【アトピー特集】アトピーの洗濯は細かいことにも気を配って

本日は、アトピーと洗濯についてお話しさせていただきます。

アトピーの原因には環境要因があるというお話をアトピーの原因でさせていただきました。洗濯で使う洗剤も環境要因の1つになり得ますよね。

アトピーの方にとって、どんな洗剤を選ぶかはとても大事な問題です。成分が刺激の少ない方が良いのはもちろんですが、汚れが取れないのも困りますよね。

では洗濯でどんな洗剤を選べば良いのか、何に気をつければ良いのか、ポイントを1つずつ確認していきましょう。

目次

洗濯で注意することは?

アトピーの方の洗濯対策には次のような内容があります。

●すすぎの回数を増やす
洗剤の残留をしにくくするため、2回すすぐようにしましょう。

●洗剤の種類に注意する
洗濯洗剤にはアルカリ性洗剤、中性洗剤、合成洗剤など様々な種類がありますが、汚れも落としつつ、肌への刺激が少ないものを選ぶようにしましょう。

●柔軟剤、漂白剤、静電気防止剤、抗菌剤、香料を避ける

●乾燥は乾燥機で
外干しは花粉や窒素酸化物などが付着するため、特に症状がひどい場合は乾燥機または部屋干しにしましょう。その際、乾燥機は内部をよく拭いてから使用しましょう。

●家族の洗濯物とは別にする
家族の洗濯物と分けて、自分の洗濯物だけで行いましょう。

●1度使ったら洗濯
下着に限らず、特に肌に直接触れるタオルや衣類などは、一度使ったら洗濯しましょう。

衣類に残留する洗剤に注意

アトピーの人は皮膚のバリア機能が低下しているので、衣類に残った残留洗剤(蛋白分解酵素)も悪影響を与えてしまいます。

洗った衣類に洗剤の成分が残っていると、肌に触れることで皮膚にダメージを与えてしまうのです。すすぎの回数を増やすなどの対策が良いでしょう。

そういえば以前、洗剤ゼロの洗濯機というのがありましたが、アトピー患者さんの約8割の方に皮膚の乾燥が改善するという結果が確認できたそうですが、残念ながらその製品自体が継続販売されませんでした。

洗濯洗剤の液性と種類

洗剤の液性

洗剤の液性には「酸性」「中性」「アルカリ性」の3種類ありますが、洗濯洗剤の場合は「弱アルカリ性」か「中性」がほとんどです。

洗浄力は「中性」より「弱アルカリ性」の方が高いのですが、衣類や肌にやさしいのは「中性」です。

洗剤の種類

洗濯洗剤の種類には液体・粉末タイプ・ジェルボールの3種類があります。

●液体洗剤
液体洗剤はほとんどが「中性」なので、洗浄力は中性に比べて劣りますが、衣類や肌にはやさしいです。また液体は水に溶けやすいので、衣類に洗剤が残留しにくいです。

●粉末洗剤
粉末洗剤は通常「弱アルカリ性」で、汗や泥、皮脂汚れを落とすのに適しています。洗浄力は高いのですが、衣類や肌を痛めてしまう可能性があります。
また粉末は水に溶けにくいため、溶け切らずに衣類へ残留してしまうことがあります。

●ジェルボール
ジェルボールも液体洗剤と同じで「中性」です。ジェルボールの良さは、泡立ちがよく液体洗剤よりも洗浄力が高いことです。水にも溶けやすいので洗剤の残留もしにくいです。
ジェルボールが一番良さそうですが、デメリットは洗濯量に合わせて洗剤の量を調整できない点で、コスパ面は落ちるといえます。

よく聞く界面活性剤とは何?

界面活性剤という言葉を聞いたことがあるかもしれません。界活性剤は、石けんや洗剤が汚れを落とすための主成分です。水分と油分は本来混ざらないものですが、界面活性剤が作用して分離させることで汚れを落とすことができるのです。

界面活性剤は洗濯洗剤、石けん、食器用洗剤以外にも、ボディーシャンプー、ヘアシャンプー、ヘアリンス、柔軟剤、歯磨き粉、帯電防止剤、化粧品など色々な物に入っています。

界面活性剤は2種類ある

界面活性剤には、大きく分けて「天然界面活性剤」と「合成界面活性剤」との2種類があります。

天然界面活性剤自然界にある天然物質で、代表的なのは大豆や卵黄に含まれる「レシチン」や、牛乳の「カゼイン」、多くの植物に含まれる「サポニン」などです。

一方、合成界面活性剤は、石油などを原料に人工的に作られたものになります。

アトピー肌・敏感肌の人は「天然界面活性剤」を選ぶのがよいですが、実は「100%天然由来」「オーガニック」などと表示があっても実際は合成界面活性剤が含まれていることがあるのです。
そのため必ず商品ごとの成分表を確認しましょう

