代表的な感染性胃腸炎と言えば、ウイルス性胃腸炎と細菌性胃腸炎(食中毒)とあります。
経口から病原菌が入り感染力が強いのはウイルス性胃腸炎です。
基本、ウイルスであっても細菌であっても、体の中で病原菌が増えないと発症しませんので、潜伏期間中の感染は考えにくいです。
今回は、急性胃腸炎は潜伏期間でも感染するって本当!?を調べてみました。
急性胃腸炎の潜伏期間はどのくらい?種類・病名
それでは、ウイルス性胃腸炎と細菌性胃腸炎の潜伏期間について、説明しましょう。
1.ウイルス性胃腸炎
- ノロウイルス → 潜伏期間 24~48時間
- ロタウイルス → 潜伏期間 24~48時間
- アデノウイルス → 潜伏期間 7日間程度
- アストロウイルス → 潜伏期間 1~4日程度
2. 細菌性胃腸炎
- サルモネラ → 潜伏期間12~48時間
- 腸炎ビブリオ → 潜伏期間は数時間
- カンピロバクター → 潜伏期間1~7日間程度
- 病原性大腸菌 → 潜伏期間3~5日程度
- エルシニア腸炎 → 潜伏期間5日程度
- ブドウ球菌食中毒 → 潜伏期間2~3時間
- ボツリヌス菌食中毒 → 潜伏期間12~36時間
急性胃腸炎は潜伏期間でも感染しますか?
潜伏期間は基本、感染しません。
病原菌によっては、潜伏期間が24時間~48時間程度のものから7日間程度のものまであります。
病原菌がたくさん体に入った時と少ししか入らなかった場合では発症時間が違ってきます。本人の体力や年齢・持病を持っているか等でも随分と差が出る事が想像出来ます。
このような時間差から、周囲の人と比べ、発症が早かった場合に「潜伏期間に私は感染したのではないか?」という疑問が出てくるかと思われます。
そして集団で食中毒が発生した場合も、同じ物を食べても発症しない人が必ずいます。
潜伏期間の時間差もありますが、感染する人と感染しない人がいる事についても調べてみました。
同じ物を食べても、感染しない人がいるのはなぜ?
- 「B型の人はノロウイルスにかからない」
- 「漁師はノロウイルスにならない」
というのを聞いた事がありませんか?
ひとシーズンに2回ノロウイルスに感染する人もいれば、同じ物を食べても何の症状も出ない人がいます。
どこが違うのでしょうか?
感染しやすい人
- 免疫が無い
- 腸内にウイルスを吸収しやすい
- 抵抗力や体力がない
等が理由としてあげられます。
感染しない人
- 免疫がある
- 腸内にウイルスを吸収しずらい体質
などの違いがあるようです。
漁師がノロウイルスにならないのは、「免疫がある」と思われますし、同じ家庭内で感染する・しないが分かれるのは「体質の違い」と言われるのだと思います。
ただし、医学的にはまだ解明出来ていない話です。
ノロウイルスワクチンはなぜ無いの?
ノロウイルスの型は30種類とも40種類とも言われていますので、型の違うノロウイルスで免疫が無ければ発症する事になります。ちなみに、ノロウイルスのワクチンが出来ない理由の一つとして型が多すぎて対応できないという事があります。
その一方で、ノロウイルスが発症する型は、いつも大体は同じタイプだという話もあります。
どちらにしても、迅速検査でノロウイルスに感染したかどうかは分かりますが、どの型なのかまでの厳密な検査は行っていませんので、インフルエンザのように「Aだった」「今回はBだった」という事にはなりません。
まずは、日頃から感染しないように対策を行う事が大事となります。
急性胃腸炎の感染対策とは?
感染の流行時期に左右されず、日常的に意識を高める事が重要です。どこに病原菌がいるか分からないのです。
そして感染経路として必ず「手から口に入っています」
排便し、トイレットペーパーでお尻を拭いた後の手を調べてみると、
4人のうち1人の手に大腸菌が付いているという情報もあります。
その手を洗わずに、あちこちベタベタ触り、その手で物をつかみ、口に運んでいます。そう考えると感染しない方がおかしいのです。
ですから、
- 手洗い(こまめに何度でも。食べる前・トイレの後・外出の後)
- 清潔(掃除を行い、見た目をきれいにする)
- 換気(汚い空気の入れ替えを行う。そうする事で湿度も保てる)
- マスク(人混みに行く時は着用する)
- 食品は適正に(必要なものは加熱する。野菜は良く洗う)
- まな板・布巾の消毒(雑菌や病原菌が付着しやすい)
このような事を普段から実施すると、感染のリスクを下げる事が出来ますし、何といっても「潜伏期間だろうか?」等と心配する必要が無くなります。
最後に
急性胃腸炎といっても、ウイルス・細菌によって潜伏期間が違いましたね。
素人が見分けるのは無理だと思いますので、私たちができることは感染しないための手洗いを中心とした予防ですね。
明らかに違う吐き気・嘔吐があった場合は、病院へいきましょう。
まずは、お近くの内科・小児科ですね。
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