病院では、普通の患者の場合は、問診のみで、ノロウイルスの検査は行わないことがほとんどのようです。
それにはある理由があります。
ここでは、ノロウイルスの主な検査方法と、結果がわかる時間、費用についてご説明していきます。
ノロウイルスの検査は何をするの?結果はすぐに出る?
病院に行き、直腸から綿棒を利用して便を採取して検査します。
結果は簡易キットの場合、所要時間は20分ほどです。
しかし、より精密な、リアルタイムPCR法、電子顕微鏡を用いる方法の場合は3日から5日以上かかります。
ノロウイルスを調べるには、3つの代表的な検査方法があります。
ノロウイルス検査の主な種類
・検査キット
・リアルタイムPCR法
・電子顕微鏡
検査キット
検査キットは検便と同じ方法です。ノロウイルス患者の便を採取して、陰性と陽性どちらかを調べてもらいます。
陰性なら感染していない、陽性なら感染しています。検査キットは3000から5000円が相場とされていますが、100%当たらないことがあります。
リアルタイムPCR法
リアルタイムPCR法では食品の仕事に従事している方は、この種類の検査方法を受けるのが条件となります。遺伝子を解析する方法ですが、ノロウイルスは遺伝子を持ちません。
しかし、ノロウイルスはRNAという成分を持っており、これをDNAに変える薬を使い確認します。8000から15000円が相場とされています。
100%当たります。
電子顕微鏡
電子顕微鏡は検便などの検査方法と種類が似ており、便を採取して、それを顕微鏡で確認します。
その中にノロウイルスがいると陽性と判断されます。電子顕微鏡は10000から30000円が相場とされています。
100%当たります。
ノロウイルス検査キットでわからない新型ノロウイルスがある
「お医者さんがつくる医療と医学がわかる情報サイト医知場(いちば)」のHPを分かりやすくご説明しますね。
2015年は、ノロウイルスの主要流行株に大きな動きがありました。2014年12月まで主要流行株になっていたGII.4が減少して、2015年は新たにGII.17 が主要流行株になりました。
今まではノロウイルスは簡易検査キットが市販され、65歳以上の高齢者や3歳未満の乳幼児などは、ノロウイルスの検査を保険適用で受けることができました。
また、病院内での感染を防ぐために、疑わしい患者様には検査キットを使ってチェックすることができました。しかし、新型のGII.17のノロウイルスは、市販の簡易検査キットでは十分なウイルス量があっても検査で陽性にならないことが多いのです。
いままでの検査ではひっかからないノロウイルスが増えています。医療機関者の間では頭が痛い問題です。
子供も大人も検査を受けられますか?保険適用?料金は?
厚生労働省や病院関係者の見解では、ノロウイルスの検査の医学的なメリットがないとのことです。
それはなぜかというと、ノロウイルスに感染していても陽性と判定されない場合がありますし、たとえノロウイルスに感染してもいなくても、その後の治療方針に変わりがないからです。
しかし病院、老人ホーム、給食関連施設などでは、ノロウイルスは職場の衛生管理上の問題となってきます。
職種によっては、「ノロウイルスに感染していないこと」を確定させる必要がでてくるので、検査を受ける必要があるのです。
保険適用?料金は?
ノロウイルスの検査は65歳以上の高齢者と3歳未満の乳幼児は健康保険適用ですが、それ以外の患者は健康保険適用外(10割負担)です。
料金は
検査キットで3000から5000円
リアルタイムPCR法で8000から15000円
電子顕微鏡で10000から30000円
が相場とされています。
それ以外にも検査だけではなく初診料、診察、検査の診断の料金も発生します。診断書が必要な場合は、その料金もかかります。
かなり高額な医療費になることを覚悟しなければなりませんね。
ノロウイルスの治療法とは?
ノロウイルスは高齢者や乳幼児だと重症化する場合もありますが、患者のほとんどが点滴や投薬を必要としない自宅治療になります。
現在の医学にはノロウイルス感染を防ぐワクチンや抗ウイルス剤がないため、病院では起きている症状を和らげるための点滴や投薬での治療がほとんどです。
ノロウイルスの検査を受けても、結果がでる数日後には症状が治まっていることや、健康保険適用外(10割負担)なので、検査をしない病院がほとんどです。
最後に
ノロウイルスは現在の医学では検査はできるけれど、治療には打つ手なしということが良く分かりましたね。高齢者と乳幼児以外の患者は、自宅で嘔吐、下痢、腹痛、発熱をこらえながら、安静にしているしかないのが現実のようです。
辛いですが、治るまで辛抱しましょう。
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