アトピー肌の場合には、普通の肌質の人以上に気を配らなくてはいけないのです。

合成界面活性剤の悪影響

合成界面活性剤には、タンパク質変性という働きがあると言われています。

その具体的な影響としては、継続的に使用することで皮膚や髪に必要な油分まで落としてしまい、肌バリアを破壊して肌荒れの可能性があるということです。

また、洗剤などの洗い落としが肌に残っていると、微量ですが体内に吸収されてしまいます。たいがいは排泄などで外に出ますが、体内に蓄積されてしまう分があるのです。

そのように蓄積されたものが身体にさまざまな影響を与えてしまい、内臓疾患の原因にもなる可能性を言われています。

アトピーの人が石鹸を選ぶ際には、必ず合成界面活性剤などが入っていないか成分表を確認することが大事です。

アトピーにはどの洗剤がよいの?

それでは実際にどんな洗剤を選んだら良いのか、具体的にみていきましょう。

アトピー・敏感肌の人が避けたい成分

アトピー・敏感肌の人が避けたい成分

柔軟剤洗濯後繊維に柔軟性を与えるための仕上げ剤。帯電防止のためにも使われる。
漂白剤化学的に汚れの色素を化学反応で白く変化させるもの。
静電気防止剤電気を貯めにくくして、殺菌や衣類の滑らかさを出す働きをする成分。洗浄効果はない。
抗菌剤生乾きのニオイの消臭や、洗濯物・洗濯機の細菌やカビを防ぐもの。
蛍光増白剤染料の一種。青味の光を反射させることで、白いものをより白く見せる効果があるもの。
香料衣類に香りを付けるもの。
直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩洗浄力、浸透力に優れていて価格も安いので、家庭用合成洗剤の主力界面活性剤としてよく使われる

無添加の石けんを、成分確認の上で

無添加の純石けん高い洗浄力があり、仕上がりがソフトで優しい肌触りで環境にも優しいことが特徴です。柔軟剤を使わなくてもふわふわします。純石けん分の配合割合が高いほど、洗浄力が高くなります。

純石けん
純石けんも界面活性剤の一種。合成界面活性剤が使用されていない、脂肪酸ナトリウムや脂肪酸カリウムなどの石ケン素地で作られる石けんのことです。
石けんは、その原料の「脂肪酸名」と、脂肪酸をけん化するためのアルカリ剤「水酸化ナトリウム(Na)」または「カリウム(K)」を記載することで石けんであることが分かる。

純石けんのデメリットは洗濯した時に石けんカスができやすく、洗濯物や洗濯槽が臭くなりやすいことです。洗濯量を減らしたり、すすぎを多めに行ったりの対策のほか、洗濯槽の掃除・お手入れをして衣類に再付着することを防止する必要があります。

無添加の石鹸と表示されていますが、無添加といっても何が添加されていないのか、その点をよく確かめた上で、購入するようにしましょう。

石鹸の成分をよく見て、アトピーの人でも安心して使える石鹸選びが大切ですが、最近は、アトピー肌用の石鹸も多く販売されています。

少し価格は普通の石鹸に比べると高めに設定されていますが、無添加などで肌に優しい石鹸です。

おすすめの洗濯用石けん

洗濯用石けんは「液体タイプ」「粉タイプ」「固形タイプ」と3種類ありますが、一番使いやすいのは「液体タイプ」でしょう。
しかし価格が高めになるので、コスパを重視するなら「粉タイプ」、頑固な汚れの場合には「固形タイプ」というように使い分けても良いですね。


パックスナチュロン 純粉せっけんN |太陽油脂
パーム油・ヤシ油を原料にした植物性粉石けん。赤ちゃんや肌のデリケートな方の肌着洗いにおすすめです。
合成界面活性剤、リン酸塩、蛍光増白剤や酵素、香料、酸化防止剤は不使用。
■品名:洗濯用石けん
■商品の形状:粉末
■液性:弱アルカリ性
■成分:純石けん分(99% 脂肪酸ナトリウム)
 ※純石けん分の残り1%は、不けん化成分となります。


シャボン玉石けん 純植物性スノール | シャボン玉石けん
良質の天然油脂を原料にした純石けん分99%の無添剤石けん。蛍光増白剤・酸化防止剤・香料・色素などの化学物質、添加剤は一切使用されていない。
■品名:洗濯用石けん
■商品の形状:粉末
■液性:弱アルカリ性
■成分:純石けん分(99% 脂肪酸ナトリウム)


