大人になっても鼻血が頻繫にでるヒトはいませんか？何か悪い病気にかかってしまったのではないかと不安に思ってしまいますよね。
ここでは鼻血が頻繁にでる原因、症状、治療法、対処法、注意点についてご説明していきます。
鼻血が頻繫に出る原因は？
鼻血が頻繫に出る原因はこの「７つ」の可能性があります。
- 高血圧・動脈硬化
- 糖尿病
- 白血病
- 上咽頭線維腫
- 鼻腔がん・副鼻腔がん
- 血小板減少症
- 特発性血小板減少性紫斑病
それぞれ見ていきましょう。
高血圧・動脈硬化
概要
ポタポタではなく大量出血の鼻血が出やすいです。
高血圧・動脈硬化で鼻血が毎日出る原因
高血圧のヒトは鼻血がとても出やすくなります。血圧が高いと血管には常に負担がかかっており、ちょっとしたことで鼻のキーゼルバッハ部位にある毛細血管が切れやすくなって鼻血が出やすくなってしまうためです。
また高血圧が原因で起こる動脈硬化のヒトは、血管が劣化して弾力性が失われているため、鼻腔（鼻の穴の中）より奥にある動脈が切れやすくなり、大量出血の鼻血が出ることもあります。
症状
誰にでもよくある普通の鼻血は鼻腔の入口にある毛細血管からの出血なので出血量はそれほど多くありません。
しかし高血圧・動脈硬化の人が起こす鼻血は、鼻腔の奥にある動脈からの出血が原因で起こりやすくなるため、大量出血してしまいます。
普通の鼻血はポタポタ垂れる程度で10分以内には自然に止まりますが、高血圧・動脈硬化の鼻血は鮮やかな鮮血が勢いよく出血してなかなか止まりません。また出血量が多いと鼻と口は繋がっているので、口から鼻血があふれて出てくることもあります。
何科？治療法は
内科を受診しましょう。治療法は、病院で高血圧・動脈硬化を指摘された場合は、規則正しい食生活や生活習慣を心がけ、必要に応じて永続的な薬物療法などの治療を受けます。
自分での対処
30代以上の人は定期健康検診を受けたり家庭で血圧を測定する習慣をつけたりして、自分の血圧を把握することをおすすめします。
以下のヒトは高血圧になりやすいので気を付けましょう。
・塩分の多い食事を好む
・大量のお酒を吞む、またはタバコを吸う習慣がある。
・毎日多忙で体にストレスを抱えて疲れがちである。
・普段から頭痛・ふらつき・めまいを感じてしまう。
・肩がとてもこりやすい。
・肥満体型である。
・高血圧の家系がある。
高血圧・動脈硬化の注意点
すでに高血圧と診断されている人は血圧が急上昇した時に動脈に強い負担がかかり、鼻血が出やすいので、日頃から血圧の安定を心がけましょう。
特に動脈硬化のある人は血管がもろくなっているため、鼻血が出た場合、動脈が破れて大量出血の恐れがあるため、急に大量の鼻血が出てしまった時は、迷わずに病院の救急外来を受診するようにしてください。
糖尿病
概要
糖尿病は、血糖値をコントロールするホルモン「インスリン」が正常に分泌されなくなるために血糖値が常に高い状態となり、血管障害をはじめとする、様々な合併症を引き起こしてしまう内分泌系の病気です。
糖尿病で鼻血が毎日でる原因
すでに高血糖または糖尿病と診断されている人で鼻血が出やすくなった場合は、血糖値の上昇が続いて血管障害が出やすくなっている状態ですので、糖尿病専門医師の指示のもとで毎日の血糖値をしっかりコントロールする必要があります。
症状
鼻血は糖尿病の合併症のひとつです。高血糖が続くと毛細血管に障害が起こり、鼻血が出やすくなります。
糖尿病で鼻血が出る人は、次のような合併症も起こりやすい状態になっているので、注意しましょう。
・歯茎からの出血・歯周炎
・動脈硬化
・末梢神経の障害
・自律神経の障害
何科？治療法は
内科の糖尿病外来を受診しましょう。治療法は定期的な血圧、体重、血液検査、尿検査、体の部位の症状の検査が行われ、症状に応じて内服薬が処方されます。
