胃腸炎では下痢や嘔吐だけではなく、熱が出ることもあります。
胃腸炎には急性と慢性がありますが、急性胃腸炎は病原体を大きく分けると「細菌性」と「ウイルス性」の2種類が存在します。
発熱するのはウイルス性の感染性胃腸炎です。
今回は、胃腸炎の熱の原因と対処法、薬や病院へ行くタイミングについてご説明します。
胃腸炎の熱
代表的なウイルス性の感染性胃腸炎の種類と期間
ウイルス性の感染性胃腸炎は、嘔吐下痢と同時に高熱が出ます。
ノロウイルス
熱は38℃前後の熱です。
「秋~冬」に発症する子供の「おなかのかぜ」です。保育園や幼稚園で感染します。
まず吐き気がひどく続いて下痢や発熱もありますが1日から数日間で自然治癒します。大人も感染します。大人の場合は子供と違い下痢の症状が強くでますが1日から数日間で自然治癒します。
ロタウイルス
熱は39℃以上の高熱です。
「冬~春先」に発生する乳幼児に多く見られる激しい下痢や発熱が長く続くのが特徴です。
白い下痢便が特徴です。1から2週間ぐらいで自然治癒しますが乳幼児の場合は脱水が進み、点滴や入院治療が必要になることが多いです。任意接種でロタウイルスワクチンが生後6週から接種できます。
大人も感染しますが軽いむかつきや倦怠感だけですぐに自然治癒します。
胃腸炎で熱が下がらない原因
ウイルス性の胃腸炎の場合、病原体は細胞内に侵入して悪さをします。
その結果、胃腸機能が低下し嘔吐・下痢を発症します。ヒトの身体はその病原体をやっつけるために体温を上げて応戦します。
この発熱は病原体をやっつければ下がります。長くて約4日間続きますが、その後はスッと下がります。
胃腸炎の熱の対処法
熱は体内に入り込んだウイルスを退治するための自然治癒力なので、解熱剤は使わずに安静にしているのが一番です。吐き気が治まったら脱水症状を防ぐために、常温のスポーツドリンクを少しずつ飲みましょう。
胃腸炎での注意点は?薬は飲んでもいい?
感染性胃腸炎は熱・吐き気・嘔吐・下痢が辛いですが、症状のピークは1日間なので胃腸の中のウイルスや毒素を全部出し切ってしまった方が早く治ります。
お薬で解熱剤や吐き気止めや下痢止めを使ってしまうと、体内にウイルスが残り症状が治まるのが遅くなるので、お薬は使わず安静を心がけましょう。
病院へ行くタイミング
感染性胃腸炎は発熱の他にも激しい下痢や嘔吐などの症状が見られ、脱水症状を起こしやすい状態になります。
脱水は熱以上に危険で重症の脱水症状の場合は入院が必要です。
以下のような症状がある場合はすでに重症化している危険性がありますので、夜間でも救急病院を受診してください。
- 目が落ちくぼんでいる
- 唇が乾いている
- ぐったりとして動けない
- 10時間以上尿が出ていない
最後に
感染性胃腸炎では吐き気や嘔吐や下痢の他に、熱がでることが分かりましたね。
熱は身体がウイルスと戦っている証拠です。激しい症状はたいてい1日間で治まるので、市販の解熱剤や吐き気止め、下痢止めのお薬は使わずに安静にして様子を見ることが大切です。
また乳幼児や高齢者は脱水症状に気を付けて、吐き気・嘔吐の症状が治まったら常温のスポーツドリンクで少しずつ水分補給をさせるようにしましょう。
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