夏は薄着で外出することが多くなり、いつの間にか虫に刺されていたということはよくありますよね。
痒いだけなら掻くのを我慢して抗ヒスタミン剤を塗っておけば大丈夫ですが、痛みを伴っている場合には注意が必要です。場合によっては、医療機関に受診して治療が必要になることもあります。
アレルギー反応や刺された患部から感染症などを引き起こしたら、命に関わる危険性もあります。
今回は、「痛痒い虫・痛い虫の特徴について」と「虫刺されで痒い原因と各対処法」と「特に子供に対する注意」をご説明したいと思います。
虫刺されの痛み
痛い原因は?
「虫刺されで痛い!」といっても、どんな虫にさされたのかによって症状や対処法が変わってきます。
どんな虫かわからないことも多いと思いますが、
ここではこの2つ分けて虫刺されで痛い虫の特徴・症状・対処法を紹介していきます。
- 虫刺されで痛い虫
- 虫刺されで痛痒い虫
たくさんいますが、それぞれ見ていきましょう。
虫刺されで痛い虫
虫刺されで痛い虫を紹介します。症状と対処法も合わせてご覧ください。
- ブユ(ブヨ)
- アブ
- マダニ
- ハチ
- アリ
- ムカデ
- ハネカクシ
- カミキリモドキ
- クラゲ
それぞれ見ていきましょう。
ブユ(ブヨ)
虫の特徴
山に多く生息し、朝夕集団で襲う傾向があります。蚊と違い皮膚をかじり、出血した血を吸います。蚊同様メスだけが産卵の栄養源として吸血します。
刺された時の症状と対処法
症状には個人差があり、わずかな痛みのあと少量の出血があり、数時間後強いかゆみと赤みと腫れが出現します。
かきむしりると、とびひになりますので、2次感染には注意してください。抗ヒスタミン薬とステロイド成分を配合されている外用薬をぬります。
アブ
虫の特徴
牧場などで牛、馬などに吸血します。また、動物がいない場合はヒトを狙って吸血します。刺すのではなく刃状の口器で切り裂き、出血した血を吸います。蚊同様メスだけが産卵の栄養源として吸血します。
刺された時の症状と対処法
瞬間的に激痛が起こり、その後強いかゆみが現れ、赤く腫れあがり、肌が熱っぽくなります。かきむしると、とびひになりますので、2次感染に注意してください。
止血後、抗ヒスタミン薬とステロイド成分を配合されている外用薬をぬります。
マダニ
虫の特徴
本来は野生の動物に寄生して生活しています。山の野原でヒトの衣服に乗り移り、皮膚に固着して吸血します。無理にはがすと皮膚に刺さった口部が残り、治りにくいしこりとなります。
寄生された時の症状と対処法
吸着、吸血時には、自覚症状はなく、寄生している虫がふくれてきてようやく気づきます。マダニは無理にむしり取らず皮膚科医の処置を受けてください。
ハチ
虫の特徴
人家周辺ではアシナガバチ、野山ではスズメバチの被害が多く起こります。ミツバチは一回刺すと死にますが、アシナガバチやスズメバチの針は何回でも刺すことができます。
刺された時の症状と対処法
初めて刺された時は痛みや皮膚が赤くなり1日以内に軽快しますが、2回目以降はアレルギー反応によって強い腫れを生じたり、時には刺された直後にアナフィラキシーと呼ばれるショック症状を起こし死亡する場合もあります。刺されて気分不良になった場合にはすぐに救急車を呼びます。
応急手当て
1、刺された場合、刺された部位を流水でよく洗い毒を弱め、針が残っていたら毛抜きやピンセットで抜きます。
うまく抜けない場合は無理に行わず、皮膚科を受診してください。
2、針が抜けたら指で患部をつまむようにして毒を絞り出します。
3、抗ヒスタミン軟膏などを塗り、布でくるんだ保冷剤や濡らしたタオルで患部を冷やして痛みを和らげます。
