なんだかお腹がもぞもぞする、、と思ったらブツブツができてる〜?!
肌がデリケートな場所なだけに心配になってしまうものです。
皮膚トラブルの原因はアレルギーやウイルスからストレス、原因不明なものなど様々です。
今回はお腹のブツブツの6つの原因について調べてみました。
お腹のブツブツの原因とは?
お腹のブツブツの原因はこの6つの可能性があります。
1.ジベルばら色粃糠疹
2.風疹・麻疹・水痘(水ぼうそう・帯状疱疹)
3.ウイルス性発疹
4.薬疹
5.マラセチア毛包炎
6.伝染性単核球症
それぞれ見ていきましょう。
ジベルばら色粃糠疹(ジベルばらいろひこうしん)
原因
ジベルばら色粃糠疹は、腹部を中心に、淡いばら色の発疹が現れる疾患です。
ほとんどの場合、発熱などの症状を伴うこともなく、自然治癒する病気です。
高齢者や子どもに少なく、20~30代に多くみられる病気でもあります。
原因は、はっきりわかっていません。ウイルス感染・自己免疫・自家感作性皮膚炎などが考えられています。
症状
初期症状:2㎝大の赤い発疹(体幹を中心に)
7日~10日後:最初の発疹より小さい楕円形の発疹(胴体を中心に広がっていき、クリスマスツリーのような模様になる)
その後:発疹の大きさは、大小不同になる。(3~4㎝のものもある)発疹の中心部が次第に褐色に変化し、周囲は赤くガサガサしていく。
かゆみは、伴う場合と伴わない場合がある。ほとんどの場合は、1~2か月で自然治癒する。
何科?治療法は
ほとんどの場合、特別な治療をしなくても自然治癒しますが、かゆみが強い場合は、皮膚科などを受診します。
抗ヒスタミン剤などで治療します。
風疹・麻疹・水痘(水ぼうそう・帯状疱疹)
原因
風疹・麻疹・水痘にかかると、赤い発疹・発熱などの症状が起こります。
お腹などの体幹にも多くの発疹ができます。
麻疹:「麻疹ウイルス」への感染で発症します。
空気感染・飛沫感染によって感染し、感染力が非常に強いです。感染すると、発症率は90%と言われています。
<潜伏期間> 8日~18日
<症状> 38度くらいの発熱・咳・くしゃみ・鼻水など風邪に似た症状・目ヤニ・目の充血・コプリック斑(口の粘膜にできる白い小さい斑点)など
一旦解熱し、すぐに39度くらいの高熱・鮮紅色の小さな発疹(全身)ができ治癒まで10日から2週間くらい
風疹:「風疹ウイルス」への感染で、発症します。
飛沫感染・接触感染によって感染しますが、感染力は、麻疹ほど強くありません。感染者の15~30%は、症状が出ない不顕性感染という状態になります。
<潜伏期間> 2~3週間
<症状> 耳の後ろや後頭部などのリンパ節腫脹・淡いピンク色の小さい発疹(全身)・
38度くらいの発熱(約半数の人)
発疹と発熱は3日くらいで回復し、リンパ節の腫れは少し長引きます。
・麻疹・風疹に罹った場合は、自分の療養と共に感染拡大防止に努める必要があります。
・合併症を起こすことがあるので、麻疹・風疹を疑う症状がある場合は、早めに病院受診することをお
すすめします。妊婦の方は、特に注意が必要です。
・ワクチンの接種で予防できます。単独ワクチンと混合ワクチン(MRワクチン)があります。
子どもの頃にワクチン接種をしていても、大人になった時には免疫力が低下している場合も多いので、必要に応じて病院で抗体価を調べてもらうことをおすすめします。
水痘:「水痘帯状疱疹ウイルス」の感染により、発症します。
空気感染によって感染し、感染力は非常に強いです。
生後6か月~4歳くらいの子どもがかかりやすく、1歳未満の子どもやアトピー性皮膚炎のある子どもは、症状が重くなりやすいようです。
成人が感染すると重症化しやすい傾向にあり、妊婦が感染すると胎児にも影響が出る可能性があります。
<潜伏期間> 2~3週間
<症状>
37度以上の発熱 → 虫刺され様の赤い発疹 → (数時間から1日くらいで)水疱(全身に広がる) →(1週間くらいで)黒いかさぶた
☆かさぶたは、3週間くらいで治癒します。
ワクチンの接種で予防できます。2回接種することで十分な予防効果が得られます。予防接種の副作用が起こる人もいるので、病院で相談してから決めましょう。
★水痘が治った後も「水痘帯状疱疹ウイルス」は、体の神経節に潜伏します。疲れやストレスがたまった時などにウイルスが増殖して、帯状疱疹を発症することがあります。
帯状疱疹が疑われる場合は、早めに皮膚科などを受診して、内服治療などを受けることで、症状が軽いうちに治すことができます。
ウイルス性発疹
原因
ウイルス性発疹とは、体の中に何らかのウイルスが入り反応してできる発疹です。
風疹・麻疹などの典型的な発疹ができるものを除き、風邪症状(熱・咳・鼻汁など)がある時や風邪症状が治まって2週間くらいまでの時期に、発疹が出るときに付ける病名です。
