何も口の中に入れたり、食事をしていないのに、口の中がしょっぱいと感じることはありませんか?
しょっぱく感じる病気なんてあるのでしょうか?
ここでは、口の中がしょっぱく感じる原因についてご説明していきます。
口の中がしょっぱい病気の原因は?
口の中がしょっぱい病気の原因はこの5つの可能性があります。
- 亜鉛不足による自発性異常味覚
- 口内の出血
- 腎臓病や糖尿病・肝障害の病気
- 舌の苔
- 神経の伝達異常による味覚障害
それぞれ見ていきましょう。
亜鉛不足による自発性異常味覚
概要
体内の血中の亜鉛が不足することによって、味覚障害が起こる病気です。
亜鉛不足による自発性異常味覚で口の中がしょっぱい病気な原因
口の中に何も入っていない、食べていないのに、口の中がしょっぱいと感じてしまう味覚障害です。
薬の服用による味覚の麻痺や、コンビニ弁当、ファーストフード、インスタント食品の摂りすぎで、血中の亜鉛が不足して味覚障害が起こります。
他の症状
・免疫力の低下による口内炎・皮膚炎・ウツ状態・脱毛・動脈硬化・白内障・癌
・女性の、特に中年から更年期障害でよくみられる亜鉛不足
・亜鉛不足による貧血
何科?治療法は
耳鼻咽喉科と内科を受診しましょう。
耳鼻咽喉科で耳、鼻、口腔の診察の後、内科で亜鉛欠乏症かどうかを調べるために、血液の採血による検査を行い、血液中の亜鉛濃度を調べます。治療には、薬が処方されますが、治すのには3か月以上かかります。
自分での対処
亜鉛が多く含まれている食品を積極的に摂る
・牡蠣には可食部100gあたり13.2mg
・煮干し100mgあたり7.2mg
・いりごま100gあたり5.9g
・和牛(かた、赤身、生)100gあたり5.7mg
・卵黄100gあたり4.2mg
日本人は主に米や食パンから亜鉛を摂取しています。
亜鉛の推奨接種量は、成人男性の1日当たりは12mg、女性は9mgとなっています。妊婦はこれに+2mg、授乳婦は+3mgです。
亜鉛不足による自発性異常味覚の注意点
ダイエットのしすぎや、加工食品の多用など、偏った食事をしていると亜鉛不足になりやすいので、注意が必要です。
また亜鉛が沢山消費されるストレスを溜めないことや、アルコール摂取を控えることも大切です。
口内の出血
概要
歯茎から出血していたり、歯周病で膿がでている場合、口の中がしょっぱく感じます。
口内の出血で口の中がしょっぱい病気の原因
日本人の成人の80%の人が歯周病で、
このほとんどは口の中の衛生状態が悪いことによって引き起こされ、歯茎の腫れや出血が起こり、口の中がしょっぱいと感じます。
歯肉炎や初期の歯周病であれば、口の中を清潔な状態にすることで、健康な歯茎に戻すことができます。
他の症状
・歯周病が悪化すると、歯を支えている骨が溶かされ、歯が抜けてしまいます。
・歯周病は糖尿病、心臓病、脳卒中、慢性腎疾患、肺炎、骨粗しょう症、癌および早産などの合併症をが起こることがあります。
何科?治療法は
歯科を受診しましょう。定期的に歯茎のクリーニングを行うことで、歯肉炎や歯周病の進行を予防することができます。
自分での対処
丁寧に歯磨きをして、口の中を清潔に保ちましょう。
口の中の出血で注意点
歯磨きをしていて、出血する場合は、歯科に行って歯茎の状態をみてもらいましょう。
腎臓病や糖尿病・肝障害の病気
概要
腎臓病や糖尿病・肝障害の病気だと亜鉛不足になることがあります。
腎臓病や糖尿病・肝障害の病気で口の中がしょっぱい病気な原因
腎臓病や糖尿病・肝障害は体内での亜鉛の利用を妨げてしまいます。
腎臓病の透析患者の味覚障害は、血漿亜鉛(Zn)濃度と関連があり、亜鉛を投与することによって味覚が回復します。糖尿病における味覚障害の治療の基本は、「血糖コントロール」です。
肝機能も回復することによって味覚障害が治まってきます。
何科?治療法は
総合病院の耳鼻咽喉科と内科を受診して検査を受けましょう。
耳鼻咽喉科で耳、鼻、口腔の診察の後、内科で血液・尿、肝機能・腎機能の検査のほか、亜鉛・銅・鉄などの血清中の微量金属の検査が行なわれます。治療は長期になります。
自分での対処
