国際的な診断基準では、100種類以上の頭痛があります。
ありふれた症状である頭痛は、風邪の引き始めから、二日酔い、そして命の奪う恐ろしい病気までありますので、代表的なものを調べてみました。
ここでは、右後頭部の痛みの原因について紹介します。
右後頭部の痛みの原因とは?
右後頭部の痛みの原因はこの4つの可能性があります。
- 慢性頭痛
- 脳卒中
- 髄膜炎
- 脳腫瘍
それぞれ見ていきましょう。
慢性頭痛
概要
代表的な慢性頭痛には「片頭痛」「群発頭痛」「筋緊張性頭痛」の3つがあります。
その中でもストレスから起きる筋緊張性頭痛が最も多く、頭痛を訴える患者さんの半数が筋緊張性頭痛だと言われ、女性が8割を占めています。
群発頭痛は若いエネルギッシュな男性に多く発症します。
慢性頭痛で右後頭部が痛む原因
慢性頭痛の原因は頭蓋内(ずがいない)ではなく、外からの刺激、
例えば、
天気・光・音・外レス・過労・睡眠不足・首や肩の凝り・血行不良・ホルモンバランスなど多岐にわたって、
脳へ情報が送られます。
その情報が脳を興奮状態に陥らせ、血管を拡張したり収縮したりして頭痛を引き起こします。
症状
・「ズキン・ズキン」「頭を締め付けられる」「目の裏側をえぐり取られる」ような頭痛
・めまいやフラツキ
・嘔気や嘔吐
・耳鳴り
・眼精疲労
・首や肩に強い凝り など
何科?治療法は
頭痛が酷い場合には、脳神経外科受診となります。
耳鳴りやめまいの方が辛い場合には耳鼻科の方が良いでしょう。
治療については、症状に合わせ内服薬が処方されます。
自分での対処
多くの場合は、疲労やストレスが原因となっていますので、休息と安眠が優先となります。
同じ姿勢を保っているデスクワークの方は、首や肩に血行不良を起こし、乳酸が貯まっている事が考えられますので、そういう場合には、軽いストレッチが効果的です。
慢性頭痛の注意点
「片頭痛」「群発頭痛」「筋緊張性頭痛」はそれぞれ特徴があります。
・片頭痛
思春期から中高年の女性に多く、月経周期に影響されています。
・群発頭痛
ヘビースモーカー・酒豪・女好き・休日も活発に活動している若い男性に多く、一度発作が起きると1~2ケ月位の間、毎日ほぼ同じ時間に激痛が走ります。
・筋緊張性頭痛
長時間の運転やデスクワークの後に起きる頭痛で、慢性化すると治りずらいとも言われています。
自分は、どのタイプの慢性頭痛なのかを理解する事で、日常生活を工夫し頭痛を起こりにくくすることが可能となります。
脳卒中
概要
脳卒中とは「脳出血」「脳梗塞」「クモ膜下出血」などの脳血管障害の総称です。
脳内の血管が詰まったり、破れる事で、脳に酸素と栄養を送れなくなり結果として、脳神経組織が死んでしまいます。
脳卒中で右後頭部が痛む原因
脳内で浮腫が起きる事で、神経を圧迫して頭痛が起きます。
脳は普段、硬い頭蓋骨(ずがいこつ)で守られていますが、一旦浮腫が起きてしまうと腫れた部分を分散させることが困難となり、
頭痛だけにとどまらず、意識消失や呼吸抑制など命の奪う様な重篤な状態になる場合があります。
症状
・頭痛
・嘔気や嘔吐
・手足のの麻痺
・痙攣(けいれん)
・意識消失
・呂律が回らなくなる(うまくしゃべれなくなる)
何科?治療法は
脳卒中になった場合は、脳神経外科に迷わず行って下さい。
発見が早ければ、治療が可能です。
自分での対処
脳血管障害は、急に発症するイメージがありますが、実は生活習慣により毎日の積み重ねで起きたと理解した方が良いです。
・暴飲暴食
・喫煙
・飲酒
・肥満
・脂質異常症
・高血圧症
・糖尿病
・動脈硬化症
自覚のある方はまずは生活習慣の見直しを行いましょう。
脳卒中の注意点
脳卒中は、最悪命を落とします。
小さな脳梗塞であれば、日常生活にあまり支障を来さないため、気付かない場合がありますが、何度も繰り返し発症する事で障害の程度が重症化して行きますので、普段からの健康管理が重要となります。
生活習慣病を指摘されている方は特に注意が必要です。
髄膜炎(ずいまくえん)
概要
髄膜炎とは、脳や脊椎を覆っている保護膜(髄膜)が炎症を起こした状態を言います。
普段は無菌状態の髄液内に、体の免疫力が低下したタイミングで細菌やウイルスなどが侵入し発症します。
髄膜炎で右後頭部が痛む原因
