インフルエンザウイルスに感染した場合に処方される解熱剤は「アセトアミノフェン」と呼ばれるカロナールが多いです。
カロナールは作用がとても優しく、副作用もほぼ無く、安全性が高いお薬です。
今回は、インフルエンザの頭痛で薬はOK?カロナールが効かない!?について紹介します。
インフルエンザの頭痛と薬
インフルエンザで頭痛になる原因は?
インフルエンザウイルスが体の中に侵入して来た際に、サイトカインという物質と一緒にプロスタグランディンという物質が放出されます。
そのプロスタグランディンの影響で痛みや発熱が起きます。
プロスタグランディンって何?
私達の体の中でプロスタグランディンが不足すると、抹消の血管が細くなり手足が冷えて栄養が行かなくなり、最悪切断の危機となります。
ですから、プロスタグランディンは必要な物質なのです。
プロスタグランディンが役に立つ理由は?
プロスタグランディンは「血管を広げる」という役割と、熱に弱いウイルスに対し「発熱して戦う」という役割があります。
発熱の原因の一つにプロスタグランディンが関係している訳です。
発熱すると血管が広がります。
頭痛は血管が広がる事でその血管に絡みついている神経が圧迫されて起こります。発熱時の頭痛はある程度、仕方がないのです。
インフルエンザの頭痛は普通の頭痛と違うの?
インフルエンザウイルスに感染した場合と、普通の風邪の時の頭痛と違うのか?
どうなのかという疑問についてですが、発熱により血管が広がり、その血管に絡みついている神経が圧迫される事から来るのですから、頭痛の程度は同じでしょう。
風邪よりもインフルエンで発熱している期間が長いので、頭痛が起きている時間も長いという事でしょう。
心配な頭痛というのは「バットで殴られたかのような痛み」の頭痛です。
半端な痛みではないので、意識を失う位の痛みがある場合には、迷わず脳外科受診して下さい。命にかかわります。
インフルエンザの頭痛の対処法は?頭痛薬は飲んでいい?
インフルエンザウイルスに感染した時に起きる頭痛には、飲んで良い痛み止めと、服用してはいけない薬があります。
使用して良い薬
・カロナール
・アンヒバ坐薬
・小児用バファリン(現在市販されているものは可)
・イブ
使用してはいけない薬
アスピリン系薬剤はライ症候群(脳症)を引き起こす危険性がありますので、使用してはいけません。
・バファリンA
・バファリンプレミアム
・ケロリン
同じバファリンという名前でも、アスピリンが含まれている薬剤は使えません。ドラックストアで購入する際には薬剤師に相談しましょう。
使用しない方が良い薬
しっかりとした根拠のもとで安全性が証明されていない為、使用しない方が良いというしかないです。
・ロキソニン
頭痛が起きた時、薬を飲まずに何とか出来ないの?
単純に血管を収縮させれば、良いのではないでしょうか?ダイレクトに頭を冷やすという事で良いでしょう。
頭痛が起きている時は、発熱もしているでしょうから頭を冷やし、出来れば太い血管が通っている脇の下や鼠径部(太ももの付け根)を冷やしましょう。
あとは、熱が下がりやすい様に水分をいつもより多く摂取しましょう。
頭痛が悪化するとどうなるの?
カロナールを服用し、頭や必要な個所を冷やし、水分補給をしてもなお、頭痛がひどくなる場合には、髄膜炎や脳炎が隠れている場合があります。
通常であればもう回復するであろう時期にまだ症状が続いている時には受診して下さい。
インフルエンザの頭痛の注意点
インフルエンザウイルスに感染し発熱したことによる痛みなのか?それとも命を奪う恐ろしい頭痛なのか?の見極めでしょう。
病院から処方された抗インフルエンザ薬を服用し、環境も整え、栄養と休息をとり、カロナールを服用しているにも関わらず、長期間の頭痛に悩まされた時には、受診をしましょう。
自分がどのタイプの頭痛持ちなのか?分かるきっかけになるかもしれません。