年に1回人間ドックを受診して、内臓に異常がないかどうかチェックしましょう。また口の中がしょっぱく、体調も悪い時は、すぐに耳鼻咽喉科と内科を受診して検査を受けましょう。
腎臓病や糖尿病・肝障害の病気の注意点
腎臓病や糖尿病・肝障害は沈黙の臓器とよばれ、病気になっても痛くもかゆくもないので検査をするまで分からないことがあります。
口の中がしょっぱいと感じたら病院を受診して詳しく検査してもらいましょう。
舌の苔
概要
舌の表面に白色または黄褐色、または黒色の苔ができます。
胃粘膜の状態が良くないと舌の苔は多く厚くなります。
舌の苔で口の中がしょっぱい病気な原因
味覚は、味蕾(みらい)細胞が味刺激を受けることで感じられます。
舌苔は、舌の表面や舌乳頭の間に付着した細菌や、口の中からはがれ落ちた粘膜細胞、食べ物のかすなどたまってできます。
そのせいで口の中がしょっぱいと感じてしまうことがあります。
他の症状
・口臭
・タバコ
・薬の副作用で口内の免疫力の低下
・免疫力の低下によるカンジダ
何科?治療法は
耳鼻咽喉科と歯科と胃腸科を受診しましょう。
舌の苔自体の治療は自然治癒で特にありません。胃腸が弱っているときにはお薬が処方されます。
自分での対処
よく歯磨きをして口の中を清潔に保つこと、規則正しい生活をすること、舌をしっかり使うことで、新鮮な唾液の分泌をでるようになります。
舌の苔の注意点
舌の苔をへらなどを使ってこすり取ることは、舌の粘膜を傷つけてしまい、他の病気につながってしまうので止めましょう。
神経の伝達異常による味覚障害
概要
ストレスによる自律神経失調症で、口の中がしょっぱく感じてしまいます。
神経の伝達異常による味覚障害で口の中がしょっぱい病気な原因
神経の伝達異常にはいろいろ原因がありますが、
ケースとして一番多いのは、ストレスや疲労がたまっていることによる自律神経失調があげられます。
また中高年の女性で更年期障害が原因で神経の伝達以上が起きて、口の中がしょっぱいと感じてしまうこともあります。
他の症状
・うつ病
・ヒステリー
・加齢
何科?治療法は
耳鼻咽頭科と口内外科を受診しましょう。
検査をして異常がなければ、
中高年の女性の更年期障害は婦人科を、うつ病やヒステリーは心療内科を受診しましょう。
対処療法でお薬を処方されます。
自分での対処
自律神経の乱れを解消するために、規則正しい生活と十分な睡眠と栄養を摂りましょう。
また疲労やストレスをためないように、休息やストレス解消を図ると共に、メンタル面の健康に気をつけましょう。
神経の伝達異常による味覚障害の注意点
亜鉛を多く摂取するように心がけましょう。
また亜鉛の吸収を助けるために、クエン酸やビタミンCも一緒に摂取することをおススメします。
牡蠣フライにレモンとかの組み合わせもおすすめです。
参考書籍
舌をみれば病気がわかる 単行本 (ハンディ版)
内容(「BOOK」データベースより)
舌はからだの鏡。毎日1回、舌を観察するだけで、かくれた不調、病気のサインを素早くチェック!気になる82例と、今すぐできる対策をやさしく解説。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
幸井俊高
東京大学薬学部卒業。北京中医薬大学卒業。ジョージ・ワシントン大学経営大学院修了。1998年、中国政府より中医師の認定を受け、日本人として18人目の中医師となる。帝国ホテルプラザ内「薬石花房 幸福薬局」代表(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)。
最後に
口の中がしょっぱくなる原因はいろいろあることがよく分かりましたね。
もしこの症状で悩んでいるヒトがいたら、サプリメントでもいいから亜鉛を毎日摂ることと、十分な睡眠と栄養を摂り疲れやストレスをためないこと、病院は耳鼻咽喉科をまず最初に受診することをおすすめします。
検査結果でそのヒトに合った病院の科を紹介してもらえます。
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