炎症により髄膜が刺激された状態となり、激しい頭痛を伴います。
風邪の初期症状にもよく似ている為、診断を誤ってしまう事もありますが、放置すると後遺症が残る恐ろしい疾患です。
症状
・激しい頭痛
・頚部硬直(うしろに反りかえる様な姿勢になる)
・倦怠感
・高熱
・嘔気や嘔吐
・意識障害
・痙攣(けいれん)
何科?治療法は
子供の場合は、小児科受診となります。
意識障害などが起きている場合には脳神経外科の受診の方が良いです。
成人の場合は、内科でも脳神経外科でもどちらでも治療は出来ますが、意識障害がある場合には脳神経外科受診をして下さい。
髄膜炎は感染症なので、原因菌により使う薬が変わります。
自分での対処
髄膜炎を予防するには、体の免疫力を低下させないという事が大事です。
不規則な生活を見直し、特に風邪などを引かない様に心掛けましょう。
髄膜炎の注意点
髄膜炎には、「細菌性髄膜炎」と「無菌性髄膜炎」とあり、無菌性髄膜炎は軽くすみますが、細菌性髄膜炎になってしまうと、意識障害や脳炎などの合併症を招きやすく、後遺症も残る場合があります。
首の硬さがあった場合には、髄膜炎を疑いすぐ受診しましょう。
脳腫瘍
概要
脳腫瘍は頭蓋内に出来る腫瘍の総称で、肉芽腫(にくげしゅ)から血管奇形なども含まれています。
脳腫瘍はあらゆる年齢層に発症はしますが、60歳以上と2歳以下には少なく、40~50代と小児に多いのが特徴です。
脳腫瘍で右後頭部が痛む原因
腫瘍により神経が圧迫され、痛みを伴います。
脳腫瘍は腫瘍の出来る場所により、様々な痛みや症状を引き起こします。
頭痛よりも恐ろしいのは、呼吸抑制や四肢の動きを抑制してしまう事です。
ネット上で右後頭部が痛む人の悩みの声
今日夕方頃に、仕事中(デスクワーク、パソコン)突然後頭部がズキン!と痛み、(最近、たまにありましたが、今回と違い、数分で痛みは収まっていました。)
ズキン!… ズキン!… ズキン!といった感じで、ズキン!
という痛みは、間隔は割とゆっくり5秒に一度位のペースでズキンと痛み、トイレに行き、尿をする際に力をいれたら、同じく後頭部の中心にズキン!と、きました。
ネットで調べたら、脳梗塞 等出てきて怖くなりましたが、痺れや、気持ち悪くなったり等はなく、2時間前にイヴを飲みましたが、今も鈍い痛みが、後頭部ではなく、頭の上が痛みあります。
これは、何なんでしょうか…脳梗塞等、とても怖いです。
どなたか、医療関係者様など、脳神経に詳しい方、教えて下さい。
宜しくお願い致します。
今も又、ズキン!と痛みが来ています。頭痛薬も効かず、じゃっかん、頭がボーっとしてます。
ご飯は普通に食べられました。
■看護師ライターさんの回答
日本人は特に頭痛が多いのですが、病気のサインや体が疲れていますよという警告だと受け止めた方が良いです。
何も無ければ、痛みという形で出ませんので。
脳神経外科の先生や、大きな病院の先生は、今にも死にそうな方ばかり診察していますから、
「歩いて受診できる」とか「ご飯は食べられる」というだけで、「命には別状ないから大丈夫」と言って詳しくは診てくれないかもしれませんね。
脳梗塞、確かに心配ですよね。
でも、突然、脳梗塞になる訳では無いんですよ。
普段の生活習慣により、病気は作られていますから、日々の生活を健康的に過ごせば、かなりのリスクを回避できます。
・ストレスは程々か?
・睡眠時間は妥当か?
・休息は取れているか?
・暴飲暴食はしていないか?
・ヘビースモーカーではないか?
・適度に体を動かしているか?
自分の生活を振り返って見て下さい。
頭痛はとても辛いんですけど、生活習慣から来ているものであれば、案外と簡単に解決出来るものもあります。
ただ、命のかかわるのかどうか?という所はしっかりとおさえておきましょう。
・バットで思いっきり後頭部を殴られた様な痛み
・意識消失
・痙攣(けいれん)
・激しい頭痛と嘔吐
・物が2重に見える
このような症状が伴った時には、脳内に異常を来している証拠ですので、急いで受診した方が良いです。
最後に
風邪の引き始めや、睡眠不足・二日酔いなどで、多くの方が頭痛を経験していると思いますが、一時的なものと慢性的な頭痛とありますので、
原因がはっきりしない場合には、一度専門医に相談する事をお勧めいたします。