うなじら辺にしこりができている!?
肩・首こりなのか?しこりって心配になりますよね。
押して痛い・痛くない場合など大きさも個人差があるかと思います。
今回は、うなじのしこりができる原因についてご説明します。
うなじにしこりができる原因とは?
うなじにしこりができる原因はこの6つの可能性があります。
1.首のこり・肩こり
2.リンパ節の腫れ(感染症による)
3.脂肪腫
4.粉瘤
5.悪性リンパ腫
6.癌のリンパ節転移
それぞれ見ていきましょう。
首のこり・肩こり
原因
長時間のデスクワークなどで首や肩が凝り、しこりができることがあります。
血液・リンパの流れが滞ることで、しこりができます。
自分での対処
・パソコン作業なども1時間~2時間に一度休憩をとり、軽く首・肩・腕のストレッチをするよう心がけましょう。
・入浴時には、ぬるめの湯にゆっくりつかり体をほぐしましょう。
リンパ節の腫れ(感染症による)
原因
感染症にかかるとリンパ節が炎症を起こして腫れ、しこりのようになることがあります。
インフルエンザなど呼吸器官に主な症状が出る感染症の場合は、首・耳の後ろや下・鎖骨などのリンパ節が腫れることが多いです。
感染症でリンパ節が腫れる場合は、リンパ節をさわると痛みを感じることが多いです。
発熱や倦怠感(体のだるさ)や、それぞれの感染症に特徴的な症状も伴います。
症状
・リンパ節のしこり
・リンパ節の圧痛(押さえると痛い)
・感染症の症状
発熱・倦怠感・咳・鼻汁など、感染症それぞれの特徴的な症状
何科?治療法は
感染症の症状がある場合は内科・耳鼻科などを受診して、感染症の治療を受けましょう。抗生剤などによる治療をします。
リンパ節の腫れ(感染症による)の注意点
感染症が治癒すると、リンパ節の腫れも消失します。リンパ節が腫れる原因には、「悪性リンパ腫」「癌の転移」などもあります。
感染症の症状が無いのにリンパ節の腫れが続いている場合は、早めの病院受診をおすすめします。
脂肪腫
原因
脂肪腫は皮膚のすぐ下にできる良性腫瘍です。できやすい部位は、首・肩・脇の下・お尻などです。
痛みを伴わないことが多いです。
何科?治療法は
形成外科などで診断・治療を受けられます。画像診断をして、はっきりしない場合は病理検査(組織の一部を取って調べること)をする場合もあります。
放置していても問題ないことも多いですが、気になる場合は切除することもあります。
たいていの手術は局所麻酔でできますが、神経や血管を巻き込んでいると全身麻酔が必要になる場合があります。
脂肪腫の注意点
悪性リンパ腫など症状が似ている悪性の病気もあるので、病院で診断を受けることをおすすめします。
粉瘤(アテローム)
原因
粉瘤(アテローム)は皮膚の良性の腫瘍です。本来なら、ターンオーバーによって剥がれるはずの角質が、おできのようになって溜まった状態です。
全身どこにでもできます。
徐々に大きくなることもあります。しこりの真ん中が黒くなったり、全体が黄色がかったりすることもあります。
炎症を起こして、赤くなったり膿が出ることもあります。
何科?治療法は
炎症を起こしている時には皮膚科を受診しましょう。抗生物質の内服や膿を取り除く治療をします。
経験豊富なお医者さんの治療ができる病院を選ぶと良いでしょう。
悪性リンパ腫
原因
悪性リンパ腫はリンパ球が癌に変異する病気です。
血液の癌の一種です。発病するとリンパ節が腫れ、しこりができたります。
首・耳の後ろや下・脇の下・鎖骨・鼠径部(太ももの付け根)などが、できやすい部位です。
症状
・リンパ節の腫れ
(首・耳の後ろや下・脇の下・鎖骨・太ももの付け根など)
悪性リンパ腫のしこりの特徴:痛みが無い、硬い、押しても動きにくい、だんだん大きくなる(1.5cm以上が目安の大きさ)
・全身のだるさ
・発熱(1週間以上j続くことが多い)
・寝汗
何科?治療法は
内科などを受診します。
悪性リンパ腫の疑いが強いときは、血液内科などで詳しく調べます。
悪性リンパ腫の注意点