顔面や手足の蒼白、血圧低下、冷や汗、痺れ、嘔吐、呼吸不全などのショック症状が現れた場合は、すぐに救急車を呼び診察を受けてください。
アリ
虫の特徴
通常、庭にいるアリは刺しませんが、山に住む大型のヤマアリは咬んだり、蟻酸(ぎさん)を振りかけたりします。お尻に針があり刺すアリもいます。
咬まれた時の症状と対処法
チク李としたごく軽い痛みと小さな傷ができます。炎症症状は軽いので抗ヒスタミン薬配合の外用薬をぬります。
ムカデ
虫の特徴
落ち葉や石の下などに生息し、昆虫類等を食べて生活しています。夜間に家にいるゴキブリやクモなどを食べるために入ってくることがあります。吸血性はなく、そばにきても不用意に払ったりさわったりしなければ咬まれることはありません。
咬まれた時の症状と対処法
咬まれた瞬間にひどい激痛が走り、しびれが生じそのうち赤くなり腫れてきます。体質によってはショック症状を引き起こすこともあります。抗ヒスタミン薬とステロイド成分を配合されている外用薬をぬります。
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ハネカクシ
虫の特徴
アリとそっくりな形をしていて触れた虫をうっかりと知らずにつぶしてしまい、体液にふれると小さな水ぶくれを生じます。夜間の灯火にさそわれて室内へ入ってくることがあります。
触れた時の症状と対処法
体液がふれたところがピリピリし、線状に赤くなり、腫れ、小さなブツブツや水ぶくれができます。
かきむしると、とびひになりますので、2次感染に注意してください。抗生物質とステロイド成分を配合されている外用薬をぬります。
カミキリモドキ
虫の特徴
小さなカミキリムシにそっくりな虫なので、カミキリモドキと名付けられます。灯火に誘引されるので、地方によってはランプ虫、電気虫、火傷虫等といわれています。
触れた時の症状と対処法
触れると胸部から体液を出し、それが皮膚につくと軽い刺激感、赤み、腫れ、そして水ぶくれができます。水ぶくれはとても破れやすく、やぶれてしまうとヒリヒリと痛みます。体液をよく水洗いし、早めに抗生物質とステロイド成分を配合されている外用薬をぬります。
クラゲ
特徴
ハナガサクラゲ、アンドンクラゲ、カツオノエボシ等は海水温が上昇する7月下旬から9月にかけて浮遊してきて、海水浴客が偶然接触して刺されることで被害を受けます。
刺された時の症状と対処法
クラゲの足(触手)に触れると微細なトゲが刺さり、毒液がかかり、線状の赤いミミズ腫れや水ぶくれができます。
刺されたところを真水で洗うと症状が悪化してしまうので、海水でよく洗い触手あるいはトゲを洗い流すことが大切です。
沖縄のハブクラゲは大量の食酢をよく振りかけて洗います。皮疹の症状は激しいので抗ヒスタミン薬とステロイド成分を配合されている外用薬をぬります。
虫刺されで痛痒い虫
虫刺されで痛痒い虫を紹介します。症状と対処法も合わせてご覧ください。
- 蚊
- イエダニ
- ノミ
- 毛虫・どくが
- シラミ
それぞれ見ていきましょう。
蚊
虫の特徴
ヒトを好んで刺す蚊は約8種類います。
メスだけが産卵の栄養源としてヒトや動物の血を吸います。
刺された時の症状と対処法
刺された直後から激しいかゆみを感じ、また、水ぶくれができる場合もあります。 ボリボリ掻くと悪化してしまうので掻かないように我慢して、なるべく早く「抗ヒスタミン薬」あるいは「抗ヒスタミン薬とステロイド成分を配合してある外用薬」をぬります。
イエダニ
虫の特徴
室内で刺すのはネズミに寄生するイエダニで、主に夜間にヒトの血を吸います。
刺された時の症状と対処法
