「とびひ」と聞くと、「水ぶくれ」「子供」「うつる」「夏」などの単語が連想される人が多いのではないでしょうか?
実は、とびひの仲間である「かさぶたのとびひ」は、子供よりも大人の方がかかりやすい病気なのです。
さらに、子供のかかりやすい「水ぶくれのとびび」より、炎症が強くて、重症化しやすいので、しっかり治療しなくてはいけない病気なのです。侮れません!
今回は、とびひで大人の症状は重症化しやすいって本当?についてご説明します。
大人のとびひ感染
とびひって大人も感染するの?
とびひは、正式には「伝染性膿痂疹(でんせんのうかしん)」という細菌感染症です。
原因になる細菌の種類と症状により、この2つに分類されます。
- 水疱性膿痂疹 → 水ぶくれができ子供が感染しやすい
- 痂皮性膿痂疹 → 膿・かさぶたができ大人が感染しやすい
大人が感染しやすい「痂皮性膿痂疹」とは?
「痂皮性膿痂疹(かひせいのうかしん)」の原因菌は、主にA群β溶血性レンサ球菌であることが多く、子供より大人に起こりやすい病気です。
症状は、
- 赤くなって膿を伴う
- 厚いかさぶたを被った腫脹(しゅちょう)
※腫脹とは、炎症などで体の一部が腫れがること。
ちなみに、子供におこりやすい病気は水ぶくれが特徴的な「水疱性膿痂疹」なり、原因菌は黄色ブドウ菌であることが多いです。
「痂皮性膿痂疹」も、「水疱性膿痂疹」と同じように、細菌の産生する毒素が皮膚を攻撃することにより起こります。細菌や膿が皮膚に付着することにより感染します。
特に、アトピー性皮膚炎の人は要注意です。
とびひの大人の症状は?
大人が感染しやすい痂皮性のとびひは水疱性に比べ発赤や腫れ・痛みも強いのが普通です。
重症化すると、まるで、猩紅熱(しょうこうねつ)のように、全身が真っ赤になることもあります。
原因菌の多くがA群β溶血性レンサ球菌で
発熱、リンパ節の腫脹、咽頭痛などの全身症状がでることもしばしばあります。
とびひに罹って、全身水ぶくれやかさぶただらけでも元気に走り回っていることが多い子供の症状より、大人のとびひは重症感があることが多いです。
実際、まれではありますが、腎障害を併発することもありますので、医療機関(皮膚科)に受診し、きちんと治るまで治療をしましょう。
大人はどこで感染するの?
アトピー性皮膚炎の患者さんは、特に感染しやすいです。細菌は目に見えないので厄介ですよね!目に見えぬ敵の感染を防ぐ手立ては、やはり「手洗い」しかありません!
市販薬はあるの?効果は?
- 抗菌薬のぬり薬
- 内服薬
これに加えて、かゆみや炎症の程度に合わせて、抗ヒスタミン薬や副腎皮質ステロイドのぬり薬が症状を緩和します。
とびひの市販薬は10種類ほど
とびひを「効能」として記載した抗菌薬を含んだ市販薬のぬり薬は、現在10種類ぐらいあります。
しかし、原因菌である「A群β溶血性レンサ球菌」や「黄色ブドウ球菌」に効果が高く市販薬でも使うことができる抗菌薬(テトラサイクリン系抗菌薬)を含む薬剤は、2種類しかありません。
ところが、いずれも抗菌薬の他の成分も含まれているため抗菌薬の濃度が薄まっています。
大人のとびひの場合、市販薬はおすすめしません。
理由は3つあります。
- 一般薬のぬり薬に高い効果を期待できないこと(抗菌効果が薄い)
- 大人のとびひの細菌を完全に退治するたには、内服薬の抗菌薬が必要な場合が多いから。
- 一般薬で、とびひに効果のある飲み薬はありません。
おとなのとびひを疑ったら、是非、医療機関(皮膚科)に受診してください。
家族との接触はどうしたらいい?
大人のとびひも基本的には、こどものとびひと同じように接触感染です。
家族にうつさないためには
- 皮膚を清潔にして、菌の数を増やさない。
- 入浴やシャワーを使ったあとの浴室は、きれいに清掃する。
- 手洗いは、患者だけではなく、家族全員、おこなうこと。
- タオルは共有しない。
など心がけましょう。
子供と違って、病気の意識がありますので、家族にうつさないための行動は予想がつきますよね!
仕事は行っても大丈夫?
子供が、保育園や学校に言って良いかどうかの判断と同じです。
とびひだからと言って、出勤停止にはならない感染症の分類です。
幹部をガーゼや包帯で保護して、感染を防ぐことにより仕事に行けます。ただし、大人のとびひは、全身症状が出現しやすく、熱がある、痛みが激しいなど、症状が強いときには、家で安静にしましょう。
子供がとびひに感染したら↓
とびひで保育園への登園はいつから大丈夫?!
体が痛い・だるいあなたはこちら↓
症状・対策などまとめてチェックできます↓
体が痛い・だるい原因を厳選してまとめました!