手のひらにしこりのようなものがある。
友人のマッサージ師は手のひら(手首に近い)にしこりができ、病院で診てもらったらある病気でした。
この記事で出てくる1番の病気です。
特に処置はなく様子見とのことでしたが、手術となったら仕事ができなくなってしまうので心配していました。
しこりが小さくても早目に見てもらうほうがよさそうですね。
今回は、手のひらにしこりができる原因を調べてみました。
手のひらにしこりができる原因は?
手のひらにしこりができる原因は、この4つの病気が考えられます。
1.ガングリオン
2.粉瘤
3.脂肪腫
4.デュピュイトラン拘縮
それぞれ見ていきましょう。
ガングリオン
概要
手の関節や背側に生じりやすい、ゼリー状の物質が詰まった腫瘤のことをいいます。
多くは良性です。若い女性に多く見られます。
ガングリオンの原因
原因は不明とされていますが、手をよく使うから腫瘤ができるとは限りません。
症状
・痛みなど生じるものは少ないとされています。
・大きさは米粒大からピンポン玉大くらいの大きさです。
・ただ、神経付近にできると神経を圧迫して痛みや運動麻痺を起こすことがあります。
何科?治療法は?
整形外科を受診します。
多くは経過観察ですが、大きくなったりしてきて神経を圧迫され神経障害が起きると保存療法や手術になります。
自分での対処
しこりに気づいたら、すぐに病院にいくことで、原因が何かわかります。
自分で対処せずに病院に行き、診断を受けましょう。
ガングリオンの注意点
関節付近にできたしこりには自分の判断で潰さないようにしましょう。
感染を起こす恐れがあるからです。
粉瘤
概要
アテロームや表皮膿腫とも呼ばれます。良性の腫瘍です。
表皮でできた袋のような腫瘍であり、垢が排出されずに中に溜まっていくために、しこりとなって現れます。
しこりを圧迫すると、白く臭いのする脂のようなものが出てきます。
粉瘤の原因
毛穴の一部分の組織が皮膚の深いところで袋状になっているものと言われていますが、原因は不明とされています。
症状
・少しずつ大きくなっていきます。
・顔やお尻、背中、耳のうしろにできやすいです。
・炎症や感染を起こすと赤くなり、腫れ、痛みが出てきます。
何科?治療法は?
皮膚科や形成外科を受診します。
診断がつけば、小さいうちから手術で取り除きます。
自分での対処
しこりに気がついた地点で病院を受診します。
決して自分で判断してはいけません。
粉瘤の注意点
感染を起こしてしまうと、痛みや腫れを伴います。
手術に抵抗があるかと思いますが、大きくなって手術することになれば,それだけ傷跡も大きく綺麗に治らなくなります。
脂肪腫
概要
皮膚の下にできる脂肪細胞のことです。良性の腫瘍です。
40代~60代の女性に多く見られます。また肥満者にも多く見られます。
無痛ですが、痛みがある場合は「血管脂肪腫」という血液が溜まる腫瘍になります。
脂肪腫の原因
原因は不明とされています。
色々な説もでていますが、未だ医学的根拠と結びついていません。
症状
・痛みのないしこりです。
・大きさは数mmから直径10cmまで大きくなるものもあります。
・軟らかくて弾力があります。
・液体は出ません。
・できてしまった脂肪腫は消えることはありません。
何科?治療法は?
皮膚科、形成外科を受診します。
診断がつけば、経過観察もしくは手術で取り除くことになります。
自分での対処
しこりに気がついた時点で病院へ行き診断を受けます。
経過観察でも大きさに気を付けておきましょう。
脂肪腫の注意点
良性のはずの腫瘍なのですが、既に大きい、また急に大きくなってきた場合、悪性腫瘍の可能性もある腫瘍です。
なので、自己判断は決してせず、病院で診断を受けましょう。
デュピュイトラン拘縮
概要
手のひらから指にかけてこぶの様なものができ、それによって皮膚がひきつれて徐々に伸ばしにくくなります。
こぶの位置は、薬指、小指に多く見られます。
40代~60代の男性や糖尿病患者に多く見られます。
デュピュイトラン拘縮の原因
原因は不明とされていますが、体内における、コラーゲン産生と分解のバランスが崩れ、手のひらの腱膜などにコラーゲンが以上に沈着されることにより拘縮策ができ、それことで指が曲がる原因とされています。
症状
・痛みや腫れは感じません。
・初期はマメができた感じに見えます。
・段々指が曲がった状態になり伸ばせなくなります。
何科?治療法は?
整形外科を受診します。
痛みがない場合は経過観察になります。指が変形しだし、日常生活に支障が出だすと手術されてきましたが、最近は注射などの薬物療法も確立してきました。
自分での対処
初期症状からは判断が難しいですが、少しでもおかしいと感じれば病院へ行き、診断を受けましょう。
デュピュイトラン拘縮の注意点
一見、なんのしこりか分からないですが、整形外科の先生が診れば、すぐ診断のつくしこりです。
今は手術だけでなく、薬物療法も確立されてきましたので早く診断を受けることが大切です。
ネット上で手のひらにしこりについてお悩みの声
手のひらにしこり
一ヶ月ほど前から、左の手のひらに小さなしこりのようなものがあります。
左手の薬指の付け根より少し下にできたので、
はじめはまめかな、と思っていたのですが違うようで…
痛くなかったのでそのままにしていましたが、今朝から少し痛みます。この場合、何科を受診したら良いのでしょうか?外科?整形外科?
そして、受診するような内容かどうかが一番気になります…
●お返事
しこりができていると感じただけでも心配ですし、また、日常生活に欠かせない手となると尚更、なんだろう?と悩みますよね。
また、大きさも小さいとなると、病院に行った方がいいの?勝手に治るものなの?と悩んでしまいます。
私なら整形外科を受診し、しこりの原因を診断してもらいます。
しこりなら、手術?と思いがちですが、初期なら経過観察で様子みますし、注射などで中の液体を出す方法や、手術で切除もありえますが、原因と治療法が分かれば安心して毎日を過ごすこともできます。
一度、整形外科を受診されることをお勧めします。
参考書籍
しこりをみたらどう考える?: 日常診療で遭遇するしこりへの対応法
内容(「BOOK」データベースより)
整形外科医だけでなく、プライマリケアにあたるすべての医師が日常診療でしばしば遭遇する「放っておいてもよいしこり」を、自信をもって診断するにはどうしたらよいかを実例をあげて解説。めったにみることはない悪性軟部腫瘍の一部についても実例をあげている。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
生越/章
新潟県十日町市出身。1962年生まれ。1981年新潟県立十日町高等学校卒業。1987年新潟大学医学部卒業・同大学整形外科入局。1992年新潟大学大学院医学研究科博士課程入学。1995年米国Mayo Clinicに留学(Dr.Unni、Dr.Simに師事)。1996年新潟大学大学院医学研究科博士課程修了。1997年県立がんセンター新潟病院整形外科に勤務。2000年新潟大学医学部助手。2001年新潟大学付属病院講師。2004年新潟大学大学院整形外科学分野助教授(准教授)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
最後に
手にしこりができてしまうのは心配な症状の一つです。
・しこりに痛みがあるのか、ないのか
・しこりは軟らかいのか、硬いのか。
・しこりの部位はどこなのか。
・病院を受診して、診断を受ける。
・診療科がわからない時は、大きな総合病院へ行く。
しこりができる原因は、まだ、はっきりとしていませんが、きちんと診断を受け状況に応じた治療法で治療を受ければ、こわいものではありません。