毎年秋から冬になると流行するノロウイルス。とても感染力が強いため、集団感染などの問題が起こったりもします。そんな恐ろしいノロウイルスなのですが、実は治療法がないのです。
どうしてノロウイルスには治療法がないの? どうやって治したらいいの? 市販の下痢止めは飲んでもいいの? そんな疑問についてご説明します。
ノロウイルスは治療法がないって本当?
ノロウイルス感染時に効果がある抗ウイルス剤はありません。
ノロウイルスは人間の小腸でしか増殖しないため、人口で作り出すことの難しいウイルスです。そのため、効果がある薬を研究するのに必要なノロウイルスを作り出すことができず、特効薬を作るのに非常に長い時間がかかります。
同様の理由で、ノロウイルスのワクチンの開発もまだなのです。
どう治したらいい? どのくらいで治る?
大人の場合は、症状が軽くなるまで1~2日間安静にするだけで大丈夫です。
ただし、抵抗力が少ない乳幼児やお年寄りは症状が重くなりがちです。そうすると脱水症状や体力の消耗を起こしやすいので注意してください。すぐに病院へ行きましょう。
ノロウイルスの治療で下痢止めは飲んでいい?
ノロウイルスに感染した際には、市販の下痢止めは飲まないようにしましょう。
薬を服用すると逆効果になる可能性があります。
ノロウイルスの治療には、体に溜まったウイルスを外に出すことが必要なのです。
下痢止めでウイルス排出を止めてしまうと治りが遅れます。
水分補給が大事な理由
ノロウイルスに感染すると、体内にある体液(ミネラルなど)などを大量に吐き下します。
下痢や嘔吐による水分及び電解質の喪失は想像以上です。
水分の経口摂取が可能ならば、しっかりと摂取するようにしましょう。
ただし水分だけ(水・お茶)を補給すると体内の塩分が薄くなります。これを「自発的脱水」と言います。
水分を取っているにも関わらず脱水症状になってしまうんですね。そのまま重ねて水分を摂ることで危険な状況になりかねません。
ポイントは 水分 + 塩分(ミネラル)を補給することです。
水分だでは足りないということです。
水分補給をするときは、経口補水液やスポーツドリンクを摂ることが大事なのです。また、体に負担をかけないように、少量ずつ、常温か温めたものを口にするのをおすすめします。
経口補水液の作り方
- 水 … 1リットル
- 塩 … 小さじ1/2
- ブドウ糖または砂糖 … 大さじ4 と 1/2
これを混ぜ合わせるだけで完成します。家にある材料だけで作れると思うので、もしものときのために覚えておくのもいいかもしれません。
ノロウイルスの治療で食事はどうすればいい?
ノロウイルスの感染から早く逃れようとして、栄養のあるものを何でも食べてしまい、逆効果になってしまった経験はないでしょうか?
無理な食事は余計に胃腸の炎症を悪くします。人間は1~2日くらいの断食では問題がないと考えていいでしょう。
食事ができるまでに回復したとしても、
お菓子や唐揚など、脂質や油分の多い食べ物は避けるのがいいでしょう。
特にお菓子は消化に悪いです。柑橘類や炭酸飲料なども腸を刺激し、下痢を悪化させます。また食物繊維豊富で腸に良いといわれているごぼうや芋なども、腸の動きを活性化さえることで下痢を増長させることがあります。注意してください。
ノロウイルス対策でおすすめは「ヨーグルト」
腸に良いと言われているヨーグルトです。
ヨーグルトには乳酸菌が含まれており、これが腸の中で善玉菌として働くことによって、腸の修復や炎症の軽減に役立ちます。
特にラクトフェリンという成分が入っているヨーグルトがおすすめです。ノロウイルス対策で注目を浴びていますね。
この成分は、母乳や牛乳に含まれているたんぱく質でビフィズス菌を増やす働きがあります。
食事ができるまで回復したら、
おかゆなど消化吸収のいいもの、ビタミン・ミネラル豊富な緑黄色野菜、りんごなどの整腸作用のあるものに加えて、ヨーグルトを摂るのもいいかもしれません。
最後に
どうして治療法がないか、どうしたら治るのか、ノロウイルスについて少し理解していただけたでしょうか。
ノロウイルスになったら、市販の下痢止め薬は厳禁。水分補給をしながら自然治癒を待つのがよいよいです。
なってしまったら辛いノロウイルス。なる前にならない努力も必要ですね。
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