高血糖が続き、糖尿病になってしまい、インスリンの分泌が少なくなってしまった場合は、定期的なインスリン注射も必要になってきます。
自分での対処
血糖値が高く糖尿病を発症する可能性のある「糖尿病予備軍」も大勢いると推測されています。糖尿病は日本の国民病になりつつある状態です。
高血糖を防ぐには日頃から暴飲暴食を控え、栄養バランスのとれた食事を摂ることです。
糖尿病の注意点
糖尿病が恐ろしいのは以下のことがあります。
・病気そのものに痛みが無いので、症状に気付きにくい。
・進行するとインスリンを分泌する機能が失われてしまい、一生涯糖尿病の治療が必要になる。
・血管障害によって、腎臓病、失明、壊死など、全身にさまざまな合併症が起こる。
白血病
概要
白血病は、骨髄でがん化して増殖した造血細胞が血液中にあふれ出て血液の正常な機能を失ってしまう病気で、「血液のがん」です。
白血病で鼻血が毎日でる原因
出血しやすくなる、出血が止まりにくくなるのは、血液中の血小板が不足することにより、破れた血管を修復する機能が低下しまうためです。
鼻の粘膜は傷つきやすいことから、白血病を発症すると頻繁に出血が起こるようになります。
さらに白血病が進行すると血液やリンパ液中のがん細胞が臓器にまで転移し、脾臓や肝臓の腫れ、骨痛、頭痛などが起こすようになります。
症状
白血病を発症すると、鼻血、歯茎の出血、青あざが増えます。
通常の鼻血は10分以内に止まりますが、白血病の鼻血は一度出るとなかなか止まらず、出血量が多くなってしまうのが特徴です。
何科？治療法は
血液内科を受診しましょう。
治療法は、急性白血病は進行が早いため、すぐに専門的治療が必要な病気です。また慢性白血病は進行に数年かかるものの初期に自覚症状が乏しく、気づいた時には既に進行している場合があります。
自分での対処
粘膜からの出血が頻繁に起こり、風邪のような症状や倦怠感を伴うような状態が続いたら、通常の風邪とは違います。鼻血の原因を早く特定するため、すぐに血液内科を受診しましょう。
白血病の注意点
定期的に健康診断を受けて血液検査をすること、また、白血病の自覚症状がある場合には、すぐに血液内科を受診することが大切です。
上咽頭線維腫
概要
若い男性は鼻血が出やすく、そのほとんどは鼻の粘膜の傷が原因で心配いりません。しかしまれに「上咽頭線維腫」という病気が原因となっている場合があります。
上咽頭線維腫で鼻血が毎日でる原因
上咽頭線維腫は、上咽頭（鼻の奥と喉の境目）にできる良性腫瘍です。「若年性上咽頭繊維腫」「鼻咽腔血管線維腫」という病名が付く場合もあります。
原因は思春期に発症しやすいことから性ホルモンが影響している考えられています。
腫瘍が成長してしまうと、周辺の器官や脳を圧迫するようになるため、摘出手術が必要になってきます。
症状
上咽頭線維腫のヒトは、子どもの頃から鼻血がよく出たり片側の鼻が詰まったりすることが多いです。
腫瘍の進行はゆっくりですが、腫瘍が成長するにつれ鼻血の出る回数が増え出血量も多くなります。
腫瘍が頭蓋内に進展するほど大きくなってしまうと、脳が圧迫され、重篤な場合は呼吸障害や意識障害が起こるようになります。
さらに腫瘍が大きくなっていくと下記のような症状が起こるようになります。
・両側の鼻が詰まる感じがする。
・耳のふさがった感じがする。
・滲出性中耳炎による難聴が起こる。
・眼球が突出する。
④何科？治療法は
耳鼻咽喉科を受診しましょう。治療法は、内視鏡、CT、MRIなどで腫瘍の全体像が確認できたら、腫瘍を摘出手術することになります。
自分での対処
上咽頭線維腫は自然治癒はしないので、早めに耳鼻咽喉科を受診しましょう。
上咽頭線維腫の注意点
思春期の男性が鼻血を繰り返すようになったら、念のため耳鼻咽喉科を受診しましょう。通常の鼻血ではなく、まれに悪性腫瘍が見つかることもあります。
鼻腔がん・副鼻腔がん
概要
