妊婦がりんご病にかかった時の症状は?後期より初期が特に注意!?

りんご病は子供が保育園・幼稚園・学校などで流行していて、感染してしまい、看病することで、抗体を持っていないヒトは二次感染してしまうことが多いようです。

ここでは妊婦がりんご病にかかった時の症状、胎児への影響、対処法、予防法についてご説明していきます。

目次

妊娠中のりんご病の症状とは?

妊婦がりんご病に感染すると、症状が出るのは抗体を持っていない約50%のヒトと言われています。
子供のように頬が赤くなってしまう症状はほとんどありませんが、以下の症状が、長くて1ヶ月ほど続きます。

・高熱
・猛烈なだるさ
・吐きけや、頭痛
・手足のむくみ
・腕や太ももの湿疹、かゆみ
・関節に強い痛みを感じてしまって歩く事が困難になる

合併症が起こることも

①関節炎
数週間から数か月の間、手首や膝や足首に関節痛がはしり、腫れ、こわばりがみられます。

②貧血発作
溶血性貧血の持病がある人が、りんご病に感染すると、貧血が急激に悪化してしまいます。

③赤血球や白血球の減少する血球貪食症候群(けっきゅうどんしょくしょうこうぐん)

血液の中に含まれる血球(白血球や赤血球)などが減少してしまう、血球貧食症候群になることがあります。

・赤血球が少なくなると、体内に酸素が運べなくなり貧血になります。
・白血球は免疫機能がにぶり体内に入った細菌を殺す力が減少し、病気にかかりやすくなります。
・血小板が減少すると血液が固まりにくくなり、出血が止まりにくくなります。

胎児への影響は?初期・中期・後期で危険度が違う?

妊婦がりんご病にかかったとき 胎児へ2つの影響があります。

①胎児貧血
りんご病の原因である「ヒトパルボウイルスB19」が赤血球を作る細胞を破壊し、妊婦と赤ちゃん両方に極度の貧血を引き起こします。

②胎児水腫
貧血が重症化してしまうことで、流産や死産に繋がりやすい胎児水腫というむくみの症状が現れます。

それでは、初期・中期・後期で詳しくみていきましょう。

妊娠初期

妊娠初期にりんご病に感染すると流産早産の危険があります。

妊娠12~20週に感染するとりんご病の原因である「ヒトパルボウイルスB19」は胎盤をすりぬけるのに、母体が持っている抗体が胎盤でブロックしてしまい、胎児に血液がうまく届かずに胎児が胎児水腫という重い貧血になり、子宮内発育延滞、心不全などで死亡してしまうケースがあります。

防止する方法は現在のところ残念ながら無く、対処療法になります。

妊娠中期

20週以降は妊婦がりんご病にかかってしまっても、胎児には比較的影響が少ないですが、低出生体重児として産まれる可能性もありますので無事に産まれるまで慎重に定期健診で医師に診て頂く必要があります。

妊婦はあまり心配せず、おおらかな気持ちでいることも大切です。

妊娠後期

妊婦から赤ちゃんへのりんご病感染が認められれば、妊娠33週以降であれば早期に出産し、胎外で治療を始める選択肢もあります。

悲しい事実

2011年にりんご病が流行したときに、 妊娠中にリンゴ病に感染してしまった妊婦が、69人確認されました。 そのうち約7割の49人が流産、死産していたことが 厚生労働省の調査により判明しています。

りんご病で妊婦の対処法は?薬はある?飲めるの?

家族がりんご病にかかった時や、妊婦が風邪だと思っていたけれどりんご病?と不安な時は、血液検査で抗体を持っているかどうかが調べられます。

B19- IgM 抗体とIgG 抗体という抗体の値を調べることで、りんご病の免疫の有無と直近3か月のうちに感染したかどうかが分かります。

血液検査で抗体と感染時期をチェック

最初に妊婦の血液検査をし、抗体と感染時期の確認をしてから、経過観察が始まります。

妊婦のりんご病感染から最低10週間は、週に1~2回の超音波検査をすることが一般的です。

胎児の治療

検査開始から約10週間異常がなければ、通常の健診頻度に戻ることができます。

万が一異常が見つかった場合、その時点で赤ちゃんが胎外生活が可能な大きさに成長していれば出産、していなければ胎児輸血や経過観察など胎内での治療を行います。

薬はある?飲めるの?

残念ながらりんご病に特効薬はありません。
頭痛や高熱には解熱鎮痛剤を飲み、発疹のかゆみには塗り薬を塗るといった対症療法が治療の中心となります。関節痛が強く出ている場合は、無理をせず安静にしていることが大切です。

りんご病で妊婦の予防策

りんご病の患者の咳やくしゃみによって飛沫感染(ひまつかんせん)するので、りんご病の患者がいる時は、家の中でもマスク着用、手洗いうがいを小まめにするといった日頃からの予防が大切です。

りんご病の患者の口や鼻の粘膜にさわることで接触感染もしますので、上の子供がまだ小さくて看病をする場合は、マスク着用、手洗いうがいを小まめにすることを心掛けましょう。

友人とりんご病

友人が保育園に勤務していた年に、園内でりんご病が大流行したそうです。

りんご病が流行しているおたよりを出し、妊婦の親御さんには、送り迎えや保育園内の立ち入りを遠慮してもらったそうです。

また保育士はじめスタッフは全員、産業医から血液検査を受けてりんご病の抗体があるかどうかをチェックしたそうです。

保育園に勤めていると、ひとたび子供の風邪をもらうと強烈な症状がでるので、風邪が流行しだしたら、マスク、手洗い・うがいは絶対必要!!と言っていました。

最後に

妊婦がりんご病にかかってしまうと、特に妊娠初期は非常にハイリスクなことがよく分かりましたね。

りんご病は春先から初夏まで流行し、周期は4から6年毎といわれています。上の子供からりんご病を二次感染しないように十分に注意しましょう。

抗ウイルス剤はないので、妊婦になったら、りんご病にかからないように、上の子供がりんご病の時は二次感染しないように注意することと、日ごろからマスク、手洗い・うがいを徹底して予防することが必要です。

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