毎年お盆を過ぎてセミが鳴き始め、暑さのピークもすぎて秋っぽい空気になり始めるとちょっと寂しい気持ちになりますよね。
日が短くなるにつれて気分の落ち込みが強くなっていきます。
やる気が出なくなったり、無性に人恋しくなったり、悲しくなったりするだけでなく、寝過ぎてしまったり、食べすぎて体重が急に増えたり、という症状も出ることがあります。
こんな症状は私だけ?私は自分に甘いんだろうか・・?
などとつい自分を責めてしまいそうですが、秋にそんな気持ちになるのは気候の変化とも関係があるようです。
決して特別なことではなく誰にでも起こりうることなので、ちょっと生活リズムを意識することで解決できそうです。
今回は、秋に心の不調が起こる原因や予防法についてご説明します。
9月病
「9月病」とは
年度が変わった後の5月頃、心身の疲れから抑うつ症状の出る「五月病」のことは聞いたことがあるかもしれません。「五月病」は新入生や新入社員が、環境の変化に順応しきれず発症することの多い病気ですが、それに対し、お盆明け頃から不調になる病気を「9月病」と読んでいます。
9月病の症状として、
- 集中力が落ち、やる気が出ない
- 思考力が低下
- 無気力
- 食欲不信
- 眠れない、起きられない
- 不安感
- 焦りやイライラ
などがあります。
「9月病」の原因
夏休み明けの9月は、長い夏休みが終わり生活ペースが変わることによる不安・ストレスや、急な気温の変化により自律神経の働きが追いつかないことなどが原因で起こる心身の不調のことです。
「自律神経」って何?
身体の機能を自然に調節している神経で、暑いときは体内の熱を放出させるために末梢の血管を拡張させて汗を出し、体温が上がりすぎるのを防ぎます。
「9月病」の予防や注意点
9月病の予防には次のことを意識して、生活リズムを整えることが大切です。
- 規則正しい生活(食事、睡眠)
- 適度な運動
夜更かしを避けて毎日同じ時間に就寝して、同じ時間に起床することを心がけることでリズムが整います。
朝ごはんを食べることも自律神経を整えるために欠かせないことです。そこへ更に、適度な運動も取り入れることでメリハリのある生活リズムとなり、良質の睡眠にも繋がります。
9月病の注意点
9月病が長引くと本格的なうつ病を引き起こすこともあります。
生活習慣を改善しても症状が2週間以上続く場合は、早めに心療内科や精神科を受診してください。
秋うつ病
季節性うつ病は、毎年同じ時期になると繰り返すことが特徴で、一番多いのは「冬季うつ病」です。
季節性うつ病は、新学期や入社・転勤シーズンの春や、気候が不安定な梅雨時、暑さが身体へのストレスとなる夏の時期に発症するものなどもあります。人によってその時期は異なるようです。
「秋うつ病」とは?
「秋うつ病」は季節の変わり目、10月頃から発症する「季節性うつ病」の一つです。
うつ病というと自分は縁遠いと感じる方も多いと思いますが、実は季節性うつ病は誰にでも起こりうるものです。
よくある症状として、
-
- 気分が落ち込む
- 集中力が落ち、やる気が出ない
- 寝過ぎてしまう
- 食べ過ぎで体重が増加する
などがあります。
倦怠感や寂しさ、悲しさ等だけでなく、過眠や過食にも現れることが「秋うつ病」の特徴です。
では、その症状を引き起こす原因についてもみていきましょう。
「秋うつ病」の原因
秋うつ病は、脳内のセロトニンの量が不足することで起こります。
秋は、夏から冬にかけて気温が徐々に下がるり日照時間も短くなる季節です。
セロトニンは日光に当たることで分泌が促されるので、日照時間の減少がその分泌量に影響すると言われています。
「セロトニン」って何?
セロトニンは脳内神経伝達物質の1つで、喜びや快楽などをもたらすドパミンと、ストレスを減らそうと働くノルアドレナリンとのバランスを調整し、気持ちを安定させる役目があります。
「秋うつ病」の予防と注意点
秋うつ病の予防には、次のことに注意しましょう。
1. 朝日を浴びる
「朝日を浴びる」ことは、セロトニンの分泌を促します。
朝起きたら暗い部屋で過ごさずに、カーテンを開けたり、部屋の蛍光灯を点けて明るくしましょう。
2. 朝食を食べる
朝食を食べることで眠っていた脳や体が目覚めます。
また咀嚼がセロトニン分泌を促すので、朝食は抜かずにきちんと食べる習慣をつけましょう。
3. 適度な運動
適度な運動もセロトニン分泌を促します。
特にジョギングやウォーキング、水泳などのリズム運動が効果的です。
4. バランスの良い食事
セロトニン分泌促進には栄養バランスの良い食事も大切です。
セロトニンを増やすおすすめの食べ物
- 豆腐や豆乳、納豆、きな粉、しょうゆ、味噌などの大豆製品
- スキムミルクや牛乳、チーズなどの乳製品
- マグロやカツオなどの赤身魚
- バナナ
- レバー
- ナッツ類
- 鶏肉
5. 規則正しい生活習慣
毎日同じ時間に就寝して、同じ時間に起床することを心がけることでリズムが整います。
夜更かしをしてリズムを崩さないよう気をつけましょう。
秋うつ病の注意点
秋うつ病をそのままにしておくと悪化し、本格的なうつ病を引き起こすことがあります。
生活習慣を改善しても症状が2週間以上続く場合は、早めに心療内科や精神科を受診してください。
最後に
気分の落ち込みや集中力の低下など、メンタルの不調は見過ごされがちですが、身体の不調と同様に放っておかず早期の治療がとても大切です。
初めての心療内科や精神科での診察は、少し躊躇してしまうこともありますが、ネット時代の今は風邪と同じくらいよくある病気です。
生活リズム改善で症状が変わらない場合は、早めに受診をするようにしましょう!
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