀胱炎」「咽頭結膜熱(プール熱)」などの病名があります。

アデノウイルス感染症はワクチンで防げる病気ではありません。

症状

次のような症状が表れますが、ウイルスの種類によって特徴が異なります。

・発熱
・咳、喉の痛み
・下痢、嘔吐
・目の充血、目やに
・出血性膀胱炎  など

何科?治療法は?

小児科を受診します。

ウイルス自体に有効な治療薬はありません。検査でアデノウイルス感染症と診断されると、症状に合わせた治療を行います。

自分での対処

基本のケアである「安静」と「十分な睡眠」や「栄養と水分」を充分補給するほかに、高熱が続くときは解熱薬、目やにがひどいときには点眼薬などの対処療法を行います。

アデノウイルス感染症の注意点
家庭内感染を防ぐためにタオルや食器・箸などの共有を避けて、触れた場所へこまめな消毒も行いましょう。
●アデノウイルス感染症を疑う症状があるときは、自分で判断せず速やかに医療機関で受診して的確な治療を行うことが大切です。
●アデノウイルスが原因の病気のうち、咽頭結膜熱(プール熱)流行性角結膜炎(はやり目)にかかったら、学校に登校することはできません。 咽頭結膜熱:発熱、咽頭炎、結膜炎などの症状が治まったあと2日経過すると登園・登校できます。登園許可証が求めらるケースが多いので、保育園や自治体へ確認しましょう。

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おたふくかぜ(流行性耳下腺炎)

概要

おたふくかぜは、ムンプスウイルスへの感染が原因の感染症で、正式名は「流行性耳下腺炎」です。
幼児~小児に多く発症します。おたふくかぜは一度感染すると生涯免疫ができます。

感染経路は咳やくしゃみなどの飛まつ感染や接触感染で、感染力が高い疾病です。

おたふくかぜの重症化を防ぐためには、ワクチン接種による予防が有効です。2023年現在まだ任意接種ですが、さまざまな合併症を引きおこすリスクもあるため、かかったことがない場合は接種が推奨されています。
[日本小児科学会] おたふくかぜワクチン

大人のおたふくかぜに注意
子供の頃に免疫ができていない場合に、成人してからおたふくかぜかかると危険が伴います。
男性の場合は「睾丸炎(精巣炎)」を引き起こして不妊になる可能性があり、女性は「卵巣炎」を併発する危険があります。特に妊娠初期の妊婦がかかると流産のリスクが高まるため要注意です。

症状

耳の前方下の「耳下腺」が腫れることが特徴で次のような症状が表れます。

・片側または両側の頬やあごの下の腫れ・痛み
・発熱
・頭痛
・食欲の低下
・倦怠感
・首の痛み  など

何科?治療法は?

小児科を受診します。(大人の場合は内科、または耳鼻咽喉科)

過去の罹患の確認や抗体検査を行います。ムンプスウイルス自体に有効な治療薬はないため、症状に併せて解熱剤や痛み止め、点滴など対症療法を行います。
おたふく風邪の検査方法は?抗体や血液を調べる!?

自分での対処

安静にして水分補給をこまめに行い、食事内容に気をつけましょう。咀嚼をすると頬やあごが痛みが生じるので、刺激が少なく、ゼリー状などのどごしの良いものを摂りましょう。

おたふくかぜの注意点
●学校保健安全法施にて「第二種感染症」に指定されており「耳下腺、顎下腺または舌下腺の腫脹が発現した後5日間を経過し、かつ、全身状態が良好となるまで」は出席停止です。登園許可証が必要を求めらるケースが多いので、保育園や自治体へ確認しましょう。
●おたふくかぜは「髄膜炎」や「脳炎」「難聴」「膵炎」など合併症を引きおこすことがあります。
嘔吐が続いていたり、頭痛がひどい場合には速やかに医療機関を受診してください。

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水痘(水ぼうそう)

概要

「水痘(すいとう)」は俗に「水ぼうそう」とも呼ばれ、ヘルペスウイルスの一種「水痘帯状疱疹ウイルス」に感染することが原因で発症します。
生後6か月~4歳くらいの子どもがかかりやすく、1歳未満の子どもやアトピー性皮膚炎のある子どもは、症状が重くなりやすいようです。9歳頃までに9割が発症し、大人がかかると重症化することがあり、妊婦が感染すると胎児にも影響が出る可能性があります。