強いかゆみと、赤くてしこりのあるブツブツができます。症状が数日から10日間続きますので、抗ヒスタミン薬とステロイド成分を配合されている外用薬をぬります。ネズミの駆除とダニそのものを退治する必要があります。
ノミ
虫の特徴
最近はほとんどがネコノミによる被害です。メス、オス共に吸血します。
刺された時の症状と対処法
ネコ飼育の経験がないなどネコノミに刺された経験のないヒトほどかゆみが非常に激しく、大豆大からサクランボ大の水ぶくれができることがあります。抗ヒスタミン薬とステロイド成分が配合されている外用薬をぬります。
毛虫・どくが
虫の特徴
どくが類の成虫や幼虫(毛虫)には長さ0.1mmの細かい有毒の毛(毒針毛 – どくしんもう)があり、それに触れると皮膚炎を起こします。幼虫は全身に数十万から数百万本の毒針毛を持っており、成虫にもお尻の先に毒針毛が付着しています。羽には毒はありません。
刺された時の症状と対処法
毒針毛が刺さるとかゆみの強いじんましんの症状がでたり赤いブツブツができます。
毛虫に触れた直後、不用意に掻くと毒針毛が患部に入り込み、症状を悪化させるので、粘着テープで付着した毒針毛をそっと取るか、水洗いしてから抗ヒスタミン薬とステロイド成分を配合されている外用薬をぬります。
シラミ
虫の特徴
アタマジラミは子供の頭髪に好んで寄生し、保育園や幼稚園や学校で集団発生します。ケジラミは大人の陰毛に付く性感染症の一つです。
寄生された時の症状と対処法
アタマジラミに寄生されると頭が痒くなりますが、痒みがなく、寄生に気付かないこともあります。メスは頭の髪の毛に光沢のある灰白色で1mmくらいの卵を産み付けます。
ケジラミは陰部の生えている場所に激しい痒みを生じます。皮膚科医を受診し、診断、指導を受けてください。
虫刺されは特に子供は注意!
子供や乳幼児が虫に刺された場合、なんの虫に刺されたか言えないし、わからないことがあります。
まず何の虫に刺されたのを特定することが必要です。刺されてすぐであれば周囲にいる虫を確認しましょう。病院に行く前に上記に書いてある応急処置をしましょう。
人気の市販塗り薬
虫刺されの薬には「抗ヒスタミン薬」あるいは「抗ヒスタミン薬とステロイド成分を配合してある外用薬」があります。抗ヒスタミン成分はかゆみを鎮める働き、ステロイド成分には皮膚の赤みやかゆみをとり炎症を抑える働きがあります。
いずれもドラックストアや皮膚科で入手することができます。虫刺されの常備薬として、外出時には持ち歩くと良いでしょう。ただし症状に合わせたタイプを選ぶ必要があるので、どちらを使用すべきか分からない場合は薬局や医師に確認しましょう。
抗ヒスタミン薬配合の塗り薬
軟膏とクリームとの違いは、クリームの方がベタつかず塗りやすいですが、刺激は軟膏の方が少ないです。
クリームは簡単に洗い流せるメリットがありますが、皮膚を保護し保湿力は軟膏が高いです。
新レスタミンコーワ軟膏
メンソレータム メディクイック軟膏
メンソレータム ADクリーム
抗ヒスタミン薬とステロイド成分配合の塗り薬
フルコートf(軟膏)
リンデロンVs軟膏
ベトネベートN軟膏AS
最後に・・・
夏のレジャーで山や川に行くときは、薄着ではなく帽子と長袖長ズボンの恰好で行くことが虫刺されにあわないために無難な恰好です。
また海水浴はお盆明けのクラゲが浮かんでいる海水には入るのを控えた方が無難です。
特に子供は山や川以外にも空き地の草むらで遊ぶ機会が多く、虫刺されが起きやすいので虫に刺されてしまった時は、大人が虫を特定して応急処置をしてあげることが大切です。
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