インフルエンザ予防接種は効果なし?期間や子供には?

インフルエンザと言えば毎年冬になると必ず耳にする病気ですが、あなたはインフルエンザの予防接種(ワクチン)を受けていますか?効果はどうですか?

人によってはインフルエンザの予防接種は受けても効果が無いとか、期間限定だとか、副作用が心配だとか、どうせインフルエンザになる時はなるからお金の無駄、という意見の人もいます。

今回は、インフルエンザ予防接種(ワクチン)は効果なし?期間や子供には?についてご説明します。

目次

インフエンザ予防接種の効果

効果はなし?ある?

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労働厚生省のHPによると・・・。

ウイルスが増殖すると数日の潜伏期間を経て、発熱やのどの痛みなどのインフルエンザの症状が起こり始めます。この状態を「発症」といいます。ワクチンには、この発症を抑える一定の効果が認められています。

発症後、多くの方は1週間程度で回復します。

インフルエンザが重症化すると

肺炎・脳症等の重い合併症が現れ、入院治療や死亡される人も出てきます。特に持病ある方や高齢者・子供では重症化する可能性が高いことがわかっています。

ワクチンの最も大きな効果はこの重症化を予防することです。

平成11年度 厚生労働科学研究費補助金 新興・再興感染症研究事業「インフルエンザワクチンの効果に関する研究(主任研究者:神谷齊(国立療養所三重病院))」の報告では、

65歳以上の健常な高齢者については約45%の発病を阻止し、約80%の死亡を阻止する効果があったとされています。

以上のように、インフルエンザワクチンは接種すればインフルエンザに絶対にかからないというものではありません。

しかし、ある程度の発病を阻止する効果があり、また、たとえかかっても症状が重くなることを阻止する効果があります。ただし、100%効果があるわけではありません。

予防接種の効果!年齢別

年齢別に予防接種の効果が違いますのでそれぞれ見てきましょう。

  • 6か月以下の乳幼児
  • 1歳から6歳未満の小児
  • 65歳未満の成人
  • 65歳以上の高齢者

6ヶ月以下の乳幼児

インフルエンザの抗体ができにくくインフルエンザにかかっても軽症で済みますので、インフルエンザの接種可能年齢からは外れていて、予防接種を受けることができません。

1歳から6歳未満の小児

厚生労働省の研究班の報告ではワクチンの有効率は20~30%だということです。

またインフルエンザワクチンは年齢が低いと効果が低くなります。
特に3歳以下での効果は低いといわれています。これは自然感染後にインフルエンザワクチンを接種した方が抗体の産生が良いためです。

特にB型インフルエンザについてはワクチンの効果が低く、成人でも有効率は50%です。またインフルエンザワクチン接種により脳症を予防する効果があるかどうかはいまだに判明していません。

3歳未満の小児

3歳未満の小児では効果が低いため、インフルエンザワクチン接種をしても罹患する可能性はそれ以上の子供たちよりも高くなります。

しかしインフルエンザにかかると肺炎などの合併症や、入院・死亡の危険性が高くなるハイリスク(肺や心臓の病気のある方、糖尿病などの基礎に病気を持っている方)の方にワクチン接種をおすすめいたします。

日本小児科学会ではインフルエンザワクチンが任意接種であること、更に、ワクチンの有効率が20%から30%であることをご理解いただいた上で、ご希望の方に接種することを勧めています。

65歳未満の成人

発症予防効果の研究者の分析では、このような報告があります。

  • 0~15歳では1回接種で68%・2回接種で85%
  • 16~64歳では1回接種で55%・2回接種で82%

流行のウイルスとインフルエンザワクチンの型が同じだった場合、
65歳未満の健康な成人では、インフルエンザの予防効果は70~90%というデータがあります。

B型インフルエンザについてはワクチンの効果が低く、成人でも有効率は50%です。またインフルエンザワクチン接種により脳症を予防する効果があるかどうかはいまだに判明していません。

65歳以上の健常な高齢者

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65歳以上の高齢者は、研究班の分析では、インフルエンザワクチンの接種によって発症リスクを34%~54%、死亡リスクを82%減らせるとする報告があります。

さらに、
厚生科学研究班による「インフルエンザワクチンの効果に関する研究(主任研究者:神谷齊(国立療養所三重病院))」の報告では、

約45%の発病を阻止し、約80%の死亡を阻止する効果があったという報告があります。

高齢者や基礎疾患を持っている人がインフルエンザにかかると、重症化しやすい傾向にありますが、予防接種を受けておけば、重症化することを予防でき1つの証拠になります。

国策としてインフルエンザワクチンの接種対象者

国策として予防接種法に基づいて定期予防接種という形でインフルエンザワクチンの接種対象となっている人もいます。

  1. 65歳以上の高齢者
  2. 60~64歳で、心臓・腎臓・呼吸器・ヒト免疫不全ウイルスにより免疫の機能に障害がある人。これらの疾患を持ち日常生活に支障が出ている人

予防接種は効果がないという理由は何?

