市販薬は、症状を和らげるという意味では、一時的に楽になるお薬があるかもしれませんが、扁桃腺炎を治すという事は期待できません。
お店で市販されている薬の中に、抗ウイルス剤や抗生物質などは含まれてはいないからです。
ここでは、扁桃腺炎の市販薬でおすすめはある?について調べてみました。
扁桃腺炎の市販薬でおすすめは?
咽の痛みに特化した薬と言えば、「ペラックT錠」が有名です。
扁桃腺炎はどこかに炎症があるという事ですから、市販薬で「炎症を抑えれるのではないか」と過剰に期待をしてはいけません。
病院で処方されない薬、例えば「うがい薬」や「口内錠」「のどスプレー」などは市販薬を購入をしても良いかと思いますが、基本的には一時しのぎだと私は考えておりますので、市販薬が効いてとても楽になったという事を経験した事がありません。
扁桃腺炎で病院の処方薬は?
病院では扁桃腺炎が何からくるものなのか?原因がはっきりと分かっている場合には、その原因となる病原菌に対する薬を出します。
例えば、インフルエンザウイルスに感染している場合には、まず抗インフルエンザ薬が処方されます。
それ以外は症状に対するお薬を担当医の見立てにより数種類処方されます。
風邪や細菌性病原菌であれば、抗生物質による治療が行われますが、
その中でも溶連菌が原因の場合は、もう少し厳重に対応しなければなりません。
溶連菌はしつこいから、しっかりと治療を行うべき!
溶連菌に感染しているかどうかは、検査ですぐに分かります。
溶連菌が原因で扁桃腺が腫れている場合には、必ず治療を行って下さい。
「咽の痛みが止まったから」という理由で、途中で治療を中断していしまうと、溶連菌が死滅せず、合併症を引き起こす事があります。
医師や薬剤師からの説明通りに薬を飲み切り、更に溶連菌が死滅したかどうかの検査も行いましょう。
溶連菌が怖いのではなく、溶連菌から来る合併症が怖いのです。
溶連菌の場合の治療薬って?
溶連菌が陽性の場合には、ペニシリン系抗生物質を10~14日間投与します。
それ以外にはセファム系抗生物質もしくは、ジスロマックを用いる事もあります。
ただし、ペニシリン系抗生物質にアレルギーを持っている方もいますので、元々アレルギー体質の人は担当医とよく相談をして下さい。
※セファム系抗生物質とは、広く感染症に使われるポピュラーな抗生剤。
※ジスロマックとはマクロライド系抗生物質で、性病感染者治療薬として使いますが、細 胞寄生菌に効果があり、マイコプラズマ肺炎・
気管支炎・歯周病・中耳炎・尿道炎の時にも処方されます。
ジスロマックの特徴としては、他の抗生物質と比べると服用回数が少なく服用期間も短 いため、飲み忘れが少ないという利点があります。
市販薬と処方薬の違いは何?
病院で処方されるお薬は、患者さんの年齢や体重、基礎疾患や他のお薬との兼ね合いなどを考慮し、症状それぞれに薬を処方します。
市販薬は、どちらかと言うと1つのお薬の中に、総合的に調合されている形になっています。
どこの誰が購入するか分かりませんので、副作用が極力起きない様に作られています。
病院へ行くタイミングは?
急性扁桃腺炎になると、38~40℃以上の高熱が出て、咽の痛みと腫れを引き起こす他、全身の倦怠感や脱水に陥りやすいので、このような場合には我慢せず、受診した方が良いです。
扁桃腺はリンパ組織ですので腫れやすく、酷い時には空気の通り道を極端に狭めてしまい、呼吸困難や最悪の場合、窒息状態になる方がいます。
息苦しさがあった場合には、直ちに受診して下さい。
「明日病院が開いてから」と考え一晩様子をみようと思っていると、手遅れになる場合があります。
扁桃腺は風邪などでも容易に赤く腫れるため「またか~」と、安易に捉えて市販薬で何とかしようと考える方もいるかもしれませんが、キチンとした治療が必要な場合もありますので、繰り返し扁桃腺が腫れる場合には、一度医療機関を受診して下さい。