アデノウイルスはインフルエンザの次に多い感染症と言われており、67種類以上の型が発見されています。
また潜伏期間や回復までの期間も他の感染症と比べると長いため、体力・抵抗力・筋肉量の少ない小児は、特に脱水になりやすく重症化しないように注意が必要です。
今回は、アデノウイルスの症状で子供が要注意の理由とは!?を紹介していきます。
アデノウイルスの症状とは?
アデノウイルスは型が多い事が一つの特徴でもあり、軽症のものから重症化するタイプのものまでありますので、疑わしい症状の場合には速やかに専門医にみてもらいましょう。
咽頭結膜炎 = プール熱
夏に汚染されたプールの水を介して流行する事があるため、別名プール熱を呼ばれていますが、プールに入らなくても感染はします。
プール熱と診断された全体数の6割が5歳未満の子供です。
症状 :高熱が4~5日続き、扁桃腺が腫れ、結膜炎を併発する。
治療期間:発症してから7日間程度で軽快する。
特記事項:第2種学校感染症指定のため、解熱後2日を経過しないと登校出来ない。
流行性角結膜炎 = はやり目(EKC)
一般的には「はやり目」と呼ばれる結膜炎で、角膜混濁による視力障害を起こす場合があり、専門医から、点眼を処方してもらった方が良い病気です。
症状 :充血・眼脂・痒み・痛みを伴うが、発熱する事は少ない。
治療期間:発症後7日目あたりにピークを迎え、徐々に症状は改善するが、結膜炎が重症の場合には、完全に治るまでに数か月を要する場合もある。
特記事項:第3種学校感染症指定のため、伝染の恐れがなくなるまで登校出来ない。
出血性膀胱炎
文字通り、通常の膀胱炎症状に加え、真っ赤な血尿が出るので、すごく驚きますが、それが原因で貧血になったり輸血をするという事はありません。
症状 :排尿時痛があり真っ赤な血尿がでる。
治療期間:発症後2~3日で症状は軽快し、10日程度で潜血(尿検査)反応はなくなる。
胃腸炎
症状 :嘔吐・下痢・腹痛と伴う。高熱はあまり出ない。
治療期間:発症後2~3日で軽快する。
呼吸器感染症
7型のアデノウイルスの場合には、ダラダラと長く続く発熱や咳、呼吸障害など重症の肺炎を引き起こす危険があります。
乳幼児がかかる事が多く、髄膜炎や脳症・心膜炎などを併発すると、時に致命的になる場合があります。
症状 :発熱・咽頭痛・咳・倦怠感・筋肉痛など。
治療期間:重症度により期間は違う。
アデノウイルスを子供が要注意な理由とは?
「3大夏風邪」と言われ、手足口病・ヘルパンギーナと並んで、子供にかかりやすい病気です。
特にアデノウイルス7型は、子供がかかると重症化しやすく、ただの風邪だと軽く考えていると、肺炎や脳炎・髄膜炎・心膜炎を併発する場合がありますので、重症化のサインを見逃さない事です。
時に生命の危機がある恐ろしい感染症です。
アデノウイルスの対症法・予防策
対症療法
アデノウイルス全般に対し、特効薬はありませんので、出ている症状に対して対応するより他ありません。
発熱 → 解熱剤もしくは水分を多く飲んで汗をかく。
下痢 → 整腸剤など腸管を保護しながら、胃腸に負担をかけない食事をする。
嘔吐 → 制吐剤などの使用をおこなう。
咽頭痛→ 痛み止めを服用する。ノドに刺激が少ない食品を選ぶ。
眼脂等→ 抗炎症作用の効果のある点眼薬を使用する。涙や目やにはティッシュや使いすてのペーパーを使用し、すぐ破棄する。
脱水 → 水分摂取が難しい場合には、点滴治療を行う。
※炎症が強い場合には、症状に合わせた薬の他に、抗生剤が処方されます。
予防策
① 手洗いをこまめに行う(食事前・トイレの後・外出の後など)
② タオルや食器類の共有はしない。
③ プールから上がったら、シャワーをあび、目とキチンと洗い、うがいも行う。
④ 人混みの中に行く時にはマスクを着用する。
⑤ 日頃から整理整頓・掃除をする。(綺麗にしていると汚れれば一目で分かるため)
⑥ 人がよく触る場所は、エタノールで消毒をする。(ドアノブ・スイッチ・リモコン等)
※アルコール消毒液が無い場合には、家庭用のハイターやブリーチ薄め液でも効果がありますが、成分表に「塩素系」となっている事を確認して下さい。
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