風邪症状を伴うウイルスは、200種類以上ありますが、ほとんどの人に発疹ができるウイルスは少なく、極一部の人だけが発疹ができるウイルスがいます。
かゆみは少ない傾向にあります。
何科?治療法は
ほとんどの場合は、経過観察で問題ありません。
かゆみが強い時はかゆみ止め、発疹がひどい場合は塗り薬などを病院(皮膚科など)で処方してもらって治療する場合もあります。
薬疹
薬疹でお腹にブツブツができる原因
薬疹とは、薬物が体に反応してできる発疹です。病型は様々で、同じ薬でも異なる病型の場合があります。
多くの人は平気な薬でも、一部の人が薬疹を起こすことがあります。
薬とその人との相性のようなものです。
薬物単独で反応を起こす場合だけでなく、ウイルス感染など他の因子と重なった場合のみ発症する場合もあります。
★薬疹が疑われる場合
人間の場合、薬を内服し始めて10日目くらいから症状が現れます。(マウスの場合、5日目くらいから)
薬疹が疑われる場合は、薬を処方されている病院の主治医や内科・皮膚科などで早めに相談しましょう。
マラセチア毛包炎
原因
マラセチア毛包炎とは、ニキビよりも小さい赤い発疹が毛穴に現れる皮膚疾患です。
マラセチア菌(別名:癜風菌)というカビの1種が異常に増殖し、毛穴に炎症を起こします。
マラセチア菌(別名:癜風菌)は、健康な皮膚の表面にいる常在菌なので、誰でも発症する可能性があります。皮脂を好む性質があるので、汗をよくかく季節に発症しやすい傾向にあります。
ニキビとよく似ていますが、ニキビはアクネ菌が原因で発症する別の病気です。
何科?治療は?
マラセチア毛包炎を疑う症状がある場合は、皮膚科を受診して治療を受けます。
抗真菌薬などを使用して、1か月から2か月の治療をすると症状は改善します。
皮脂や汗で皮膚の清潔が保てなくなると再発するので、、医師の指示に従ってセルフケアをすることも大切です。
自分での対応
マラセチア菌は、湿気や皮脂を好みます。
・たくさん汗をかいたら、タオルで拭き取ったり、シャワーで汗を流す
・湿度を減らし、室内環境を整える
伝染性単核球症
原因
ヘルペスウイルスの1種のEBウイルスの感染で起こる病気です。ウイルスは、感染者の唾液の中にいます。
キスや飲み物の回し飲みなどで感染します。STD(性行為感染症)の1種に分類されることもあるようです。
感染者の15~20%は、無症状の状態でウイルスを保持しています。
日本では、2~3歳までに70%が感染し、20歳代で90%以上が抗体を持っていると言われています。
思春期以降に感染した場合、50%が発病しますが、感染しても数週間で自然治癒する場合も多いようです。
症状
・倦怠感
・38度以上の発熱
・喉の痛み
・首のリンパ節の腫れ
・湿疹
・感動や脾臓の肥大、肝機能以上
自分での対処
基本的には、一生に一度しかかからない病気のようですが、免疫力が落ちたときに再発症することもあるようです。
★予防としては、
・適切な睡眠・食事などで体の抵抗力を高めておくこと
・歯磨き・うがいなどの口腔ケアで清潔を保つ
・手洗いなどで衛生管理に努める
・食べ物の口移しや飲み物の回し飲みをしない
・むやみにキスをしない
・箸・フォーク・ナプキン・手ふき・ハンカチなど唾液が付着する可能性があるものは、共用しない
・感染者と分かっている人とキスをしない
などです。
伝染性単核球症の注意点
伝染性単核球症を疑う症状がある場合は、早めに病院(内科など)受診しましょう。
病院では、肝臓・脾臓の触診、肝機能検査・EBウイルス抗体検査などをして、総合判断します。検査のタイミングは、症状が現れてからが適切です。
治療は、安静にして経過観察をし、4~6週間で症状が軽快したら、検査によって治癒したことを確認します。
ネット上でお腹にブツブツができた人の声
〇経験のある方にお聴きしたいです。現在大学生の女子です。
昨晩急に39.0℃の高熱が出て、激しい頭痛とめまい、首や肩の凝りと顔、頭の生え際の方と体じゅうに赤いブツブツができていました。
今
朝になると全身のブツブツもさらに増えていて、首のリンパ節にしこりのようなものができていて、腫れて痛かったので内科で診ていただいたところ「伝染性単核球症の疑い」と言われました。病院では解熱鎮痛剤と胃薬をいただいて帰りました。インターネットで伝染性単核球症を調べたところキスで感染し潜伏期間は20〜30日らしく、身に覚えがあったのでなるほど、と納得したのですが、吹き出物に関する記述はどこにもありませんでした。
中学生のころは、にきびがひどかったのですが、最近は全くできていなかったので戸惑いが大きいです。背中とお腹にできたブツブツは少し触っただけで潰れてしまうし、特に顔じゅうにできたニキビは本当に酷くて、正直外に出るのも嫌になってしまうレベルです。
そこで質問なのですが、伝染性単核球症を経験された方で吹き出物が出た方はいらっしゃいますか?
