ウイルス性の胃腸炎症状には症状が重い場合と軽い場合があるのをご存知でしたか?
あまり知られていないようですが、急性胃腸炎は「ウイルス」が原因の場合と「細菌」が原因の2種類があり、ウイルス性の急性胃腸炎の方が、細菌が原因の胃腸炎と比べて症状が軽いのです。
今回はウイルス性胃腸炎の症状についてご説明していきたいと思います。
ウイルス性胃腸炎の症状とは?種類別
ウイルス性胃腸炎とは嘔吐、吐き気、下痢、腹痛などの胃腸症状を主とする感染症です。
熱を伴うこともあります。そういった嘔吐や下痢を引き起こす感染症の原因はいろいろありますちなみに感染性胃腸炎(流行性嘔吐下痢症)はウイルス性胃腸炎の総称です。
・嘔吐
ウイルス性胃腸炎の場合、嘔吐はおおむね12時間で治まり、24時間以上続くことはほぼありません。
通常は胃の内容物の嘔吐に留まるので胆汁性の嘔吐は認められません。胃の内容物が空になると、いったん吐き気が治まり、幼児の場合飲み物や食べ物を要求する場合があります。
ここで糖分濃度の高い果汁や脂肪分の多い乳製品を与えても、速やかに消化、吸収することができずに再度吐き気と嘔吐が始まるので、経口電解質液を少しずつ間隔をあけて与えることが望ましいです。
嘔吐開始後3~4時間は何も飲ませたり食べたりしなくても吐くことが多いので脱水に気をつけて水分を補給してください。
下痢
嘔吐が始まってから下痢が始まることが多いようです。嘔吐と下痢は病原体を身体から排出しようとする一つの防衛反応です。
下痢に対して下痢止めを使用しても治療期間は変わらないとの報告が多く、病原体を腸管内に停留させる欠点もあり、強い下痢止めは使わない方が良いでしょう。
下痢は止めない方が回復を早め、下痢を止めずに脱水にならないように水分補給に努めることが大切です。
発熱
感染症であるので多くは発熱を伴います。乳幼児が発熱のために不機嫌、不穏になるようになればカロナールを投与します。
カロナールは歯医者さんなどで処方される子供にも使用できる鎮痛剤、解熱剤です。解熱剤は吐き気があるときは座薬、下痢が続くときは内服薬を選択します。
腹痛
腹痛は消化管の収縮に伴うものであり、潰瘍や虚血性腸炎による痛みではありません。
圧痛は、ないかあっても軽度で限局されません。腹痛の持続時間は15分以内のことが多いようです。
冷たい水分や固形物を経口摂取するとその刺激で腹痛を訴えることがあります。ブスコバンなどの鎮痙薬は腸閉塞症などの副作用があるので使用しないことが望ましいと思われます。
ウイルス性胃腸炎の病名別の症状・特徴・対処法
ロタウイルス
・罹患年齢 乳幼児
・流行時期 冬から春
・感染経路 食物、水、糞便
・潜伏期 1~3日
・感染力 強い、院内感染
・便の性状 水様下痢、白色、黄色便
・症状 嘔吐、下痢、腹痛、発熱、脱水症状
・検査方法 抗原検査(糞便)
・罹患期間 3~7日
・対処法 脱水症状になりやすいので、症状が落ち着いたときにすこしずつ水分補給を行ってください。
アデノウイルス
・罹患年齢 乳幼児
・流行時期 通年
・感染経路 糞便
・潜伏期 7~8日
・感染力 乳児院で発生
・便の性状 下痢(酸臭)、長期間の下痢
・症状 嘔吐、下痢、腹痛
・検査方法 抗原検査(糞便)
・罹患期間 8~12日
・対処法
基本的にはロタウイルスと同じ。消毒をする際ハイターなどの漂白剤はにおいがあるので
ウィルバスという消毒液が良いかと思われます。手も消毒でき、においもしません。
ノロウイルス
・罹患年齢 主に成人
・流行時期 秋から冬
・感染経路 生ガキ、二枚貝、水、糞便
・潜伏期 18~48時間
・感染力 食中毒集団発生
・便の性状 下痢
・症状 嘔吐、下痢、腹痛、悪心、かぜの症状
・検査方法 抗原検査(糞便)
・罹患期間 1~2日
・対処法
ノロウイルスは家庭内感染が非常に多いです。トイレに下痢や嘔吐を流す時は必ず便器の蓋をして水を流すようにしてください!蓋を開けたままですと水の粒に含まれたウイルスがトイレ中に飛び散り拡散されてしまうからです。
最後に
ウイルス性胃腸炎でも種類があることがわかりましたね。
特に注意したいのが、ロタ・ノロウイルスですね。強い症状が出ますので、病院へ行くことも視野に入れる必要があります。
水分補給ができない場合は、救急車を呼びましょう。脱水症状で症状がさらに悪化する可能性が高いからです。
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