感染経路は空気感染で、感染力は非常に強いです。
2週間位の潜伏期間があり、発症の約2日前〜治癒までの間に感染力があります。

初期症状は発熱発疹です。発疹は全身へ広がっていき、強い痒みを伴う小さな水ぶくれ(水疱)から「かさぶた(痂疲)」へと変わって治っていきます。

感染力の強いウイルスのため、集団感染する傾向があります。
重症化を予防するにはワクチン接種が有効です。水痘ワクチンは平成26年10月1日から定期予防接種です。
 [日本小児科学会] 水痘ワクチン

症状

・発熱
・強いかゆみのある特徴的な発疹
・倦怠感 など

水ぶくれ状の発疹は痒みが強く、掻きむしると痕が残ったり、とびひになることがあるため注意が必要です。

何科?治療法は?

皮膚科、または小児科を受診します。

検査方法はPCR検査や血液検査などです。
水痘(水ぼうそう)の治療・かゆみ止めには、抗ウイルスの飲み薬や塗り薬を使用します。

自分での対処

掻きむしるととびひになるため注意が必要です。爪を短くしておきましょう。
痒みを軽減には、痒み止めや保湿、冷タオルで冷やすことも効果があります。
お風呂は体が温まってしまうため避け、シャワーで洗い流してタオルで擦らずやさしく押さえるように水気をとりましょう。

水痘(水ぼうそう)の注意点
●学校保健安全法施にて「第二種感染症」に指定されており、「発疹が完全にかさぶたになるまで」は登園・登校ができません。登園・登校許可証が必要な場合がありますので保育園や自治体へ確認しましょう。
●家族に感染したことがない人がいる場合は、タオルの共有や一緒の入浴を避ける必要があります。
●水痘(水ぼうそう)の疑いがあるときは、速やかに医療機関を受診し治療を受けることで、症状が軽いうちに治すことができます。

伝染性紅斑(りんご病)

概要

伝染性紅斑はヒトパルボウイルスB19が感染の原因です。両頬が赤くなるので俗名「リンゴ病」とも言われます。
感染経路は主に飛沫感染と接触感染です。

主に幼児や学童がかかりますが、成人がかかる場合は関節痛が出ることがあり症状が重くなる場合もあります。妊婦がかかると胎児水腫や流産の原因となることがあります。
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伝染性紅斑(りんご病)はワクチンなどの予防接種はないため、うがいや手洗いなど一般的な予防法と、感染者との濃厚接触を避けることが必要です。

症状

個人差はありますが、これらの症状が見られます。

・発熱
・鼻水、咳
・倦怠感
・頭痛
・筋肉痛
・発疹(両頬や、腕、脚にレース様の赤い斑点)
 など


潜伏期間は4〜15日ほどで、初期症状は発熱・頭痛・倦怠感・筋肉痛など風邪症状で、数日経つと両頬への赤い発疹(レース状)が出ます。さらにその後、腕や脚などにも発疹が出ることがあります

感染力が最も強いのは発疹が出る1週間前頃で、両頬に赤い発疹が出るころにはすでに感染力はありません。

何科?治療法は?

小児科を受診します。
成人が感染した場合は内科か皮膚科、妊婦はすぐにかかりつけの産婦人科を受診してください。

伝染性紅斑(りんご病)自体に有効な治療法や薬はなく、ほとんどが自然治癒します。必要に応じて対症療法を行います。

自分での対処

食べるものは普段通りでかまいません。

伝染性紅斑(りんご病)の注意点
●暑いお風呂は長く入らないようにしましょう。赤みが長引くことがあります。
●日差しに長く当たると赤みや痒みが増すことがあるので避けましょう。防止を被るなどの保護をしましょう。
●伝染性紅斑(りんご病)は「登校・登園の停止」の疾患ではないので、発疹(リンゴ病)のみで全身状態が良ければ登校可能です。

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突発性発疹(小児バラ疹)

概要

生後6ヶ月から18ヶ月の乳幼児期にかかることが多く、ヒトヘルペスウイルス6型または7型に感染することが原因で発症します。

突発性発疹(小児バラ疹)はワクチンで防げる病気ではありません。

症状

突然の高熱が3日ほど続き、解熱前後から赤い発疹が現れます。
また機嫌が悪くなり、ぐずることも多くみられます。

・発熱
・発疹
・大泉門やまぶた、リンパ節の腫れ
・下痢  など

何科?治療法は?