進行が速い癌なので、気になる症状がある場合は早めに病院受診することをおすすめします。
癌のリンパ節転移
原因
癌の転移でリンパ節が腫れて、しこりができることがあります。
リンパは全身を巡っているので、リンパの流れで臓器の癌細胞が一緒に運ばれてリンパ節に転移をしたり、リンパを介して他の臓器に転移することがあります。
症状
・痛みをともなうリンパ節の腫れ
癌のリンパ節転移のしこりの特徴:痛みをともなう、押しても動きにくい、だんだん大きくなる
・癌になっている部位による、それぞれの症状
何科?治療法は
内科などを受診して診断・治療を受けます。
癌のリンパ節転移の注意点
リンパ節の癌に特徴的な症状(痛みをともなう、押しても動きにくい、だんだん大きくなる)がある場合や、癌を疑うような他の症状がある場合は速やかに病院受診しましょう。
ネット上でうなじにしこりができた人の声
〇首の後ろ、うなじ部分にしこりのような腫れができてすごく痛いです。見た目では分かりません。触るとしこりがあり、痛いです。
首を曲げたり伸ばしたりすると余計痛みます。何もしなくても痛い。この手のしこりはたまにできるのですが、割とすぐ消えます・・・
でも今回は2日間できたままで、しかも痛い!
その場所以外は全然元気です。気持ち悪くも、頭が痛いこともありません。
これは何が考えられますでしょうか?教えてください!
〇今までに経験無い症状が起きると、心配になりますよね。
うなじ部分にしこりができる原因は、首こり・粉瘤(良性のおできのようなもの)・脂肪腫など良性のものから、悪性リンパ腫など早期の治療を要するものまで考えられます。
「しこりのような腫れ、すごく痛い」というところから、首こり・粉瘤(炎症を起こしている)の症状に似ているなと思いました。
粉瘤なら、しこりの中心に黒い点があったり、炎症を起こしていると赤くなったりします。
しかし、視診・触診無しで文面だけで判断するのは危険なので、気になるようでしたら、一度病院受診されたらいかがでしょうか?
粉瘤が炎症を起こしていれば、皮膚科などで治療が必要です。悪性リンパ腫などは早急に治療が必要です。
私なら、しこりの大きさ、しこり中心に黒い点があるか、赤く腫れていないか、しこりの硬さ、触ると動くか、などの症状から判断して、粉瘤が炎症を起こしていると考えられる場合は皮膚科を受診します。
感染症を起こしたり、ひどい首コリが無いのにリンパ節の腫れが考えられる場合は総合病院の内科を受診します。
早く症状の原因がわかり、治癒するといいですね。
参考書籍
しこりをみたらどう考える?: 日常診療で遭遇するしこりへの対応法
内容(「BOOK」データベースより)
整形外科医だけでなく、プライマリケアにあたるすべての医師が日常診療でしばしば遭遇する「放っておいてもよいしこり」を、自信をもって診断するにはどうしたらよいかを実例をあげて解説。めったにみることはない悪性軟部腫瘍の一部についても実例をあげている。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
生越/章
新潟県十日町市出身。1962年生まれ。1981年新潟県立十日町高等学校卒業。1987年新潟大学医学部卒業・同大学整形外科入局。1992年新潟大学大学院医学研究科博士課程入学。1995年米国Mayo Clinicに留学(Dr.Unni、Dr.Simに師事)。1996年新潟大学大学院医学研究科博士課程修了。1997年県立がんセンター新潟病院整形外科に勤務。2000年新潟大学医学部助手。2001年新潟大学付属病院講師。2004年新潟大学大学院整形外科学分野助教授(准教授)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
最後に
うなじにしこりができる原因は6つあることがよく分かりましたね。
うなじにしこりができる症状を治すためには
・首こり・肩こりを起こさないよう、ストレッチをしたり、デスクワークの休憩時間をとる
・病院を受診して、検査・治療を受ける
以上のことが大切です。