ピロリ菌が陽性かどうかだけを調べるのであれば、血液検査でも分かりますが、もしピロリ菌陽性と結果が出て治療を行う場合には、
必ず胃カメラ検査が必要となりますので、覚悟をしておいた方が良いです。(自費負担で治療する場合は要相談)
ここでは、ピロリ菌の血液検査の費用は?結果はすぐわかる?を紹介します。
ピロリ菌は血液検査でどんなことがわかるの?
血液検査では、抗体の有無を確認しますが、結果は採血後3~5日間程度で分かります。
ピロリ菌が体内に入ってくると、体の防御機構が働き、異物に対して排除しようとします。異物(抗原)に対し、対抗馬として抗体を作ります。
抗体が検出されるという事は結果として、異物(ヘリコバクター・ピロリ = 抗原)があるという事になります。
因みに、便からは「便中抗原測定」という検査を行う事も出来ます。
費用はどれくらい?保険は効く?
血液検査による費用については、以下の通りです。
抗体測定
採血料 13点(130円)
ヘリコバクター・ピロリ抗体 70点(700円)
ヘリコバクター・ピロリ抗体精密測定 80点(800円)
免疫学的検査診断料 144点(1440円)
合計 307点(3070円)
自己負担が3割であれば、920円 + 初診料(再診料) + α となります。
他にはどんな検査があるの?費用は?
ピロリ菌は血液検査以外では5通り
内視鏡下検査
内視鏡を行った際に、「迅速ウレアーゼ試験」「鏡検法」「培養法」のいずれかの検査を行います。
ベテランの医師は、胃の中を見ただけでピロリ菌に感染しているかどうかをある程度は判断出来ていますが、確定診断を裏付ける意味で検査をキチンと行います。
迅速ウレアーゼ試験
胃・十二指腸カメラ 1140点(11400円)
内視鏡下生検法 310点(3100円)
迅速ウレアーゼ試験 60点(600円)
免疫学的検査診断料 144点(1440円)
合計 1654点(16540円)
鏡検法
胃・十二指腸カメラ 1140点(11400円)
内視鏡下生検法 310点(3100円)
病理組織顕微鏡検査 880点(8800円)
病理学的検査診断料 150点(1500円)
合計 2480点(24800円)
培養法
胃・十二指腸カメラ 1140点(11400円)
内視鏡下生検法 310点(3100円)
細菌培養同定検査等 130点(1300円)
微生物学的検査判断料 150点(1500円)
合計 1730点(17300円)
内視鏡を使用しない検査
内視鏡を使わずに、血液や尿・便・息(呼気)からピロリ菌に感染しているかどうかを調べます。
尿素呼気試験
尿素呼気試験 70点(700円)
微生物学的検査診断料 150点(1500円)
検査用薬剤(ユービット等)薬剤料
合計 220点(2200円) + 薬剤料
便中抗原測定
糞便中ヘリコバクター・ピロリ抗原 150点(1500円)
免疫学的検査判断料 144点(1440円)
合計 294点(2940円)
いずれも、この検査料に初診料や再診料などが更に加算され、保険の種類により1~3割負担分を支払う事になります。
陽性と出たらどんな治療をしていくの?
陽性と結果が出れば、その後は保険適応となる病気があるかどうかにより、保険で治療が行えるのか自費負担になるのか?
担当医によく相談しましょう。
支払う方法に違いがあっても、治療は基本同じ方法で行います。
保険が適応となる条件は、まず以下の病気の診断があるかどうかになります。
除菌前感染診断名
1. 胃潰瘍または十二指腸潰瘍(内視鏡検査または造影検査での確定診断がある)
2. 胃MALリンパ腫
3. 特発性血小板減少性紫斑病
4. 早期胃癌(内視鏡治療済)
5. 胃炎(内視鏡検査での確定診断がある)
胃部症状はあるが、内視鏡検査を行っていない方や、健康診断だけでピロリ菌陽性結果があった時には、すぐに除菌治療を開始する訳には行きません。
原則、内視鏡検査が必須条件となりますので、胃カメラを拒否した場合などは自費負担での治療を選択するしかなくなります。
経済的に余裕のある方は、担当医とよく相談をして決めましょう。