サンダー純粉石けん サンダーアイボリー | サンダー石鹸
大豆油・苛性ソーダ・天然水の3点のみの原料を使って作られた手にも衣類にもやさしい純粉石鹸。
品名に台所用と表示されていますが、食器や調理器具用、洗濯用、手洗いなど区別なく様々な用途に利用可能です。
■品名:台所用洗剤
■商品の形状:粉末
■液性:弱アルカリ性
■成分:純石けん分(99.8% 脂肪酸ナトリウム)
■原材料:大豆油、苛性ソーダ、水


シャボン玉スノール純石けん| シャボン玉石けん
服のエリ、ソデ、靴下などの頑固な汚れや、下着やベビー衣類、スタイ(よだれかけ)、布おむつなどのデリケートな衣類の手洗いにおすすめです。
■品名:洗濯用石けん
■商品の形状:固形
■液性:弱アルカリ性
■成分:純石けん分(99% 脂肪酸ナトリウム)


New純せっけん | ミヨシ石鹸
しつこい汚れの部分洗いにおすすめの洗濯用固形石けん。無香料、無着色です。
■品名:洗濯用石けん
■商品の形状:固形
■液性:弱アルカリ性
■成分:純石けん分(98%脂肪酸ナトリウム)


無添加シャボン玉スノール | シャボン玉石けん
無添加の洗濯石けん「シャボン玉スノール」は、「日本アトピー協会推薦品」で安心の洗剤です。
蛍光増白剤・香料・着色料・酸化防止剤・LASなどの合成界面活性剤は不使用。大人の衣類からベビー服、敏感肌の方の衣類まで、幅広く使用できるタイプ。
■品名:洗濯用石けん
■商品の形状:液体
■液性:弱アルカリ性
■成分 : 純石けん分(30% 脂肪酸カリウム、脂肪酸ナトリウム)


無添加 お肌のための洗濯用液体せっけん | ミヨシ石鹸
お肌の弱い方や敏感肌のための洗濯を考えて作った無添加の液体せっけん。
■品名:洗濯用石けん
■商品の形状:液体
■液性:弱アルカリ性
■成分:純石けん分(30% 脂肪酸カリウム)
■製品に含まれる全成分:水・パーム核脂肪酸K、オレイン酸K、なたね脂肪酸K


アラウ 洗濯用石けん | サラヤ
ヤシ油とパーム油から生まれたやさしい純植物性石けん。
合成界面活性剤をはじめ、合成香料、着色料、保存料はもちろん、エデト酸塩(金属イオン封鎖剤)や蛍光増白剤、酸化防止剤なども一切無添加なので安心です。
■品名:洗濯用石けん
■商品の形状:液体
■液性:弱アルカリ性
■成分:純石けん分(30% 脂肪酸ナトリウム)

石けん入り合成洗剤

石けん入り合成洗剤
合成洗剤に石けん成分が入ったもので、純石けんに次いでお肌にやさしいタイプ。
石けんの柔らかい仕上がりと、合成洗剤の洗浄力とが合わさった使いやすい洗剤です。汚れがひどい時は「洗濯用石けん」か「中性洗剤」などの方がよい場合があります。

おすすめの洗濯用合成洗剤


さらさ 洗濯洗剤 | P&G
蛍光剤・漂白剤・着色料無添加で、厳選された植物由来の成分を配合。肌にやさしく頑固な汚れもしっかり落とします。洗剤残りの心配もありません。皮膚科医監修のもと、肌テスト済み(全ての人の肌に影響がないわけではありません)。
■品名:洗濯用合成洗剤
■商品の形状:液体
■液性:弱アルカリ性
■原材料・成分:界面活性剤(24%:アルキルエーテル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、純石けん分(脂肪酸塩)、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩)、安定化剤、pH調整剤、水軟化剤(クエン酸)、ケア成分(コットンミルク)、酵素
■香り:優しい柑橘系


ヤシノミ洗たく洗剤 濃縮タイプ | サラヤ
優れたすすぎ性に加え、肌刺激の恐れのある合成香料・着色料・抗菌剤など無添加。蛍光増白剤(蛍光剤)・漂白剤も無配合で色柄や風合いを守ります。
■品名:洗濯用合成洗剤
■商品の形状:液体
■液性:弱アルカリ性
■成分:界面活性剤(32%、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルアミン、アルキルアミンオキシド、純石けん分(脂肪酸カリウム))、安定化剤
■香り:無香料

おわりに

この特集ページでは、テーマごとに連載形式で投稿していきます。
初回特集では、アトピーに関するさまざまな情報について、網羅的に記事にしてご紹介をさせていただきます。

当サイトのこれらの記事が、悩まれている皆さんに少しでもお役に立てれば、当サイト管理者としても、とても嬉しい限りです。
ぜひ、他の記事もご覧頂きながら、引き続き当サイトを、よろしくお願いいたします!

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