小児科、または発疹があれば皮膚科を受診します。

発熱のみでの判断は難しく解熱の段階で発疹があると突発性発疹と診断されます。
通常検査は行われませんが、確定診断には血液検査が可能です。

突発性発疹に有効な治療薬はありません。症状に合わせた治療を行います。

自分での対処

・基本対処の「安静」「十分な睡眠」「栄養と水分」をしっかり摂るようにします。
・熱が下がれば入浴も可能です。

突発性発疹の注意点
●軽症なことが多いですが、「熱性けいれん」など合併症を引き起こす可能性もあります。このような症状がみられたら速やかに医療機関を受診してください。
   - 高熱が続く
   – けいれん、ひきつけ

   - 元気がない、ぐったりしている
   - 嘔吐
   – 咳

●治癒したら登園できますが、登園許可証が求めらることがあります。幼稚園の方針の確認し、医師の判断を受けることが望ましいです。

風疹(ふうしん)

概要

風疹ウイルスに感染することが原因で発症する急性の発疹性感染症です。症状が麻疹(ましん)と似ているが短期間で治るので別名「三日ばしか」と言われます。<注意:「三日ばしか」と「麻疹(はしか)」とは異なります>
感染力が強く、感染経路は飛沫感染です。大部分の人は一度感染すると生涯免疫ができます。

発症が多いのは生後1歳頃から15歳頃までの子供で、大抵は軽症で治りますがまれに合併症を引き起こすこともあります。
成人が発症すると高熱や発疹の期間が長く、関節痛がみられるなど子供より重症化することがあります。
また、特に免疫が不十分な妊娠20週頃までの妊婦が発症した場合は、出生児に心臓や眼・耳などへ先天異常(先天性風しん症候群)が生じる可能性があり注意が必要です。

風疹による重症化を予防するにはワクチン接種が有効です。
[厚生労働省] 風しんの追加的対策について

症状

・発熱
・赤い発疹(斑状丘疹)
・首から耳にかけてのリンパ節の腫れ
・咳
・鼻水

潜伏期間は14~21日で、発熱・リンパ節の腫れ・発疹の3つが現れるのが典型的な初期症状です。赤い発疹が顔から出て24時間以内に全身へ広がります。
一部の人は感染しても症状が出ないことがあります。

何科?治療法は?

小児科を受診します。成人であれば一般内科を受診、妊婦はかかりつけの産婦人科へまず相談してください。

風疹の診断には抗体検査を行います。
風疹ウイルスに有効な治療薬はないため、痛み止めやかゆみ止めなど症状にあわせた対症療法が行われます。

自分での対処

・軽い風邪症状で熱がなく元気な場合も、発疹が消えるまで家で過ごしてください。
・食事などいつも通りの生活でかまいません。
・発疹の出る前後約1週間は人に感染させる可能性があります。

風疹(ふうしん)の注意点
●学校保健安全法施にて「第二種感染症」に指定されており「発疹が消失するまで」は出席停止です。登園許可証が必要を求めらるケースが多いので、保育園や自治体へ確認しましょう。
●熱が3〜4日以上続いたり、ぐったりとして元気がない場合は、小児科を受診してください。

感染性胃腸炎

概要

感染性胃腸炎にはウイルス性胃腸炎細菌性胃腸炎とがあり、ウイルスや細菌への感染が原因で起こる病気のこと全体を指しています。主に嘔吐や下痢、発熱などの症状が現れます。

ウイルス性胃腸炎には主に「ノロウイルス感染症」や「ロタウイルス性下痢症」「アデノウイルス感染症」などがあり、細菌性胃腸炎の多くは「食中毒」として起こります。その原因となるのは、例えばカンピロバクターやサルモネラ菌、ウェルシュ菌などです。

感染経路は、感染者からの接触感染と食べ物による経口感染とがあります。

感染性胃腸炎には特別な治療法がないため、何より予防することが大切です。
ノロウイルスについては、予防接種ワクチンがあります(任意摂取)。
  [厚生労働省] ロタウイルスワクチンの特徴について

症状

初期症状は、急な下痢で症状が始まり、何度も嘔吐を繰り返すことが多いです。
個人差はありますが、主にこれらの症状が見られます。

・嘔吐
・下痢
・発熱
・腹痛
・食欲不振
・筋肉痛
・倦怠感  など

何科?治療法は?

