「目から膿が出ている」となれば、それは明らかに部分的炎症を起こしていると言えます。
何らかの原因により細菌が侵入したと思われますので、どんな疾患が疑われるのかを調べてみました。
ここでは、目から膿が出る原因を紹介します。
目から濃が出る原因とは?
目から膿が出る原因はこの3つの可能性があります。
- 涙嚢炎
- 麦粒腫
- 急性霰粒腫
それぞれ見ていきましょう。
涙嚢炎
概要
涙などの分泌物は目頭から鼻に抜けるのですが、その通り道が何等かの原因により炎症を起こした状態を言います。
慢性涙嚢炎と急性涙嚢炎があります。
涙嚢炎で目から膿が出る原因
涙管の上部にある涙嚢部に炎症を起こしますので、涙が流れて行かなくなり、眼脂などが多くなります。
炎症を起こし化膿している部分の粘膜が破れると排膿します。
症状
・目頭と鼻筋の中間部あたりに発赤と腫れが出る。
・眼脂が多くなり痛みを伴う事がある。
・流涙が起きる。
・赤ちゃんからお年寄りまで、年齢層が厚い。
何科?治療法は
涙嚢炎になった場合には、涙嚢内の濃を排出させますが、その際には、涙管が詰まっていないかどうかの検査も必要となります。
眼科において、点眼麻酔をした後に涙管ブジーと言って、針金のような機材で涙道をゴシゴシと通し、涙嚢洗浄を行います
自分での対処
・涙嚢マッサージ
・不潔な手で目の周りを触らない
・慢性的になっている場合には、指示された通りの点眼薬を使用
涙嚢炎の注意点
涙管が元々狭いか詰まっている可能性がありますので、感染症を起こす前に眼科受診できる事が望ましいです。
そして、再発を繰り返す方が多い疾患でもありますので、定期的な通院も必要となります。
麦粒腫(ばくりゅうしゅ:ものもらい)
概要
眼瞼の分泌腺やまつ毛の根元から、細菌が侵入し急性的に炎症を起こした事を言います。
私達の体に付着している常在菌を完全に取り除く事は出来ませんので、特に免疫力が低下した時には注意が必要です。
麦粒腫で目から膿が出る原因
何等かの原因により組織の中に入り込んだ細菌に対し、白血球が集まり攻撃しますので、炎症が起きている部分に化膿というのは付き物です。
膿の正体は細菌と白血球の死骸です。
症状
・発赤
・疼痛
・眼脂
・充血
・ゴロゴロとした違和感
何科?治療法は
麦粒腫は眼科にて抗生物質の眼軟膏や点眼を処方してもらいます。
症状が治まらない時には、抗生物質の内服を追加しますが、切開を行った方が治りは早いです。
見た目が痛々しいので、早めの受診をお勧めします。
自分での対処
・不潔な手で目の周りを触らない
・前髪は目やまつ毛にかからない様にする
・適度や休息と良質な安眠を保つ
・コンタクトやアイメークは暫くお休みする
麦粒腫の注意点
麦粒腫は体が疲れていたり、ストレスなどで免疫力が低下している時になりやすい疾患です。
また、麦粒腫を繰り返す方は、糖尿病などの病気が隠れている危険性があります。
急性霰粒腫(きゅうせいさんりゅうしゅ)
概要
霰粒腫とは麦粒腫と同じように、目の縁が腫れ間違える事がありますが、良性の脂肪腫なので、通常は膿が出たり痛みが出る事がありません。
しかし、その脂肪腫にバイ菌が侵入した場合には、急性霰粒腫と言い炎症を起こします。
急性霰粒腫で目から膿が出る原因
細菌感染を引き起こした場合には、白血球が集まり病原菌を退治にかかりますので、その結果として細菌と白血球の死骸(膿)が出ます。
症状
・まぶたにしこりがある
・熱感と痛み
・眼脂と充血
何科?治療法は
霰粒腫は元々自然治癒するものではないので、急性炎症を起こした際には脂肪腫ご切除してしまった方は治りが早いです。
勿論、受診した先の医師がある程度の治療方針を決めますが、切開と言われたら躊躇しない方が良いでしょう。
自分での対処
分泌物が出る腺が詰まって、脂肪腫を形成するので、アイメークの厚塗りはお勧め出来ません。
また、感染を起こしている部位が気になるからと言って、ゴシゴシ擦る事も症状を悪化させてしまいますので、やめましょう。
あとは基本的な事ですが、清潔を保ちましょう。
急性霰粒腫の注意点
感染を起こしていますので、目の周りは清潔にして置き、手洗いもこまめに行って下さい。
霰粒腫を繰り返す人は、悪性腫瘍の場合もありますので、一度全身の検査を受ける必要があるかもしれません。
何らかの感染を引き起こす時は、体の抵抗力が落ちている事も考えられますので、生活習慣の見直しをする機会と思っって下さい。
ネット上で目から膿が出る人の悩みの声
生後5ヶ月の男の子ですが、10日前に目が腫れだして、一週間前に眼科に行き、「目にばい菌が入ってますね~ものもらいみたいなものです」と診断され、目薬を処方されました。
腫れがまだ引かないので、今日受診したところ「化膿性霰粒腫」と診断され、エコリシン点眼液とネオメドロールEE軟膏を処方されました。
同じような症状になった方いらっしゃいますか?
完治するまでに時間がかかると言われ、ずっと片目が腫れていたら、顔が変形してしまうのでは?と心配です…
薬以外に、治るのが早くなる方法はありますか?
また、軟膏の上手な付け方があれば教えていただきたいです。
■看護師ライターさんの回答
急性霰粒腫であれば、顔が変形する事は無いので、ご安心ください。
しかし、まだ生後5か月で急性霰粒腫とは可哀想ですね。
私はてっきり涙嚢炎かと思いました。
赤ちゃんにはよくある症状で、生まれつき涙管が狭い場合や詰まっているお子さんがいらっしゃるので、そちらが疑わしいと思いましたが、
眼科の先生がそう診断されたのなら、間違いないでしょう。
薬以外の治療方法は霰粒腫の袋ごと切除してしまうと早く治りますが、お母さんの心情を考えると・・・
手術をすると言われたら、ビックリするでしょうね。
でも、霰粒腫であれば、しこりはそのまま残るので、まだあまり分からない年齢の時に取ってしまった方が良いかもしれませんね。
赤ちゃんなので、泣きますよ、泣きますけど、終わったら「ケロッ」としてますから。赤ちゃんのうちは、痛覚は大人と違って鈍いので、意外と心配する程ではありません。
眼軟膏の付け方ですけど、赤ちゃんは動きますから、お母さんは正座をして両太ももの間に赤ちゃんの頭を挟み、動きを抑制する様にして軟膏を入れます。
軟膏は「あ~かんべぇ」をして、したまぶたに塗ってすぐ閉じます、そうするとキチンと患部に軟膏が行き渡ります。
試してみて下さい。
最後に
急性の感染症は、単純に細菌が侵入して起きる訳ではありません。
逆に言うと細菌が侵入しても、殆どは炎症を起こすまでには至らないのです。
身体の抵抗力が低下していたり、自律神経のバランスを崩していたりと、いつもとは違う体調の時に起きやすいものです。
相当強い細菌やウイルスでない限り、健康体の人は負けないので、普段から体調管理には気を付けて下さいね。