インフルエンザウィルスは頻繁に変異を起こすため、流行毎に今までと違う新しいウィルスとなってしまいます。

従ってワクチン生産に当たっては、次シーズンに流行りそうなウィルス型を的確に予測して作らねばならず、患者側もそれに合わせて毎年毎年接種しなおさないといけません。

この「予測」はなかなか困難で、大きくはずれた場合はワクチン接種をしても実際に流行するウィルスに対しては大した効果を持てません。
ただし最近の「予測」はかなり正確になってきており、そういう事態はほとんど起こっていません。

各型で効果に違いがありますので、この3つに分けて説明します。

  • A型の場合
  • B型の場合
  • C型の場合

それぞれ見てきましょう。

インフルエンザA型の場合

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毎年感染の主体となっています。

症状は
風邪とは違った重い喉の痛みや酷い鼻づまり、頭痛・高熱

予防ワクチンもA型に対抗するため毎年できるだけ用意されているのですが、免疫が適用されず感染することがあります。

A型ワクチンを打っても感染する理由

それはワクチンが製造される前に流行してしまうからです。
A型は動物などを通してウイルスが進化していき、新型インフルエンザとなってしまうのですね。

例えば
鳥に感染したウイルス→豚へと感染→豚から人へと感染する流れです。

抗体が作られたとしても、ウイルスが他の動物から出たウイルスと結合されて新たなウイルスへと進化することもあります。

ですので、
抗体が体内で作られるようになっても、新しいウイルスがすぐに出てくるためワクチンの効能はあまり長く継続されず、効果が切れ再感染してしまうことがあります。

現在のインフルエンザワクチンの効果は100%ではなく、決して満足できるものではありませんが、その問題点としていくつかの要因が議論されています。

インフルエンザB型の場合

世界的に大きく感染が広まったことがないタイプです。

A型との違いは、
人間同士でしか感染しないので、一度感染したり予防接種により抗体を作ると効果が持続する特徴があります。

そのためB型の感染が見られても、感染範囲は広がらず小さな範囲で収束してしまうことが多いです。

症状は、
発症すると消化器系に異変が生じるので、どちらを発症したのか判断しやすいと思います。B型はA型よりも症状が弱く、感染しても治りやすい傾向にあります。

インフルエンザC型の場合

影響が全然無い微弱な型で、このウイルスタイプは4歳以下の幼児に感染するのですが、体調に大きく異変が現れるわけでもなく、鼻水がよく出る鼻かぜのようになるくらいでその症状が出ない時もあります。

免疫は一生継続される

感染したことがある人がもう再感染することは無く、大人でC型に感染する人はほとんどいません。

インフルエンザにしては感染力も症状も軽いので「C型インフルエンザ」と呼ばれ、他の2つとは別の病タイプとして扱われることが多いようです。

インフルエンザ予防接種は3価と4価で効果は違うの?

簡単に言いますと、2015年から4価になってワクチンの種類が増え、ウイルスに幅広く対応ができるようになりました。

  • 3価(A型2株 + B型1株) 3種類のワクチン株
  • 4価(A型2株 + B型2株) 4種類のワクチン株

B型ワクチン株が増えた理由

労働厚生省のHPによると・・。

近年、インフルエンザB型の流行が2系統のウイルスが混合しているため、2015年より4種類が含まれた4価ワクチンを導入し始めました。

主に流行するB型インフルエンザは2つのタイプがあります。

  • 「山形系統」
  • 「ビクトリア系統」

これまでは、
両方が同時に流行することがあまりなかったため、シーズン前にどちらが流行するかを予測し、片方だけをワクチンに入れていました。

両方が入りどちらのB型インフルエンザが流行しても、十分に効果を発揮することができるようになりました。

インフルエンザ予防接種を打つ効果的なタイミングは?

まずは、インフエンザの流行期を確認しましょう。

インフルエンザは
例年12月~3月頃に流行し、1月~2月に流行のピークを迎えます。

労働厚生省のHPによると・・。

ワクチン接種による効果が出現するまでに2週間程度を時間がかかります。

ですので、毎年12月中旬までにワクチン接種を終えることが理想的です。

ワクチンの予防効果

季節性インフルエンザワクチンでは、これまでの研究からワクチンの予防効果が期待できるのは、接種した2週後~5か月程度までとなります。

最後に

毎年のように地域の病院などで流行が噂されるタイプは、やはりA型のインフルエンザウイルスです。

B型も数年単位で流行しますが、やはりA型ですね。

インフエンザワクチンの「効果ある?ない?」の議論は止みませんが、重症化を防げるだけでもよいのではないかと個人的には思います。
もちろん感染はしたくないですが。

インフルエンザの予防接種を受けると決めたら、効果を疑わずに受け入れてた方が気持ち的にも効果ありそうです。

受けないとい決めている方は、予防を徹底しましょう。

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