花粉症は多くの人々にとって春の訪れと共にやってくる厄介な問題です。くしゃみや鼻水はもちろんのこと、その影響が頭痛として現れることも珍しくありません。では、なぜ花粉症で頭が痛くなるのでしょうか?
本日は、花粉症と頭痛について、お話しさせていただこうと思います。
花粉症頭痛の基本:なぜ頭が痛くなるのか
花粉症による頭痛は、花粉症の症状の一つです。花粉症頭痛は、鼻づまりや鼻みずなど花粉症の症状に、副鼻腔炎を併発している場合に起こります。また、花粉症のメカニズムが頭痛に関わる神経を刺激していることも頭痛を引き起こす原因と言われます。
まず、花粉症のメカニズムは、本シリーズの1回目「花粉症になったらどうする?発症のメカニズムは?」で説明したように、体内に侵入した花粉が、粘膜のマスト細胞(肥満細胞)と合体することでアレルギー反応を起こしてくしゃみや鼻水を引き起こすというものでした。
そのアレルギー反応が起こった際、アレルギー反応物質と共に放出されるサイトカイン(免疫細胞から分泌されるタンパク質)が脳を刺激することによって、花粉症による頭痛は引き起こされると言われます。
また、花粉症による炎症は頭のなかにある副鼻腔の血管でも引き起こされ、それによって三叉神経や眼神経などに支障をきたして頭痛を引き起こすとも言われます。
さらに、次のようなことからも頭痛を引き起こしていることがあります。
- 軽い酸欠状態
花粉症で鼻がつまると口呼吸しかうまくできなくなるため、脳に十分な酸素が行き届かず頭がぼーっとしてきます。これは軽い酸欠状態です。
また、花粉症対策としてマスクをする方も多いと思いますが、マスク着用時の酸素は通常の87%に減少し、二酸化炭素は通常の約30倍に増加するという報告もあります。 - 首こりや肩こり
くしゃみや鼻をすすることで、首や肩の筋肉に負荷をかけてしまうことがあります。 - 睡眠不足
鼻づまりがひどい場合は睡眠の妨げとなり、睡眠不足から頭痛を引き起こすこともあります。
このように、花粉症による頭痛は複数の要因が絡み合って引き起こされますが、そのメカニズムを知ることは、効果的な対策を講じるための第一歩です。
花粉症頭痛の症状とその現れ方
花粉症頭痛の症状は、いくつか種類があります。一般的には、頭全体に重さを感じたり、特定の部分に圧迫感を覚えることが多いです。
また、副鼻腔炎のような症状を併発している場合、前頭部の締め付けられるような痛みや、頬の痛み、目の奥なども痛くなるようです。この場合、鼻詰まりが原因で酸素の供給が不足し、これが頭痛を悪化させることもあります。
花粉症頭痛の主な症状
- 頭が重い
- 前頭部への圧迫感
- 頬の痛み
- 目の奥の痛み
さらに、花粉症の症状がひどくなると、集中力が低下し、日常生活に支障をきたすことがあります。頭痛が続くと、仕事や学業への影響も避けられません。
このように、花粉症頭痛の症状は個人差があるものの、共通して現れる特徴を理解することで、より適切な対応が可能になります。
花粉症の頭痛を緩和するには?
花粉症による頭痛は多くの人々にとって大きな悩みとなっていますが、適切な対策と工夫により症状を緩和することが可能です。自分に合った方法を見つけ、快適な生活を送りましょう。
■市販薬と処方薬
花粉症が原因の頭痛を和らげるには、市販薬か処方薬を活用することが考えられます。
薬のタイプは、大きく分けて2種類の選択肢になると思います。花粉症によるアレルギー反応を軽減するタイプのもの、または副鼻腔炎の症状を軽減するタイプのものです。
前者のタイプであれば市販薬もいろいろあるので薬局で購入ができますが、後者の場合は飲み薬ですと処方箋が必要な薬が中心となってきます。点鼻薬などであれば市販のものも多くありますので、アレルギー反応を軽減する飲み薬と併せても良いかもしれません。
ただし、使用する際は、用法・容量を守ることが重要です。
■自然療法
薬を使用することに抵抗がある場合、自然療法を試すことも一つの方法です。まず、ハーブティーやアロマセラピーは、リラクゼーション効果とともに、頭痛を和らげる効果が期待できます。特に、ペパーミントやラベンダーの精油は、鎮静作用があり、頭痛の緩和に効果的です。これらをディフューザーで使用するか、薄めてこめかみに塗布することで効果を実感できます。
また、温湿布を額や首に当てることで、血流を促進し、頭痛を和らげることができます。逆に冷湿布は、炎症を抑える効果があるため、症状に応じて使い分けましょう。
さらに、ヨガや深呼吸は、ストレスを軽減し、筋肉の緊張をほぐすことで、頭痛を和らげるのに役立ちます。日常的に取り入れることで、長期的な頭痛予防につながります。
自然療法は、薬と併用することで相乗効果を生み出すことがあるため、自分に合った方法を見つけ、継続して実践することが大切です。
・・・・・・・
いずれにしても、まずは医師や薬剤師に治療方法について相談されることをお勧めします。
花粉症の症状が重い場合には、生活の質が低下したり頭痛で動くことができないという人もいますので、そうなる前に早めに病院へ行って適切な治療を受けることが大切です。
時間がない方のためには、最近はオンラインクリニックもあります。病院や薬局での待ち時間もなく、処方薬が自宅に届くシステムですので、忙しい方には便利ですね。
おわりに
この特集ページでは、テーマごとに連載形式で投稿していきます。
こちらの特集では花粉症に関するさまざまな情報について、網羅的に記事にしてご紹介をさせていただきます。
当サイトのこれらの記事が、悩まれている皆さんに少しでもお役に立てれば、当サイト管理者としても、とても嬉しい限りです。
ぜひ、他の記事もご覧頂きながら、引き続き当サイトを、よろしくお願いいたします!

