「喉が痛い」と言えば、「扁桃腺が腫れたんだよ」と、説明されますが、実際に痛みが出ている所がどこなのか?というと上手く説明が出来なかったり、場所がどこなのか?知らない方が多いようです。
ここでは、扁桃腺の場所を紹介しています。
扁桃腺の場所はどこ?4つある!
扁桃腺の場所が一発でわかる動画 (00:20~)
私たちが「扁桃腺が腫れた」と言って、口を大きく開けると赤く見えるところが「口蓋扁桃」という部分です。見た目がアーモンドに似ているので、よくよく見ると分かります。
その他に咽頭扁桃・耳管扁桃・舌扁桃で4つあります。
咽頭扁桃
咽頭扁桃は上顎(上部)に位置しており、鼻から空気を吸うと喉の壁にぶつかりますが、その部分にあります。
アデノイドと呼ばれている部分です。
耳管扁桃と舌扁桃
耳管扁桃はやや斜め上で場所は耳の方角、舌扁桃は舌の付け根(奥)にあります。
口を大きく開けると、輪を描くように扁桃が並んでいるという事になります。
上は咽頭扁桃、舌は舌扁桃、横には口蓋扁桃、咽頭扁桃と口蓋扁桃の隙間を埋める形で耳管扁桃があります。
扁桃腺の役割は?
扁桃腺の正式は呼び名は「扁桃」ですが、一般的には扁桃腺という方が分かりやすいので、あえて訂正はしません。
扁桃腺の役割は、鼻や喉から侵入して来た病原菌に対し、一番最初に防御機構として働く場所です。この扁桃腺がなければ、容易に体の中に病原菌の侵入を許してしまうという事になります。
主力の免疫として、病原菌の侵入を拒むために活性化し、熱による攻撃をしかけます。
扁桃腺はなぜ腫れる?
扁桃腺はリンパ組織で粘膜の為、炎症を起こすと容易に充血した状態になります。
体内に侵入した病原菌を退治するために、総力あげて白血球が集まります。腫れているのは、集まった血液成分が血管の外にあふれたためです。(血管が広がり充血)
そして、戦って死滅した白血球は、扁桃腺に貯まります。
扁桃腺の病気
急性扁桃腺炎
ウイルスや細菌などによる感染で、一時的に扁桃腺部位に炎症を起こしたものを言います。
症状
・扁桃腺の炎症
・高熱
・嚥下障害
・喉の痛み
・倦怠感 など
治療
・抗生剤投与
・症状に対する薬の服用
・加湿
・安静
・うがい など
慢性扁桃腺炎
急性扁桃腺炎から慢性化するものと、急性扁桃腺炎を繰り返している事で、過剰に免疫反応を引き起こしてしまうものとあります。
症状や治療については、急性扁桃腺炎と同様ではありますが、急性扁桃腺炎よりも軽く済む事が多いです。
扁桃病巣感染症
扁桃腺炎が原因で、他の臓器に違う病気を引き起こしてしまう場合を言います。
皮膚疾患や、関節疾患、腎臓疾患などがあり、扁桃腺が原因であると判明した場合は手術で扁桃腺を取り除く事が検討されます。
扁桃腺肥大
ある程度の年齢に達すると、免疫システムが完成して来ますので、扁桃腺が段々と小さくなって行きますが、中には扁桃腺炎を繰り返した為、小さくならずに大きいままで、成人になってしまう人がいます。
生れ持った体質にも影響しているようですが、扁桃腺肥大の場合には「空気の通り道が常に狭い状態」ですので、「呼吸がしずらい」「食べ物を飲みにくい」などが起き、日常生活に支障を来す場合があります。
そのような症状がある方は、扁桃腺切除を勧められます。
それ以外で扁桃腺が腫れる病気
細菌やウイルス感染でなく扁桃腺炎を起こす場合があります。
・免疫力の低下
・アレルギー
・自己免疫疾患
・舌癌・扁桃癌
・睡眠時無呼吸症候群
・蓄膿症 など
扁桃腺は体を守る為に働く大切なパーツですが、腫れ過ぎると「窒息」を招く恐ろしい部位でもあります。
子供のうちは、容易に扁桃腺が腫れますが、免疫システムが完成される成人になっても、繰り返し扁桃腺が腫れる方は、一度耳鼻科の先生に相談する事をお勧めします。