鼻の癌（鼻腔がん・副鼻腔がん）でも鼻血が出ます。
鼻腔がんは鼻腔に、副鼻腔がんは副鼻腔（鼻腔の周辺にあるいくつかの空洞）にできる癌です。
症状
・鼻水に血や膿が混ざる。
・鼻が詰まってしまう。
・鼻の中がただれる。
・上の歯に痛みが起こる。
・耳の奥に痛みが起こる。
・顔の神経がチクチクと痛む。
・頭痛がしてしょうがない。
・進行した場合、眼球が突出する・物が二重に見える。
血小板減少症
概要
医薬品による副作用で起こる病気です。
症状
鼻血の症状が見られる場合、血液の凝固、止血に必要な、血小板の数が少なくなってしまう血小板減少症にかかっている可能性があります。
また薬の服用によって以下の症状もみられます。
•皮膚に青あざができている。
•手足に点状の出血がみられる。
•歯茎から出血する。
•女性の生理がやたら長引く。
•便や尿に血液が混じる。
特発性血小板減少性紫斑病
概要
難病指定の「特発性血小板減少性紫斑病」は、薬の副作用や他の病気が無いのに、鼻血などの出血が起こりやすくなる病気です。
症状
以下の症状がみられる場合は特発性血小板減少性紫斑病を疑って血液内科を受診しましょう。
・歯茎から出血する。
・女性の生理がやたら長引く。
・便や尿に血液が混じる。
・重症の場合は脳出血もあり得る。
鼻血の応急処置
急な鼻血で応急処置をする際の方法をご説明します。
正しい応急処置
- 座って少しうつむいて小鼻を親指と人差し指でつまみます。5分～10分程度で止血できます。
- 同時に鼻を冷たいタオルや氷嚢で冷やすと血管が縮み血が止まりやすくなります。
もし気分が優れず起き上がった状態でいられない場合は、低めの枕で横向きに横になるようにしましょう。その際、仰向けにならないようにします。
NGな応急処置
昔からよく巷で言われるような次の鼻血の対処法は、実はやってはいけない行為なので注意しましょう。
- 上を向かない・仰向けもＮＧ！
上を向くと血が止まりにくくなってしまいます。また血が喉をとおって飲み込んでしまうことで、気持ち悪くなって吐いてしまう場合もあります。 - 鼻にテッシュを詰め込む
ティッシュを鼻の中に詰めることは、粘膜を傷つけてしまうのでお勧めできません。またテッシュを取る時に、固まった血ごと取ってしまいまた出血してしまうことがあります。固まった血で止血しているわけですね。ティッシュを使用する場合は、鼻の外に出る鼻血を拭き取る程度にしましょう。 - 首の後ろをたたく
医学的根拠もなく意味がありません。止血しずらくなることもありますのでやめましょう。
ネット上で鼻血が毎日でる人の声
鼻血が毎日でる！で悩んでいるのはあなただけではない！
インターネット上でこのような悩みを見つけました。
お悩み
毎日鼻血が出ます
酷い時は両鼻から…最近は主に右なんですけど鼻をつまんでても止まらず口側に流れそうになり気持ち悪いので緩めてしまいティッシュ1枚真っ赤になってようやく止まる感じです。、
前は1日に1回あるかないかだったんですが酷いときだと2.3回出ます。
病院に行った方がいいでしょうか。
お返事
毎日鼻血がでるのはとても心配ですね。
文面では性別や年齢が解らないので、可能性がある病気はこれかもと、断言できませんが、毎日でる鼻血には隠れた病気も沢山ありますから、もし私なら一度耳鼻咽喉科を受診して鼻の症状を診てもらい、異常が無いと言われたら、内科、または血液内科を受診してみます。
一日も早く鼻血が止まると良いですね。
最後に
鼻血が毎日でる原因は、７つあることがよく分かりましたね。
毎日鼻血が出る原因を突き止めるには
・高血圧かどうかをチェックする。
・糖尿病外来の内科を受診する。
・血液内科を受診する。
・耳鼻咽喉科を受診する。
以上のことが大切です。
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