こんなに酷いともしかして他の病気なんじゃないかと心配になっています。ぜひお話をお聴きしたいです。
〇いろいろな症状が起こって、あまり聞かない病名の診断を受け、戸惑っておられることと思います。
私は、伝染性単核球症の発症経験者ではないですが、伝染性単核球症の主要症状は、発熱、扁桃・咽頭炎、頸部リンパ節の腫れ、肝臓・脾臓の腫れですが、発疹を伴うこともあるようです。
伝染性単核球中症の症状として発疹も掲載されているサイトを参考に掲載します。
参考サイト:
日本感染症学会 伝染性単核球症(infectious mononucleosis)
発症した場合の治療としては、安静を守って自然治癒を待ち、症状が緩和したら検査をしてもらって治癒したことを確認してもらうという流れのようです。症状は、4~6週間で緩和するようです。
文面から拝見した症状からは、伝染性単核球中症の症状にあてはまる点が見受けられますが、その後の経過は、いかがですか?
ご自分で納得がいかない場合は、STDの治療・診断にも詳しくて、丁寧に説明をしてもらえる他の病院をセカンドオピニオンとして受診することも一つの方法だと思います。
私なら、安静・質の良い十分な睡眠・バランスの良い食事・ストレスの少ない生活を維持するように心がけながら、経過観察します。
経過をみながら納得がいかなければ、納得のいく説明をしてもらえるセカンドオピニオンの病院をさがして受診し、必要な検査・診断・治療を受けます。
顔の発疹ができているところは、できるだけ皮膚を刺激せず、水洗いで清潔を保ち、自然治癒を待ちます。
私の場合は、皮膚が敏感なので、塗薬などを使用することで、かえって悪化することがあるからです。
かゆみなどがあれば、かゆみを抑える内服薬などを使用できるかどうか医師に相談します。
全身の発疹、特に顔は、おつらいと思いますが、ご自分に合った診断・治療が受けられ、早く治癒するといいですね。
参考書籍
誰も教えてくれなかった皮疹の診かた・考えかた[Web動画付]
単行本
皮膚科初学者にまず手に取っていただきたい「皮疹の診かた」の入門書。
皮疹をみたときに皮膚科医は何を考えているのか―その思考過程を惜しみなく披露します。
本書では,皮疹の表面性状に注目し,病変の存在部位から皮疹が生じた原因を推測して鑑別診断を考えます。
診断のプロセスはフローチャートでわかりやすく示しました。
各章末には症例問題を掲載し,実際の症例で診断のプロセスをおさらいできる構成となっています。
付録として症例問題を解説したWeb動画を収載!
出版社からのコメント
医学生や研修医,あらためて皮膚疾患の診断を学びたい臨床医の先生方にオススメの1冊です。
著者について
松田 光弘 (まつだ みつひろ)
日本皮膚科学会認定皮膚科専門医,日本アレルギー学会専門医,日本性感染症学会認定医,医学博士(久留米大学大学院医学研究科
「最後に」
お腹にブツブツの原因は6つあることがよく分かりましたね。
お腹にブツブツの症状を治すためには
・病院を受診して、検査・治療を受ける。
・質の良い睡眠・バランスの良い食事・ストレスの少ない生活を心がける
・食べ物や飲み物を口移ししたり、回し飲みをしない
・唾液が付きやすいものを共用しない
以上のことが大切です。