夏の咳が止まらない5つの原因とは?

夏に咳が長期間止まらなくて苦しいという症状を体験したことはありませんか?

夏風邪と夏の咳は冬にひく風邪と同じようにウイルスが体内に侵入してかかりますが、冬の風邪と違いウイルスが高温多湿を好み長引く傾向があります。

梅雨の中頃から段々と感染する人が増え、7月頃にはピークをむかえます。

夏の咳が止まらない2つの主な原因は「夏バテ」と「冷房による寝冷え」です。
夏バテにより食欲が減るので免疫機能は落ちますし、冷房は空気の乾燥と外との気温差で体が弱っています。

夏の咳は自分ではただの風邪だと思っていたら、思わぬ大病が隠れている可能性もあります。
咳が一週間以上続いていたら、急いで内科を受診しましょう。

今回は、夏の咳が止まらない5つの原因とは?についてご説明します。

目次

止まらない夏の咳

夏の咳が止まらない5つの原因とは?

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夏風邪と似た夏の咳の出る病名はこの5つです。

  1. 細菌性肺炎
  2. 結核
  3. マイコプラズマ肺炎
  4. 夏型過敏性肺炎
  5. 咳喘息

それぞれ見ていきましょう。

1. 細菌性肺炎

原因は、一般には肺に慢性の病気のある人や、日常的にタバコを吸う人がかかりやすい肺炎です。また、アルコール依存症や糖尿病の患者さん、高齢者がかかりやすい肺炎でもあります。
細菌は、肺炎球菌・インフルエンザ菌などです。

症状は、細菌が気管支炎を起こし、気道を通って肺まで病原菌が入り込んでしまい、重症化しやすいので危険な状態になってしまいます。

発熱、咳(せき)、膿性(のうせい)の痰がみられ、それに加えて胸痛がみられることもあります。また、呼吸数や脈拍の増加がみられます。
重症になると、呼吸困難、チアノーゼ、意識障害がみられ、緊急に治療を開始する必要があります。

また、高齢者の誤嚥(ごえん)を原因とすることが多いと考えられています。誤嚥には明らかな“むせ”のみられる場合もありますが、気づかないで気道のほうに口腔内容物が流入していることも多いといわれています。

誤嚥の起こりやすい人として、脳血管障害(脳出血、脳梗塞(のうこうそく))の既往歴のある人、寝たきりの人、神経疾患にかかっている人などがあげられます。

2.結核

原因は、飛沫感染・空気感染する力を持つ「結核菌」が、感染者の咳・くしゃみなどの飛沫や、空気中に漂う菌を吸い込むことで、呼吸器から感染します。

感染する部位は主に肺なので、一般的に「結核」というと、ほとんどが「肺結核」を指します。

症状は、初期はカゼと似ていますが、せき、痰(たん)、発熱(微熱)などの症状が長く続くのが特徴です。また、体重が減る、食欲がない、寝汗をかく、などの症状もあります。

さらにひどくなると、だるさや息切れ、血の混じった痰(たん)などが出始め、喀血(血を吐くこと)や呼吸困難に陥って死に至ることもあります。特に高齢者の人は結核にかかりやすいので、注意が必要です。

3.マイコプラズマ肺炎

原因は、「マイコプラズマという菌」が肺に感染しておこる病気です。

しつこい咳と、頑固な発熱が特徴です。

肺炎という名の割には、聴診器で呼吸音を聞いても異常がなく、外見だけではわかりにくい肺炎です。
大体が、外来治療で治りますが、近年、薬の効きにくいマイコプラズマ肺炎も増えてきており、注意が必要な病気です。

症状は、幼児から成人まで幅広い年齢層でかかりますが、学童期、青年期によくみられます。
幼児では肺炎にまで進むことは少なく、カゼ症状くらいで治ることが多かったのですが、最近は幼児でも肺炎が見られるようになってきました。

一度かかっても十分な免疫ができないため、何回もかかかることがあります。

潜伏期間が2~3週間と長いので、周囲にマイコプラズマ肺炎にかかった人がいたら、感染しないように注意しましょう。

普通の肺炎では、聴診器で効くとゼロゼロした痰が絡むような音が聞こえるのですが、マイコプラズ肺炎は、ゼロゼロした音が出てこないのです。

ただし、経過が長びくと、炎症が気管支や肺胞にも広がって、ゼロゼロした音が聞こえるようになります。

そのほか、中耳炎、副鼻腔炎などもみられることがあります。また、いろいろな発疹が見られることもあります。稀な合併症として、一時的ですが心臓に異常が見られることがありますが、短期間で治ります。

4.夏型過敏性肺炎

原因は、夏場増えてしまう、家の中にある「カビ」が原因でアレルギー反応を引き起こし、肺炎になってしまう病気です。

この病気は、病院でも、風邪と判断されてしまうケースがあること、また子供もかかりやすい病気であるため、親子で感染してしまうこともあるので注意が必要です。

夏風邪と間違いやすいので、夏型過敏性肺炎にかかっている自覚はまったくないという方が大半かもしれません。

エアコン・お風呂場・洗濯機に注意!

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たとえばエアコンの中にたまったほこりにカビが生えていたり、お風呂場のカビ、洗濯機の中に生えてしまったカビなど、家の中にはカビがたくさん存在しています。そのカビが夏の高温多湿の中で、繁殖源になっています。

夏場はとくに家の中の掃除を徹底的に行う必要があります。

症状は、一度夏型過敏性肺炎になってしまうと、咳が頻繁に出るようになり、止まらなくなることもあります。

子供の場合だと夏休みに自宅で過ごすことが多くなるので、余計に症状がひどくなってしまう傾向があります。毎年夏になると、咳がずっと続く方は、特に要注意です。

一度アレルギーが出てしまうと、ハウスダストなど、さまざまなものに対してアレルギー反応がでてきます。

5.咳喘息

原因は、「室内外の温度差」「日常的にタバコを吸う人」「たばこの煙を吸う受動喫煙」「運動」「飲酒」「ストレス」などのほか、「ホコリやダニ」などのいわゆるハウスダストが発作の要因になるといわれており、患者数は年々増加しています。

この病気は、特にアレルギーのある人に多いとされています。アレルギー反応によって、気道が炎症を起こしてしまうためです。

風邪を引いた後、咳が続く場合

風邪に併発して起こることが多く、風邪を引いた後に2~3週間以上、咳が続くことがあれば、咳喘息の可能性があります。女性に多い傾向があり、しばしば再発を繰り返します

風邪は治ったはずなのに、咳はちっとも治まらない、といったような状態が数週間続いたら、それは咳喘息かも知れません。

症状は、空咳が続きます。慢性的に咳が続く気管支の病気です。一般的な喘息と同様、気道が狭くなり、いろいろな刺激に対して過敏になって、炎症や咳の発作が起こります。

しかし 喘息の特徴でもある、ヒューヒュー、ゼーゼーという呼吸の苦しさはないようです。

空気の温度差によって咳が出たり、明け方に咳込むことが多いのが特徴で、発熱があることは、あまりないようです。
咳喘息から喘息になるケースもあるので、きちんと治療することが大切です。

最後に

以上夏の咳が止まらない5つの原因について説明しましたが、大切なのは「夏バテ」と「冷房による寝冷え」をしないように体調管理を心がけることと、家の中の「布団干し」「掃除機かけ」「エアコンの中にたまったほこりの掃除」「お風呂場のカビ取り」「洗濯機の中のカビ取り」などにホコリ・ハウスダスト・カビが生えないように掃除を行う習慣を付けることが必要です。

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