溶連菌感染症とは、発熱、のどの痛みなどを伴う辛い病気です。重症化すると恐ろしい合併症に発展する恐れもあります。
そして、溶連菌の薬を途中で止めると合併症のリスクが高まりますので注意が必要です。
なるべく早く症状を改善させるためにも、薬を正しく服用しましょう。
今回は、溶連菌に効く薬はどんなものがあるの? 副作用はあるの? についてご説明します。
溶連菌の薬
溶連菌で薬は何を飲むの?
溶連菌感染症に感染した場合に使用される薬は大きく分けて3種類あります。
- ペニシリン系 →「サワシリン」
- マクロライド系 →「エリスロマイシン」
- セフェム系 →「メイアクト」・「フロモックス」
用量は年齢や症状、体重によって違いますが、基本的に大人も子供も1日3~4回、食後に服用します。
確実に溶連菌を撃退して重大な合併症を引き起こさないためにも、耐性菌を出さないためにも、症状が消えても処方分は抗生物質を飲み続けてください。
それでは、それぞれの薬の特徴を見てきましょう。
サワシリン
溶連菌感染症になったときには、これを10~14日間経口投与するのが一般的です。
サワシリンはカプセルや錠剤、細粒などいろいろ種類がそろっています。子供の場合はドライシロップもあります。
ただし、ペニシリン系の薬にアレルギーを持つ方には使用できません。
エリスロマイシン
エリスロマイシン(成分名:エリスロマイシン)は、マクロライド系の抗生物質で、ペニシリンアレルギーによりペニシリン系の薬が使用できないときに使われます。
サワシリンと同様に、溶連菌、ブドウ球菌、肺炎菌のほか、百日咳やマイコプラズマ肺炎にも効果があるといわれています。
さまざまな細菌に効くエリスロマイシンですが、最近ではマクロライド系に対する耐性球菌が増えてきました。
通常抗生物質の効く溶連菌感染症は2、3日程度で発熱などの症状が治まります。薬を飲み始めてしばらく経っても一向に症状が改善されない場合は注意してください。耐性菌の可能性がありますので、医師に相談しましょう。
メイアクト
比較的新しく開発された薬のため、合併症に対する効果が不明な点が不安材料として挙げられます。もちろん以前にセフェム系の薬剤でアレルギーを起こした方の服用は禁止されています。
最近ではメイアクトの子供用として、ドライシロップが処方されるようになりました。
ペニシリン系の抗生物質と比較して、アレルギーを起こす確率が低いといわれています。副作用も少なく、安全面でも優れているのではないでしょうか。また、服用期間も比較的短くてすみます。
フロモックス
フロモックス(成分名:セフカペン)はメイアクトと同様に、セフェム系に属しています。
効能はほとんど同じで、細菌を死滅させる作用は優れていますが、人体の細胞には作用しません。そのため副作用が少ないといわれています。
血中の薬物濃度が一定でないと作用しません。
服用量、服用間隔は医師の指示を守るようにしましょう。
大人用のフロモックスは錠剤、子供用は顆粒です。顆粒を潰したり溶かしたりすると苦味が生じます。そのままの状態で飲ませるように注意してください。
溶連菌の薬は副作用はあるの? 出たらどうしたらいいの?
薬には薬効がある反面、必ずといっていいほど副作用があります。副作用が出たかな? と思ったら、すぐに服用をやめて、薬を処方してもらった医師に相談するようにしてください。
代表的な副作用を調べてみました。
サワシリン
主な副作用は下痢です。
抗生物質のために腸内細菌のバランスが崩れるために起こります。
軽い下痢程度だったらそのまま服用しても大丈夫なようですが、水のような下痢が続いたり、血便が出たりする場合には、大腸炎を引き起こしている可能性があります。すぐに医師の指示をあおぎましょう。
まれに躍進などの皮膚障害や、腎不全になったり、血液の成分異常により出血しやすくなるなどの障害が出ることもあります。体の怠さやむくみなどの症状が出た場合も一度受診してみてください。
アレルギーにも注意
症状としては、蕁麻疹、呼吸困難などです。顔や口周りに腫れなどの症状が出た場合は注意してください。
アナフィラキシーショックで意識障害に陥ることもあります。アレルギー症状が出てしまった場合、今後同様の症状、もしくはもっと重度の症状が出る危険性があります。絶対に避けましょう。
ペニシリンアレルギーのある場合は、必ず医療機関に伝えてください。
エリスロマイシン
副作用はあまりないといわれています。
しかし胃酸の影響を受けやすく、吐き気や胃の痛み、下痢などの胃腸障害が出ることがあります。まれにですが、肝障害や腎障害、皮膚障害が出ることもあります。あやしいなと思ったら、医師に相談してください。
この薬は飲み合わせに注意をしなければならないものがあります。
安定剤や心臓の薬を一緒に飲むと、不整脈が出やすくなるそうです。これ以外にも一緒に飲むと危険な薬があるので、お薬手帳を持参するなどして自分が今服用している薬をしっかりと伝えましょう。
メイアクト
ペニシリン系に比べて副作用やアレルギーは少ないといわれています。
しかし一番多い副作用はここでも下痢です。特に小さい子供は下痢や軟便になりやすいといわれています。症状が重い場合は医師に相談しましょう。
まれに薬疹や腎不全、大腸炎、血液障害などが起きる可能性があります。
乳幼児の服用には注意
この薬の構造上、カルニチン血症を引き起こし、低血糖などの症状がでることがあるのです。
セフェム系の抗生剤は子供にもよく処方される薬です。過剰な心配はいりませんが、先天性の代謝異常などの基礎疾患がある場合や、長期服用を予定しているお子さんの場合は、医師とよく相談しましょう。
フロモックス
メイアクトと同様に、比較的副作用が少ないといわれている抗生物質です。こちらも一番多い副作用は下痢です。強く症状が出る場合は医師と相談しましょう。
また同様に乳幼児のカルニチン血症にも注意してください。発症によって痙攣(けいれん)が起きるなどして脳にダメージが与えられることがあります。
妊娠中、授乳中の方も退治に影響をあたえる可能性があります。妊娠中、授乳中であるむねをきちんと医師に伝えてください。
溶連菌で薬を飲まないとどうなる?
薬を飲まないことは、合併症の発症につながったり、再発を繰り返したりしてしまいます。
また周囲の方々にうつしてしまう可能性もあります。
溶連菌感染症で起こる合併症の種類の例
- 中耳炎
- 副鼻腔炎(ちくのう症)
- 急性腎炎
- 頸部リンパ節炎
溶連菌の市販薬はあるの?
溶連菌に効く市販薬はありません。
なぜなら抗生物質は市販では買えないからです。溶連菌を死滅させるには抗生物質が重要なのです。
溶連菌感染症は、抗生物質を飲み始めて2~3日で熱が下がり、のどの痛みも和らいできます。
自覚症状は治まりますが、安心して抗生物質の服用はやめないでください。溶連菌を確実に死滅させ合併症を起こさないためにも、耐性菌を出さないためにも、抗生物質を最後まで飲み切ることが大切です。
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