小児科を受診します。成人の場合は内科または消化器内科を受診します。

感染性胃腸炎の治療薬はありません。脱水症状を起こさないよう吐き気止めや整腸剤など、症状に合わせた薬が処方されます。細菌性胃腸炎の場合は点滴による治療や、抗生物質が処方されることもあります。

自分での対処

・脱水症状を起こさないよう水分補給を少しづつ小まめに行います。すぐに嘔吐する場合は時間をあけて少量飲ませ、様子を見ながら少しずつ量を増やします。嘔吐がおさまってきたら、常温のOS-1(経口補水液)やスポーツドリンクなど少しずつ与えましょう。
・嘔吐の際、吐いたものが気管へ入らないよう気をつけます。頭を横に向かせるか、顔を下へ向けてください。

感染性胃腸炎の注意点
●家庭内感染を防ぐためにタオルや食器・箸などの共有を避けて、触れた場所へこまめな消毒も行いましょう。
●このような症状がみられたら速やかに医療機関を受診してください。
  - 下痢や嘔吐がひどい
  - 飲めない、食べられない
  - 元気がない、ぐったりしている
  - 呼吸が苦しそう
  - 高熱が続いている
  - 激しく痛がっている

●抗生物質を処方されている場合、症状が治っても最後まで飲み切りましょう。
●感染症胃腸炎は下痢や嘔吐などの症状がおさまれば登園・登校できますが、保育園や自治体、医師の指示を確認ましょう。

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溶連菌(溶血性連鎖球菌)感染症

概要

溶血性連鎖球菌(ようけつせいれんさきゅうきん)という細菌に感染することが原因で発症する病気です。主に喉に感染し、子供に「喉の痛み」がある場合、溶連菌が原因の場合が多いです。
特に11月から4月頃は感染しやすく注意が必要ですが、それ以外の時期でも発症する可能性があります。

感染力は強く、潜伏期間は約2~5日と言われます。感染経路は、咳やくしゃみなどの飛沫感染と、おもちゃやタオルなどからの接触感染とがあります。
溶連菌感染症の疑いがある場合は、早期に医療機関を受診しましょう。

溶連菌はワクチンなど予防接種で防げる病気ではありません。マスクやうがい、手洗いでの予防が効果的です。

症状

個人差はありますが、これらの症状が見られます。
また溶連菌は、咳やくしゃみがほとんど出ないことが特徴です。

・喉の痛み
・発熱
・扁桃腺の腫れ
・舌に赤いブツブツができる
・発疹
・全身倦怠感
・腹痛

何科?治療法は?

小児科を受診します。
成人は内科か、喉への症状が出ていれば耳鼻咽喉科を受診します。

溶連菌感染の疑いがある場合は検査を行います。主に喉の検査ですが、血液検査が行われる場合もあります。
感染が認められた場合の治療には、抗生物質が使用されます。

自分での対処

感染して症状があるうちは登校できません。適正な抗菌剤治療開始後24時間を経て全身状態が良ければ登校可能という基準がありますが、学校により規定がある場合もあるため確認しましょう。 

溶連菌の感染力は高いですが、手洗いやうがい、マスクの着用で予防効果が期待できます。

溶連菌感染症の注意点
●家庭内での感染を防ぐため、マスクやうがい、手洗いを徹底しましょう。
●抗生物質を処方されている場合、症状が治っても最後まで飲み切りりましょう。治療が十分でない場合、再発して稀に「肺炎」「髄膜炎」「リウマチ熱」「急性糸球体腎炎」などの合併症を引き起こすことがあります。

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